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テレビ・エンターテインメント業界ならではの面接質問
一般的な企業の面接でよくある質問と、テレビ業界などエンターテインメント業界の企業面接でよくある質問はちょっと違います。
テレビ・エンターテインメント業界ならではの特性が面接の質問にも表れています。
面接官が繰り出す質問の意図を知り、最適な答えを導きだそうではありませんか!
この質問でわかる“コミュニケーション能力”
自分の言いたいことが相手に伝わらなくてはコミュニケーションとは言えません。短時間に要点を押さえた会話を心がけましょう。
テレビ業界ならでは
「ナンパしたことある?」
⇒男性向けの質問ですね。テレビ番組制作スタッフは、街頭に出て道行く人にインタビューをする(街頭インタビュー)仕事があります。知らない人に声をかけて質問に答えてもらうのは至難の技です。ナンパ経験がある人ならば、とっかかりは掴めるのかも知れませんね(笑)
一般的な企業の面接では
「まずはじめに簡単な自己紹介をお願いします」
⇒応募者の雰囲気や態度、喋り方など自己紹介で第一印象が決まります。氏名+簡単な経歴+今後の展望を、簡潔で分かりやすくハキハキと話すことが大切。
【自分はどんな人間で、どんなことをやってきたのか、今後はどうなっていきたいのか】など、 伝える力が試されます。
「人とのコミュニケーションで何を一番大事にしますか?」
⇒どんな仕事もコミュニケーションなくしては成り立ちません。応募者のコミュニケーションへの考え方を知ることで、社風に合うかどうかの判断材料となります。
「仕事をするうえで苦手なタイプの人がいましたか?」
⇒職場には色々な人がいて、全員と気が合うわけではありません。
苦手な人とも人間関係を構築出来るコミュニケーション能力を求められます。
この質問でわかる“人間性”
この人と一緒に働きたいと思えるかどうかは、採用を大きく左右します。
重視されるのは能力よりも人間性という会社は少なくありません。
テレビ業界ならでは
「先輩から理不尽な理由で怒られた場合、あなたならどうする?」
⇒真っ向から反論して正すのか、先輩の立場を考えて我慢するのか、やってらんないと辞めるのか、仕事の中で自分が正しいと証明するのか。人それぞれ取る行動が異なる場面です。どうしたら間違いということではなく、取る行動により、その人の人間性を計り知ることが出来ます。
一般的な企業の面接では
「長所(強み)と短所(弱み)を教えてください」
⇒応募者が持つ長所(強み)と短所(弱み)が社風に合っているか、業務に支障が出ることはないかを判断されます。また、自分自身の長所(強み)と短所(弱み)を把握しているのかを確認されます。
☆長所を答える時は、具体的なエピソードを織り交ぜながら説得力を持たせましょう。
例:「私の長所は社交性があるところです。前職では営業として~」
☆短所を答える時は、裏返せば長所になる短所をあげて、短所を直す為にどのような努力をしているのかアピールするのも効果的です。
例:「社交性を活かして、初対面の人であってもすぐに仲良くなれるのですが、八方美人と思われることもあり~」
「あなたは周りからどんな人だと言われますか?」
⇒自分自身を客観的に見ることが出来ているかがわかります。
近しい人からの評価は応募者の“素”を 窺い知る材料となります。
「これまでに一番努力したことは何ですか?」
⇒努力することによって何を得ることが出来たのか(成長することが出来たのか)。入社後にどのような努力をすることが出来るか推測する為の質問です。
この質問でわかる“志望度”
事前準備もなく面接に来てしまったのか、企業への志望度が高く熱意がある人なのか、質問を重ねるうちに面接官にはわかるものです。
テレビ業界ならでは
「他にどんな企業を受けていますか?」
⇒他社を受けていることは問題ありません。ただ、テレビ業界以外の企業を受けていると一貫性がないと思われることも。 「番組制作の仕事がしたい!」「番組制作の仕事じゃなくてはダメなんだ!」くらいの気持ちでないと続かないと思われがちです。
一般的な企業の面接では
「当社の仕事(会社)についてどのようなイメージを持っていますか?」
⇒本当にその仕事(会社)に就きたいと思っていれば、色々と調べているはずです。入社後のアンマッチを防ぐ為にも企業理解は必須です。
「当社に入社したらどのようなことをしたいですか?」
⇒業務内容をきちんと調べた上で、自分なりのビジョンを持っているのかを確かめられます。また、やりたいことと実際の仕事に相違はないかを知ることが出来る質問です。
「いつから勤務出来ますか?」
⇒企業からすると、入社日は採用計画で最も大事なところ。応募者は明確に答える必要があります。 現職中の方は、内定後どのくらいで退職出来るのか会社の社則を確認しておき、任されている仕事をどのくらいで終えることが出来るのかを、面接で説明出来るようにしておきたいものです。内定~入社までの段取りの良さで志望度の高さをはかられる場合もあります。
この質問でわかる“価値観”
人柄と同じくらい、価値観は「この人と一緒に働きたい」と思えるかどうかを左右します。応募者の持つ価値観が自社とマッチすることで、長期的な勤務を期待することが出来ます。
テレビ業界ならでは
「最近のニュースで気になることは何ですか?」
⇒どんなことに興味を持ち、そのニュースのどこを問題視しているのかがポイントです。一般的な企業面接でも定番の質問ですが、テレビ業界を目指す方には、誰もが知っているニュースではなく、多少のひねりを求められます。
「ハードワークは大丈夫ですか?」
⇒どのような働き方を望んでいるのかを知ることで、仕事に対しての価値観を整理することが出来ます。
一般的な企業の面接では
「友達は多い方ですか?」
⇒多いか少ないかが問題ではなく、人付き合いをどう考えているのかを知る質問です。
「あなたの尊敬する人は?」
⇒どのようなところが尊敬に値するのか、その人のどこに共感出来るのかを知ることで、応募者の価値観を知ることが出来ます。
この質問でわかる“将来像”
応募者の目指す方向と企業のキャリアパスが一致しているかどうかがわかります。応募者のビジョンを確認することで、入社後の育成を企業としてイメージすることが出来ます。
テレビ業界ならでは
「どんな番組が作りたいですか?」
⇒答えが具体的であればあるほど、本当にテレビが好きで制作に興味と熱意を持っていることがわかります。また、ディレクター志望なのか、プロデューサー志望なのか、自分が進みたい方向を面接で示すことが出来れば、企業は応募者の将来像を描くことも出来ます。
一般的な企業の面接では
「あなたの強みやスキルはどのように活かせますか?」
⇒応募者から具体的に話を聞くことで、企業側は「この人を採用したら・・・」とメリットを感じることが出来ます。また、応募者が仕事内容を正確に把握していることも確認出来る質問です。
「10年後の自分はどうなっていると思いますか?」
⇒「こうなっていたい!」と目標や上昇志向を持っているのかがわかります。目標達成の為にどのような努力をするのかも知りたい質問です。今はまだ長期的な目標が立てられないという人でも、目の前の課題をあぶり出し、どうしたいのかを語るだけでも良いと思います。
「あなたを採用すると当社にどんなメリットがありますか?」
⇒応募者自身が自ら持つスキルや適正、強みを把握していないと答えられない質問です。企業は応募者が即戦力となるのか、又はどのくらいで戦力として活躍してもらえるようになるのかを図ります。
この質問でわかる“耐久性”
企業にとって、すぐに辞めてしまう方を採用することは避けたいところです。
どういったことでストレスを感じ、それを解消出来る方なのかどうかは知っておきたいポイントです。
テレビ業界ならでは
「ストレス発散方法は何ですか?」
⇒テレビ業界での勤務は多忙な為、プライベートの時間を持ちづらい現状があります。
そのような中でもストレスを溜め込まずに解消する手段があるかどうかは、長く働く為には必要なことです。
一般的な企業の面接では
「前職を辞めた理由は何ですか?」
⇒また同じような理由で辞めてしまうことは避けたい為、最も需要な質問です。
ネガティブな理由である場合、応募者は正直に話したがらないものです。
企業は応募者が前職で抱いたストレスの根源を、出来る限り面接で明らかにしようとします。
「転職先を選ぶ上で何を重視しますか?」
⇒応募者の重視することが自社で叶わない場合、退職してしまう可能性が高くなります。また、応募者の望むキャリアパスに自社が貢献できないと判断すれば採用は避けるべきところです。
まとめ
以上のように、面接でよくある質問を挙げてみましたが、回答は自分の言葉で伝えるようにしてみてください。
どこかの就職マニュアルに書いてあるようなお手本通りの回答は個性に欠けていて面白くありません。
面接官に「またか」と思われるだけです。
想定外の質問がきても落ち着いて面接官の言葉に耳を傾けましょう。
質問の意味・意図を噛み砕き、自分の考えや思いを自分の言葉で伝える。
心から発せられる言葉こそ面接官に届くものです。
面接は“会話”です。
自分の言いたいことを述べるだけでは演説です。
一方通行にならないよう、会話を成立させてこそ面接成功と言えるのです。