就活が変わった!企業の新卒採用も見直す時期へ
3月1日に2016卒の就活が解禁になったと思ったら、6月1日から2017卒以降のサマーインターンシップ情報が解禁になったなんて。
そういえば都内の地下鉄にはマイナビとリクナビのインターンシップ広告がすでに溢れていました。
2016年卒の就活生は、現在企業選考の真っ最中。
2017年卒以降の学生はインターンシップや合同説明会、企業イベントに参加するなど大忙しです。
上記表のように、2016年卒から就活スケジュールが後ろ倒しになった為でしょうが、山手線車内や都内主要駅付近を見渡せば、リクルートスーツに身を包んだ学生ばかりが目に付く状態です。
就活サイトを使わない学生と企業が増えているらしい
マイナビとリクナビが代表格の就活サイト(ナビサイト)
インターネット普及に伴い、2005年頃から企業の情報やエントリーまですべて就活サイトで行うというスタンダードが出来上がりました。
現在も就活サイトの存在感は凄まじく、就活サイトのグランドオープン日が就活解禁日と認知されています。
ところが昨今、就活サイトを利用しないで就活をする学生や、求人を掲載しない企業が増えているらしいのです。
《エントリー企業の約4割は就活サイト以外から》
学生に現在の総エントリー社数とそのうち就活サイト以外でのエントリー社数について尋ねたところ、総エントリー社数の平均は53.8社、就活サイト以外での平均エントリー社数は22.4社という結果になりました。ここから、学生がエントリーしている企業の約4割は就活サイト以外を経由してエントリーしていることがわかります。また、就活サイト以外からエントリーしたことがある学生は全体の9割を占めていることがわかりました。
では、就活サイト以外のエントリー経路は何かというと・・・
- 企業ホームページ 82.3%
合同説明会 27.6%
学内セミナー 26.5%
ダントツで8割以上の学生が企業のホームページからエントリーしていることがわかりました。
《就活サイトではなく企業ホームページの理由》
メリット :採用HP限定の情報などもある。
デメリット:企業数が絞られていないと煩雑になる。
あと、2015年卒の就活時に問題になった、就活サイトの“あおり”も就活サイト離れの一つの理由ではないでしょうか?
某就活サイトのトップ画面に、上記のような企業へのエントリーを誘導するような表示を乗せたことで“あおり”過ぎと批判がありました。
クリック一つで大量の企業に応募することが可能な就活サイトとは言え、「せっせとたくさんの企業にエントリーせぇ」というやり方は、ちょっと考えることが出来る学生にはドン引きです。
たくさんの企業の情報が一気に見ることが出来てエントリー可能な就活サイトは便利ですが、売り手市場の現在、大量エントリーしてどこかに引っかかればという風潮ではありません。
学生が自分に合いそうな企業に出会う為、企業のアイデンティティが窺える自社のホームページを利用するのは自然の流れなのかも知れません。
一方、就活サイトを使わない企業はというと・・・
大手製薬会社 採用担当
「3万人が集まって2,000人に会うとなれば、2万8,000人にお断りすることから始まる。
たくさん集まった人をいかに絞るか、そこだけに注力することになってしまう。それは本当にすべき努力なのか。」
不動産会社 採用担当
「どんなカテゴリーで検索して、エントリーしたかも覚えていない。」
「連絡を取ろうとしても電話にさえ出ない学生が相次ぎました。」
不動産会社 採用担当
「セミナーの案内、出ない。
エントリーのお礼とセミナー案内、出ない。
パンフレットの送付連絡、セミナー案内、出ない。」
インタビューに登場した上記企業は2015卒から・・・
「就職情報サイトの利用をやめ、大学の部活動やイベントに出向いて、学生をスカウトするかたちに切り替えました。」
ライフネット生命保険 では、就活サイトへの掲載を止め、採用サイトやアプリによる情報提供を開始したそうです。
「大量のメールを送っても見てもらえない」
など、就活ナビでは効果が上がらなかったことが採用方法の変更の原因として言われています。
このように、就活サイトの利用を止める企業も増えていますが、そのほとんどが有名企業ばかりです。
検索対象にならない中小企業では、学生が自社HPを訪れる機会もまばらです。
ただ、就活サイトに求人を掲載して、たくさんの企業の中に埋もれるのと同じかも知れませんが。。。
テレビ番組制作会社の新卒募集が遅い理由
例えばリクナビ2016では、放送局ではない番組制作会社(関東)の掲載数を見たところ、30社弱しか掲載されていませんでした。
【放送】関東カテゴリーの3分の1です。
その30社も放送局へのスタッフ派遣が中心の会社が目立ちます。
数え切れないほどある番組制作会社のほとんどは掲載されていません。
一般的に新卒採用活動を行うこの時期に、なぜ番組制作会社の動きは鈍いのか?
それには理由があります。
番組制作会社は“今”働ける人材が欲しいのです。
番組の改編等で、来年のことなどわかりません。
制作している番組が終了になることもありますし、反対に新たな番組が加わることもあります。
この時期に、来春の人員など決められないのが現状です。
制作番組を多く抱える番組制作会社や、局へのスタッフ派遣が中心の会社ならば、ある程度人員の見込みが立つので今から募集が出来るのです。
では、いつ頃になれば番組制作会社の新卒採用が本格始動するのか?
早くて“秋”
だいたいは“年明け”
来春の様子が見え始めた頃に慌てて動きが出ます。
また、テレビ局や大手番組制作会社の採用試験をクリア出来なかった学生も集まってきます。
効率良く新卒が採用出来るのは例年後半になってしまうのです。
今、募集している番組制作会社もある
制作スタッフの人員は現在でもマイナス。
来年になってもそう変わらない状態であれば、新卒入社でプラスに転じたいところです。
もちろん、現状の制作番組に安定感があるとか、業務拡大の意思があるなど、会社として見通しがあるからこそ採用に踏み切れるわけですが。
《求人一例》
株式会社スリーリングス
「【正社員】未経験から“TV番組制作のプロ”に!『ZIP!』『スッキリ!』など幅広い番組で活躍!」
有限会社オフィスぼくら
「≪会社設立30周年!≫次のステージに挑む当社を一緒に盛り上げてくれる方を募集!バラエティ番組制作会社でAD募集!【未経験・第二新卒者・15年卒歓迎】」
下記はキャリアトレインの就職サポート求人(会社名非公開)ですが、2016年卒を募集している例です。
求人コード:芸能プロダクション(842)
「【16年卒】女優・タレント・歌手などが所属!芸能プロダクションでマネージャー募集!」
この会社は在学中にアルバイトとして出社することで試用期間となります。
そうすることで、お互いに様子を見ることが出来るので企業・学生双方にメリットがあります。
まとめ
少し前まで、「就活サイトに求人を掲載する企業」イコール「採用にお金をかけられる企業」とされ、学生のエントリー有無のバロメーターになっていたこともあります。
今や、就活サイトに掲載すれば良い人材が採れる時代ではなくなり、むしろ古いとまで言われる始末です。
SNS、自社HP、インターン、合説、企業イベント、スカウト、学校訪問・・・etc
ありとあらゆる手段で新卒採用に取り組んでこそ、企業の採用への熱意が伝わってくるようになりました。
就活生の皆さんも、既存の情報収集に囚われず、自分に合った就活方法を見出してみてはいかがでしょうか。