マスコミ業界【経験者】募集の定義
「人気番組のアシスタントプロデューサー募集!」
必要な経験・スキル:番組制作経験者
上記はご覧の通り、番組制作の【経験者】を求めている求人です。
この求人に応募してきた方がいたのですが、番組制作経験が2ヶ月しかありませんでした。
新卒で番組制作会社に入社して、アシスタントディレクターとしてスタートしたものの2ヶ月で辞めてしまったそうなのです。
確かに、この求人には【経験何年以上】とは記載されていませんが、2ヶ月の経験では残念ながら求人企業からは経験者としてみ見てもらうのは難しい現実があります。
他にもこんな応募例があります。
「大手イベント企画制作会社でプランナー募集!」
必要な経験・スキル:イベント制作経験者
この求人に応募してきた方は、学生時代にイベント会場でアルバイト経験がある方でした。
求人企業からは、「制作アシスタントの求人ならば対象になることもあるが、プランナー職では選考対象にならない」と判断されてしまいました。
このように、募集職種に対して確かに【経験】があっても、経験年数やどういった所でどのような立場で経験してきたのかを問われるのが経験者募集求人です。
企業によって様々な【経験者】の定義
経験年数も実務経験もクリアしているのに、企業が求める【経験者】の定義に当てはまらないことがあります。
35歳で経験3年
求人職種に対して経験が3年あれば十分に選考対象になると思いますが、年齢と経験年数のバランスがポイントになってきます。
35歳から3年を引くと、10年間(大卒の場合)は何をしていたのか?
新卒3年目と35歳で3年目が同等?となると厳しいものがあります。
ジャンルが違う
某エキストラ事務所でマネージャーをしていた31歳の男性がいました。
芸能マネージャー経験者を募集している、有名な俳優・女優が所属している芸能プロダクションに応募したのですが、書類選考すら通りませんでした。
この芸能プロダクション曰く、「エキストラ事務所とは仕事のやり方が違うの経験者とは言えない」ということでした。
地方での経験
福岡で番組ディレクターとして勤務していたTさんは、34歳にして東京で挑戦したいと上京してきました。
福岡ではテレビ局に常駐し、情報番組を制作していました。東京でも同じような環境での勤務を希望していたのですが、なかなか仕事が見つかりません。
番組制作会社経由で、都内テレビ局に聞いて回ってみたものの、受け入れ先が見つからないまま時間だけが過ぎていきました。
あるテレビ局の担当者がこんなことを言ったそうです。
「地方での3年は東京の1年」
東京の地理や慣習を30代のディレクターに教えるよりも、20代のディレクター見習いを引っ張った方が早いそうなのです。
企業によって採用基準は違えど、単純に【経験者】だからとスムーズに進むとは限らないのです。
自分の市場価値を知る
様々な理由で、【経験者】として思うように選考が進まない場合、方法を変えられない方とこれまでの経験にとらわれず方法を模索する方がいます。
まずは自分の市場価値を知ることが大切です。
これまで努力をしてきた方ほど、受け入れがたい部分はあるかも知れません。
年齢や状況にもよりますが、何としてでもその職業で生きていきたいと思うのであれば、柔軟に対応する必要があります。
・アシスタントとして一からやり直し
・条件を下げてでも環境を手にする
・今の会社で経験を積んで市場価値を上げる
などなど。
転職活動で苦労はしても、仕事に就いたら長期的に続きます。
焦らず丁寧にうまく立ち回ってください!
《石川かおり》