仕事を辞める兆候の見極め方

これまで色々な会社の働く人達の話しを聞いたり見たりして、「あ、辞めそうだな」というのが、わかることがよくありました。

最近でも、ある会社で、「続かなそうだなぁ」と傍から見ていて思った新人社員がいたのですが、案の定、入社2ヶ月で退職したそうです。

「辞めそうだな」と思ってしまう社員には、明らかな兆候が見られるものです。

「ウソ!?辞めるなんて全然思ってなかった!」ということは、実はあまりないかもしれません。

コミュニケーションの減少

辞めそうな人の行動として顕著な特徴の一つが、同僚や上司とのコミュニケーションが減少することです。
これまで頻繁に会話をしていた社員が突然言動を控えがちになり、必要最低限のやり取りしかしなくなる場合、退職を考えている可能性があります。
また、挨拶をしなくなるなど、職場内での人間関係の構築を意識しなくなることも、辞める前兆としてわかる行動の一つです。

会議や発言の消極化

会議で意見やアイディアを積極的に出していた人が、急に発言を控える姿勢を見せる場合も要注意です。
仕事に対する目標が薄れたり、成長意識が低下した兆候と考えられます。
また、議題に対して興味を示さなくなり、受け身の姿勢が取られるようになることも、辞めそうな人の特徴として挙げられます。

服装や外見の変化

仕事を辞める前には、服装や外見に注意を払わなくなる社員も目立ちます。
これまで身だしなみに気を遣っていた人が、急にカジュアルな服装になったり、洗練されていない身なりをするようになるケースがあります。
これは、会社や職場への関心が低下し、意識が他の方向に向いているサインと考えられます。

感情表現ややる気低下

感情表現が乏しくなり、仕事に対するやる気が明らかに見えなくなる場合も、辞める兆候として捉えられます。
以前は仕事に熱心に取り組んでいたり、情熱を見せていた社員が、急に冷めた態度をとるようになると、会社への意欲が減少している可能性があります。

転職活動の兆候が見える

辞めそうな人を見極めるもう一つの兆候として、転職活動がすでに始まっていることがあります。
例えば、昼休みや空き時間に求人サイトを見ていたり、スーツ姿で外出する機会が増えた場合は注意が必要です。
また、職場での行動においても、突然詳細な引き継ぎメモを作成し始めるなどの変化が見られることがあります。

退職を考える人が示す行動パターン

仕事へのモチベーションの低下

社員が退職を考え始めると、仕事へのモチベーションが低下する傾向があります。
具体的には、与えられたタスクへの取り組みが消極的になり、目に見えて効率が落ちる場合があります。
こうした行動は、仕事に対する意識や成長意欲の薄れと関連しており、辞めそうな人に見られる特徴的なサインといえます。
また、業務に対して以前ほどの興味や情熱が感じられなくなるため、他の社員からも「何かが変わった」と思われることが増えるでしょう。

新しい仕事やプロジェクトへの関心の薄さ

辞める前兆として、新しいプロジェクトやチャレンジへの関心が薄くなるケースが見られます。
例えば、新しい役割や責任を任せた際に後ろ向きな姿勢を見せたり、目標達成に向けた熱意が感じられなかったりすることがあります。
これは将来のキャリアを今の会社ではなく、別の場所で描こうとしている兆候の可能性があります。
そのため、社員が新しい提案や取り組みに対し興味を示さない場合は注意が必要です。

定時退社や突然の有給増加

辞めそうな人に見られる行動の一つとして、定時退社が増えたり、有給休暇を急に多く取るようになることが挙げられます。
特に普段は残業をしていたり、フレキシブルな働き方に柔軟に対応していた社員が急に時間通りに帰るようになると、退職の兆候かもしれません。
また、転職活動を進める中で面接の時間を確保するため、有給休暇が急に増えるケースもあります。

業務の質やスピードの変化

退職を考える社員は、業務の質やスピードが変化することも特徴の一つです。
これまで高いパフォーマンスを発揮していた人が、突然ミスが増えたり、納期に遅れるようになることがあります。
これは、会社に対する意識が低下し、目の前の業務に全力を注げなくなった結果と考えられます。
また、仕事に対する責任感が希薄になり、目標達成よりも「最低限の義務」を果たすことにシフトしている場合もあります。

周囲や職場がとるべき対応策

本人と率直に話す場を設ける

辞めそうな人の兆候を見つけた場合、まずは本人とのコミュニケーションを重視することが重要です。
意識的に時間を作り、プライベートな場で今の状況や不安、要望を聞く姿勢を持つことが、本人の気持ちを理解する第一歩です。
この際、「会社としてどのようにサポートできるか」を誠実に伝えることが大切です。
率直な対話を通じて、社員が感じている問題点を把握し、適切な対応策につなげることができます。

職場環境の改善策を伝える

退職を考えるきっかけの一つとして、職場環境に対する不満が挙げられます。
そのため、職場環境の改善に取り組む姿勢を示すことが欠かせません。
例えば、業務負担の公平性や、社員の成果に見合った評価制度の見直しを実施することで、社員の意識ややる気に良い影響を与えることができます。
日々の業務で感じる課題をヒアリングし、小さな改善を重ねることで、会社全体をより働きやすい環境として成長させることが可能です。

退職を防ぐための早期対応

辞めるという決断に至る前に、兆候を察知して早期に対応することが、退職防止のカギとなります。コミュニケーションの減少や業務の質の低下などの変化が見られた場合、放置せず迅速に確認を行いましょう。
目標設定やキャリアプランの再確認を行い、会社として社員の成長を支援する姿勢を見せることが重要です。
また、転職活動などの行動の兆候が見られる場合は、必要に応じて配置転換や待遇の見直しを検討することで、早期解決を図ることができます。

柔軟な勤務制度の導入

柔軟な勤務制度を導入することで、社員が抱える問題に対応できる環境を提供することが可能です。
働き方改革やリモートワーク、フレックスタイム制度を積極的に取り入れることで、個々のライフスタイルや価値観に合わせた働き方を提案できます。
特に、育児や介護など、プライベートな要因で辞めることを考えている社員には、大きな安心感を与える可能性があります。
柔軟な制度は、社員が会社にとどまり続ける大きな理由となり得ます。

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国家資格キャリアコンサルタント
石川かおり