問題社員に悩まされないために!採用活動の見直しのススメ

2012年12月7日

近ごろ“問題社員”や“モンスター社員”という言葉をよく耳にします。

困った社員というのは、仕事ができない社員だけではありません。
周りとの協調性が無く、自己主張が強い。でも仕事がそこそこできるから扱いが難しい・・・というケースが増えているようです。

問題社員が会社に居続けると、周りの社員の士気が下がったり、チームワークが壊れたり、仕事の効率が悪くなったりして、結果会社の業績低下にも繋がりかねません。

「そんな社員、すぐに辞めさせてしまえばいい」
と考えるかもしれません。
しかし、一度雇った社員を辞めさせるのは、そんなに簡単な話ではありません。

解雇するには、就業規則に解雇についての規定があることが大前提です。
解雇の規定には、「解雇事由」を記載してあるはずです。
例えば
「勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等、就業に適さないと認められたとき」
「勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、従業員としての職責を果たし得ないと認められたとき」
などと記載していることでしょう。
就業規則に定めている解雇事由のうちのいずれかに当てはまらなくては、会社は従業員を解雇することはできません。

解雇事由に当てはまったとしても、注意が必要です。
成績が悪いから、また勤務態度が悪いからと言って、突然解雇を言い渡すことはできません。
会社はできる限り雇用を守る義務があり、再三にわたって指導を行い、職務内容がその社員に適さない場合は、配置転換を試み、それでもダメな場合でないと、解雇が認められないとされています。

そこまでやっても、解雇が有効か無効かを争った場合、会社が負けることが圧倒的に多いのです。
法律は徹底して労働者を守ります。

それでは、問題社員から会社を守るにはどうすればよいのでしょうか。
問題社員対策

最大の対策は、「問題社員を雇い入れない」ということです。

労働契約を結んだ後は、どんな問題社員でも、会社はその社員の雇用を守る義務が発生します。
それならば、会社が持つ権限である「採用権」を行使し、問題社員になりそうな求職者を見極め、採用しないことこそが、いちばんの対策になるのです。

採用活動で問題社員をブロックできない会社に多いパターン

《とにかく急いで人手を欲しがる》
求めている職務経歴やスキルがあるだけで、評価が甘くなってしまい、性質を見極めようとしない傾向があります。
また、じっくり面接する時間が無いことを理由に、求職者の人物像をほとんど見ずに採用してしまうことも。
採用活動では、複数人の目で複数回、求職者を見ることが理想です。

《人事と現場の意思疎通ができていない》
人材を見極めるプロである人事と、スキルを見極める現場の意思疎通ができていて、求職者を総合的に判断するのが理想的なのですが、このバランスが悪いと、勤務態度に問題がある社員、仕事ができない社員を採用してしまうことに。

《自社を語ることだけに熱心な会社》
企業理念や事業内容、具体的な仕事の内容など、求職者に向けて自社を語ることは必要ではありますが、一方的に話しをする間、「ハイ!ハイ!」と模範的な相槌を打つ求職者を「自社を理解してくれる良い子」と評価することは危険です。
求職者の言葉を聴くようにしましょう。

《求職者の見た目の印象だけで判断する》
見た目が爽やか、見た目が明るそう、返事が元気、素直な受け答え、熱心に話を聞いている・・・
求職者のこれらの要素は、確かに大切ですし、その人の側面ではあります。
しかし、初めて会ってパッと見た印象で「良い子に違いない」「仕事が出来そうだ」とテンションが上がってしまうと、本来採用時に確認しなくてはいけないポイントを見落としてしまいがちです。
明るくて積極的な求職者が、入社後に過度に権利を主張することもあります。
逆に素直で真面目な印象の求職者は、実は意思表示が苦手なだけで、仕事をしていくうちに突然ガス欠を起こして出社しなくなる、ということもあります。
もちろんそんなパターンばかりではありませんが、面接だけは得意、という求職者がいることも、頭に入れておくとよいでしょう。

一度や二度の面接で、人を見極めることは、ほぼ不可能だと思います。

しかし諦めず、面接で気になる点があったら、とことんまで確認すべきです。
そして、人手不足の会社にはキビシイかもしれませんが、求職者に対して少しでも疑問や不安が残ったら、採用を辞めるくらいの思い切りが必要なのだと思います。

不況の中、生産性を上げていくことが求められている企業にとって、少し時間をかけてでも、会社に合う人材を探していくことは、ますます重要になってきているのではないでしょうか。

社会保険労務士 平倉聡子

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