30歳で“最後”の転職になるでしょうか?【25.1%が5回以上転職を経験】

2021年10月27日

転職活動をしていると、「転職回数」を気にする求職者もいます。

これまでに数回の転職を経験してきた方の場合、「選考で不利になるのでは?」と不安に思うこともあります。

また、「もう転職したくない」という気持ちで転職活動を進めていると、せっかく内定を貰っても決断することが難しくなってしまう方もいます。

先日、最初の転職時からサポートさせて頂いているテレビ番組ディレクターのAさん(30歳)からこんな相談がありました。

「番組制作会社から内定を貰ったのですが、条件があまり良くないので、また転職を考えなくちゃいけなくなるのかなぁと」

Aさんは不本意な形で前職を退職し、すでに半年が経過しています。

テレビ業界に入る前に新卒で入った会社が1社あり、テレビ業界に入った後に2社の職歴があります。

今回の転職で4社目になるのですが、確かに一般的には大卒30歳で4社目は多い方かもしれません。

「最後の転職にしたい」というAさんの気持ちはよくわかりますが、まだ30歳のAさんは本当に“最後”の転職になるでしょうか?

25.1%が5回以上転職を経験

2021年10月にキャリアバイブル(運営会社:株式会社NEXER)が実施したアンケート調査では、転職経験者の25.1%が「5回以上転職している」ことがわかりました。

2人に1人は転職を経験していることが直近の調査でもわかっていますが、その転職回数も1回ではないことがわかります。

日本の転職は欧米とは異なり、キャリアアップや年収アップに繋がらないことの方が多い実情があります。

転職理由は、給与・評価・育成・人間関係・ワークライフバランスなど、「不満ベース」が多い印象が強いです。

<企業での平均就業年数>
アメリカ4.2年
イギリス8.0年
日本12.1年

参考:労働政策研究・研修機構(JILPT)『データブック国際労働比較2017

ポスト主義(雇用と職務が紐付いている)の欧米では、給与や職務を自分で上げていくしかないので転職を繰り返すことになります。

日本(日本型雇用)の場合、在籍しているだけでポストがなくても給料は上がります。

ザクっとこういう理由があることで、転職の必要性を感じない、転職はネガティブでしかない、1社で勤め上げる美学的なイメージがまだまだあるのです。

転職回数に対する企業の考え方

転職回数が多いことが、なぜマイナスな印象に繋がるのか?

企業(採用担当者)は、応募者の履歴書を見て、下記のように考えるからなのです。

「早期離職のリスクがありそう」(また辞めてしまうのでは?)
「転職に一貫性がない」(キャリアステップが曖昧)
「人間関係がうまくいかなかないのでは?」(何か問題がある人?)

転職回数について明確な許容範囲があるわけではありません。

一般的に考えて、年代別の転職回数というものが存在します。

20代で1~2回
30代で3回まで
40代で4~5回

各企業によっての判断になりますので、「転職回数は気にしていない」とか、「回数ではなく在籍年数の方が重要」という企業ももちろんあります。

キャリアトレインのクライアントでは、下記のような判断をする企業がありました。(20代の場合)

◇エンタメ企業A社
20代ならば経験社数1社まで。在籍期間1年未満は採用基準に満たない。

◇芸能プロダクションB社
転職回数の制限はないが、1社の在籍期間が短いと選考通過は難しい。

◇番組制作会社C社
20代で転職3回までなら問題にしていない。何をしてきて、何ができるかの方が重要。

◇インターネット広告制作会社D社
転職回数は関係ない。募集職種に対しての実務経験があればよい。

さて、「最後の転職にしたい」というAさんですが、テレビ番組ディレクターとしてさらなる飛躍を遂げるには、転職はまだあるのではないでしょうか?

決して転職を進めているわけではありませんが、テレビ番組以外の様々なメディアやコンテンツへの挑戦など、キャリアップの道筋は安定で作られるものではありません。

転職回数なんて問題にならない、確かな実績を積み重ねていけばよいのだと思います。

参考:2014年5月7日ブログ「『転職回数が多い方』を企業はどう見るか!クリエイターの転職は一般論では語れない

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<石川かおり>

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