カジュアル面談、ブラインドレジュメ・・・あらゆる手法で採用努力を惜しまない担当者
先日ある企業のエージェント説明会に参加したのですが、採用担当者の採用に対する姿勢みたいなものに、僭越ながら感心してしまいました。
この企業は、「バーチャル上で音楽ライブやイベントに参加することができるプラットフォームを展開しているのですが、今どきの事業を手掛けているイケイケな企業にいそうな採用担当者とは一線を画している印象があります。
採用に関わるキャリアが今の会社で始まったわけではなく、これまでに確かな経験を積んでおられるようですが、第一に応募者(候補者)側に立って物事を考えてくれるのです。
もちろん「良い人を採用したい」「ミスマッチは避けたい」という採用担当者のミッションはあるかと思いますが、そこまでに至る過程を大事にしているからこそ、自然に結果が出るのだと思います。
転職エージェントとして何が嬉しいかと言うと、下記のようなお願いも応えていただけるからです。
■カジュアル面談を歓迎
→会社のことや仕事のことがまだわからないという応募者に対して、正式な面接前に説明がてら気軽に面談してくれるそうです。
■ブラインドレジュメでもOK
→名前や年齢、学歴などの個人情報を伏せた形の情報でも選考可能なので、能力のみで判断してもらえます。
■書類選考は即日回答
→エントリーがあったら即日(遅くても次の日まで)に書類選考結果が届きます。
■Facebook Messengerでも対応可能
→メールや電話以外にSNSを使用したメッセージにも対応してくれるのでスピード感があります。
従来通りの採用手法に加え、臨機応変に応募者のリクエストに応えてもらえるので安心して選考に進むことができます。
あらゆる採用手法
昨今、企業は様々な理由から人材確保に苦戦しています。
・有効求人倍率は高止まり
・少子高齢化で働き手の減少
・採用コストの上昇
・人材獲得競争の激化
・業界格差
・企業と求職者のニーズがミスマッチ
劇的に効果をもたらす採用手法なんて、普通にやっていたのではなかなか見つかりません。
だからこそ、企業の採用担当者はどうしたら採用できるのかを、可能な範囲で工夫していかなければならないのです。
冒頭にご紹介した企業に限らず、あらゆる採用手法を取り入れている企業はたくさんあります。
■採用動画を作る
→会社案内や社員のインタビューなど、自社を知ってもらうための動画を制作し応募者に公開しています。
■LINEで回答
→SNS機能にプラス、応募者からLINEでの質問を受け付けている企業もあります。
■懇談会で親睦を図る
→応募前後に会食などのイベントを設けて社風を感じる機会を作ります。
■noteなどでストーリーを発信
→読み応えのあるツールで、会社や社員の物語を発信し共感を誘うようにしています。
マスコミ・エンタメ業界では、例えばテレビ番組の制作会社でこんな取り組みをしているところもあります。
■職場見学
→タイミングが合えば、収録やロケなどにも参加できます。
■お試し体験
→数日単位で実際の仕事を体験することができます。
入社後のミスマッチを防ぐため、企業も柔軟な考えを示し始めています。
中には、応募者に色々とお話しをした後に、「最終的に受けなくてもいい」という企業もありました。
「次回の転職で選択肢に入れてくれたら」と、応募者を長い目で見る採用手法もあります。
新卒採用と異なり、中途採用の場合は会社説明会なども滅多にないので、応募することに不安を覚える方もいるかと思います。
こんな風に応募者側に立ってくれる企業があると安心ですね。
困ってしまう採用担当者
反対に、応募者のどんなリクエストも受け付けない企業もあります。
以前、最終面接が決まった応募者から、職場を少し見せてほしいというリクエストがありました。
そこで企業にお願いしたのですが、こんな理由で断られてしまいました。
「まだ入社すると決まったわけではないので見せられない」
「社内にいるスタッフに説明しなければならない」
「なんで職場を見たいのか理解できない」
私は心の中で「なんでやねん!」と叫びました。
理解を求めようと色々と話をしましたが、結局希望は叶わず。
この応募者は一応内定まで進みましたが、最後は別の会社を選んでしまいました。
他にも、採用担当者の対応に困ってしまう事例は多々あります。
・書類選考結果の連絡が遅すぎる
・不採用理由を教えてくれない
・「先入観」「偏り」が激しい
これらは採用担当者個人の問題なので、その場合は企業全体がブラックというわけではありません。
もしかしたら、採用担当者もエージェントと同じ理由で困っている可能性も大いにあり得ます。
選考は採用担当者だけが携わるわけではなく、現場(配属部署)の上長や役員が判断することも多々あります。
そこから採用担当者にフィードバックが下りてこないということも考えられます。
だからと言って、こちらも黙って待っているわけではありませんが限度があります。
事情があるのかもしれませんが、大事な応募者(登録者)に影響がおよぶことだけは避けたいのです。
応募者(登録者)には、どうして連絡が遅いのか、どうして不採用になったのか、できる限り細かく早く伝えたいものです。
採用努力を惜しまない企業と同じように、エージェントとしての努力ももっともっとできればと思っています!
<石川かおり>