マスコミ業界大研究

芸能マネージャーについて

“芸能マネージャー”は、マスコミ・エンタメ業界の中でも特に人気の高い職種です。主に芸能事務所の社員として、所属タレントのマネジメントを行います。事務所やタレントによって、マネジメントの方法は大きく異なります。

タレントとマネージャーの関係は?

タレントとマネージャーは必ずしも1:1の関係とは限りません。1人のタレントを複数で担当する場合や、複数のタレントを1人で担当する事もあります。
また、同じタレントを長年に渡って担当する事で一緒に成長していくケースもあればタレントの仕事や成長に合わせてマネージャーが変わる事もあります。

マネージャーと付き人の違いは?

マネージャーが一般的に芸能事務所に雇われるのに対し、付き人はタレント個人に雇われるのが一般的です。
タレントと付き人はどちらかと言うと師弟関係にあり、付き人はタレントの身の回りの世話をしながら、自らもタレントを目指して芸を磨きます。
マネージャーはタレントの仕事面を全面的に任されます。いわゆる「仕事を取ってくる」事が重要な任務です。
但し、担当するタレントによっては、付き人に近い事まで任されたりドライバー(運転手)を務める事もあります。

現役マネージャーたちの悩み

キャリアトレインには転職を希望する現役のマネージャーさんも多く相談にみえます。
転職を希望する理由は一体なんでしょう。
長時間労働?待遇面に不満?いえいえ、マネージャーになる方たちにとってこの辺りは大きな問題ではないようです。
最も多い理由は、“人間関係”の悩み。
マネージャーさんたちは、日頃人間関係に多くの悩みを抱えています。

タレントとの人間関係

マネージャーはタレントの成功が自らの成功でもあります。
そのため、タレントの成功を心から望んでいます。
しかし、タレントも人間。必ずしもマネージャーに対して好意的に接してくれるとは限りません。
そんな相手に対しても成功のためには尽力しなければならない…大変ですよね。
それでもマネージャーは会社員です。会社に対して「あのタレント嫌いだから担当を変えて」とはそうそう言えません。

クライアントとの人間関係

営業職なら誰でもクライアントと良好な関係を築くためにさまざまな努力を重ねるものです。
マネージャーたちにとって、クライアントとなるのはテレビ局のプロデューサーだったり、出版社の編集者だったり、イベント会社や広告代理店など業界関係者がほとんど。
昼夜問わず多忙を極める業界人を相手に、いかにタレントを売り込んでいくかは難しい問題です。
タレントのパフォーマンスが悪ければ、タレントに代わってクライアントに頭を下げなければなりません。

社内の人間関係

意外に思うかも知れませんが、これを理由に挙げる人は多いのです。
芸能マネージャーは大変な仕事です。それゆえ、一筋縄ではいかない個性的なタイプの人も多いのです。
また、この世界でキャリアを積んだベテランのマネージャーは、独自のマネージメントルールを持った人も多く、
新人には特について行く事が難しいケースも多いようです。
タレントを育てる事に一生懸命で、後輩のマネージャーを育てる余裕がないと言う話もあります。

いずれにしても、芸能マネージャーにはタフな精神力とコミュニケーション能力が求められます。

芸能マネージャーの仕事内容

芸能事務所や担当するタレントによって異なりますが、以下、仕事の一部をご紹介していきます。

● タレントのプロフィールを持って、テレビ局やラジオ局、制作会社、出版社、イベント会社。
● キャスティング会社等、さまざまな媒体やクライアントに対して売込みを行う。
● タレントに同行し、打ち合わせに同席したりオーディションや収録現場に立ち会う。
● タレントのスケジュールを管理する。タレントが多忙であればあるほど、高い調整力が求められる。
● タレントのメンタル面をフォローする。公私に渡って相談に乗ったり、時には厳しい指導やアドバイスもする。
● タレントの送迎も行うが、これは担当するタレントによる。
● 新人発掘のためにさまざまな手段で情報収集をしたり、街頭でスカウトをする事もある。
● 事務所と一緒にタレントの方向性を考え、自ら企画を立てて売込み先に持ち込む事もある。

どんな人が向いている?

以下の人物像は多くの芸能事務所で求められています。

● 社会人経験を通じて、挨拶やビジネスマナーをしっかりと身に付けている。
● 人に対する得手不得手を極力持たず、誰にでも人当たり良く接する事が出来る。
● エンタメには常に関心を持ち、タレントが目指す夢を共有する事が出来る。
● 空気を読みつつも、積極的に前へ出る事が出来る。
● 責任感が強く、物事を途中で投げ出さない。最後までやり遂げる事が出来る。
● 清潔感はとにかく大事。タレントだけでなく、美意識の高い芸能界でマネージャー自身も好感を持たれる努力を怠ってはいけない。
● 営業マインドは常に持ち、タレントを支えるだけでなく、売り込む意識を持っている。

大手芸能プロダクションは新卒採用が主流ですが、中小規模のプロダクションには中途採用の募集がたくさんあります。

芸能マネージャーの面接ポイント!

芸能事務所の面接は、事務所毎に独自の採用基準があるため、一概にこうだとは言えません。
ここでは多くの事務所で共通して問われる資質や仕事に対する考え方の一部をご紹介します。

やはり志望動機が重要!

「なぜ芸能マネージャーになりたいのか」感覚的にこの仕事を希望している人も多く、
ズバッと答えられないと言う意見が多いようです。
例えば芸能事務所の面接であまりウケない志望動機に「人を支えたいから」「人の世話をするのが好きだから」と言った回答があります。
一見優等生的な考えですが、「もっと他の仕事があるのでは?」と切り返されてしまいます。
あなたの希望する仕事が「なぜ芸能マネージャーでなければいけないのか」を考える必要があります。
ちなみに、単なるミーハーは疎まれますが、多少のミーハー心は“芸能界への関心度合い”であるとして歓迎される傾向があります。

エンタメに対する興味

「好きな映画は?」
「好きな本は?」
「好きな舞台は?」
単にその人の趣味嗜好を知りたいわけではありません。エンタメに対する興味度合いを聞かれているわけです。
例えば「うちの○○と言うタレントにどう言った仕事を取ってくるか」と言う問題に直面した時に、エンタメに興味が薄い(もしくは特定のジャンルにしか興味がない)と、実際の仕事でタレントに幅広い方向性を提案できません。
芸能マネージャーになりたいのであれば、普段からエンタメに興味・関心を持ち続ける事は重要です。

やっぱり見た目も大事!

美男美女でなければマネージャーになれないと言う事ではありません。
ただ、清潔感やセンスと言った要素はマネージャーにとって非常に重要なのです。
時にはタレントのビジュアルにアドバイスも行いますので、美意識は高く持っていた方が良いでしょう。