出世したくない20代は約8割!?その先にあるキャリアプランを考える
「出世したくない」「管理職になりたくない」というビジネスパーソンは増加傾向にあります。
ビジネスメディア「Biz Hits」が行ったアンケート調査では、「管理職への昇進を打診されたらどうするか」という質問で、6割超が「断る」と回答しました。
管理職になりたくない理由として。
「責任が重い」
「割に合わないと感じる」
「仕事・残業が増える」
「管理職に向いていない」
「人間関係で悩みそう」
という回答が多く挙がりました。
マスコミ・エンタメ業界でも数年前からこういった傾向をよく見聞きするようになりました。
例えば、ディレクターにはなりたくないという番組制作職のアシスタントディレクター(AD)や、芸能マネージャーになりたいけど、アシスタントのままがいいという方もいました。
先日キャリアトレインの転職サポート面談でお話しした女性は、何の仕事でもいいので、「アシスタント職」になりたいと希望がありました。
「一般事務」や「営業事務」のように、アシスタント以上になる必要はなく、何らかのアシスタント職として職務をまっとうしていくポジションもあります。
しかし、マスコミ・エンタメ業界ではクリエイティブな職種が多く、アシスタントはその上にいくための期間と捉えることが通常です。
経理や総務などのバックオフィス職でも、アシスタントから管理職(責任者)クラスへステップアップしていくことを望まれます。
例外も多々ありますが、アシスタントのままでいられないことの方が多いと思っていただいた方がよいかと思います。
転職サポート面談で話していると、上にいきたくないと考える方たちにはこんな特徴が見られます。
・自分にできるのか自信がない
・上にいくイメージが沸かない
・こうなりたいという上司や先輩が身近にいない
けっしてやる気や向上心がないわけではないのです。
出世や昇進していくことで、明るい未来をイメージさせることができない会社や仕事にも問題は大いにあるのではないでしょうか。
出世したくないと考える前に
出世願望や上昇志向がない代表のように言われるのが、「さとり世代」と呼ばれる現在18歳~35歳くらいの方たちです。
20代に限って見てみると、「出世欲のない」という回答は7割とか8割を超えるアンケート調査もあります。
いわゆる「さとり世代」は、色々な“欲”がないと言われていますが、競争意識が低く穏やかで安定した生活を望む傾向があるとも言われています。
当然、みんながみんなそうではありませんが、世代の特徴としてはなくはないのかもしれません。
出世して上にいかなければダメなわけではありませんが、前述したようにマスコミ・エンタメ業界では入社時からそのまま何も変わらないというのはあまりありません。
では、マスコミ・エンタメ業界にこれから入りたい方や、すでにマスコミ・エンタメ業界で働いていて、上にいきたくないと考えている方はどうしたらよいでしょうか。
■マスコミ・エンタメ業界に入る前
・仕事に就いた後、どういったキャリアステップがあるのか確認する
・どのような働き方がしたいのか明確にする
・上にいくとどういったメリット・デメリットがあるのか調べる
・自分の性格を理解し、希望する仕事に向いているのか判断する
・出世しなくてもよい仕事を探す
これらを確認・理解した上で入らないと、後々ミスマッチが起こる可能性が出てきます。
ただ、最初から出世したくないという考えがあると、面接などで熱意が伝わらず、そもそもマスコミ・エンタメ業界に入ることが難しいかと思います。
■マスコミ・エンタメ業界に入った後
・出世したくない理由を深掘りする(キャリアを見直す)
・社内外問わず、こうなりたいと思えるロールモデルを探す
・上にいくことを望まない代わりに何ができるか考える
・会社員でいる限り、出世しないことへのリスクも考える
・出世しない場合のキャリアプランを考える
会社に雇用されている限り、マイペースを押し通すことは難しい場合があります。
社員には出世・昇進により、後に続く後輩を育てるとか、会社の業績を伸ばすために活躍することを通常は求められます。
今は多様な働き方があり、必ずしも会社の中で出世や昇進をする必要はありませんが、「何となく嫌だから」とか「ラクしたいだけ」などと考えていると、「こんなはずじゃなかった」になりかねません。
「自由は不自由」
私は20歳くらいの時に、ある先生からこんな言葉を聞きました。
その時はまったくピンと来ていませんでしたが、そこから数十年経って・・・、ビシバシと響いています。
出世しようが拒もうが、自分の判断には責任を持ちたいものですね。
<石川かおり>