【石川かおりの業界人取材レポート】第2回:女性ディレクターの選択、「芸人か?ディレクターか?」小6で悟った番組制作の魅力

2012年12月3日

定時であがってネイルサロンに行くおしゃれOLではありません。
なんと激務をこなす女性ディレクターのネイルなのです。

今回のインタビューはディレクターのKさん(28歳)
地上波テレビ番組で活躍するバリバリのディレクターです。
穏やかそうな外見とは裏腹に物凄い根性の持ち主。
かといって人当たりも良く、がつがつした雰囲気は一切ないのです。
彼女のテレビディレクター生活をご紹介します。

バリで3回死にかけた!?
現在海外を舞台にした番組を制作しているKさんは、
バリへ撮影に出かける事に。
この番組はこの秋の新番組なので、何もかもが初めてだらけ。
制作スタッフも制作の流れを掴むまでに時間が必要でした。
Kさんもディレクターとしての海外ロケは初めてだったので、
慣れるまでは行かないと聞かされていました。
ところがお話通りに進まないのが番組制作の世界。
入社して1ヶ月足らずで海外ロケの指令が下りました。

制作費の都合もあり、最小限の人数での出発。
カメラマンもいません。
カメラ3台、三脚2台、その他諸々の大荷物を抱えての出発でした。
当然Kさんがカメラを回すことになるのですが、
扱いなれないでっかいカメラで腕がぷるぷる。
短期間で演出からの注文通りの画を大量に撮らなくてはならないのです。
言葉も通じない国中を走り回り
(現地のコーディネーターは滞在期間の3分の1しかいない!)
暑い気候も伴って体力の低下は免れませんでした。

突然の脱水症状!
現地の病院に駆け込み点滴を6時間!
幸い日本人医師がいたので安心でしたが、
滞在期間中計3回ダウンしてしまったそうです。
それでも何とか予定通り仕事を終えて帰国。
帰国後の3日間はほぼ死人と化していたそう・・・。
バリにはADも同行したのですが、
現地に行ったらディレクターはADの世話もしなければなりません。
ゲスト(タレント)なども一緒の場合、
ADにフォローを任せたりするのですが、
細かいところまでディレクターが指示する余裕はありません。
海外ロケは経験豊富なADでないと足手まといになってしまうようです。

25歳までにディレクターになれなかったら辞める!
北海道の専門学校を卒業後、上京し番組制作会社に入社。
年功序列を重んじるところや、女性が評価を受けにくい社風で、
Kさんも最初の頃はいらぬ苦労をしたそうです。
ある日、先輩に編集ソフトの使い方を聞いても身を入れて教えてもらえなかったことがありました。
Kさんはそこで諦めることなく、先輩の後ろに立って操作を見て覚える作戦に出ました。
後に先輩は「すぐに辞めると思ってたから教えるだけ労力の無駄だと思っていた。」と謝ってくれたそうです。
Kさんの根性が周りからの見方を変えたのです。

そんな頑張りを続けていてもなかなかディレクターに上がれるチャンスは訪れませんでした。
アシスタントディレクター4年目の24歳の時、ついに直談判をしたのです。
「ディレクターになれる見込みがないなら辞めます。」

Kさんの熱意が伝わり、まずは2分間のVTRを作らせてもらえることに。
それからは徐々に長いVTRになっていき、
ついにディレクターの肩書きを得たのです。
チャンスは待つのではなく、自分で掴みに行くものだということを
Kさんは証明しています。

すっぴんはありえない!
専門学校時代の同級生で同じADとして上京してきた友人との約束。

「おしゃれなADを目指そう!」

冒頭のネイルもしかり、Kさんは服装にも気を使っています。

AD時代、5日間テレビ局にかんづめになったことがありました。
その間、2時間だけ自由になる時間が出来、
同僚のADは当然のように睡眠。
Kさんは寝る間も惜しまずまずはシャワー&化粧直し。
AD時代でも一度もすっぴんで仕事をしたことはないそうです。

Kさん曰く、

「番組制作は人に会う仕事、身なりをおろそかにしていると相手に不信感を抱かせてしまうし、失礼」

業界ならではの“あるある”に染まりたくなかったそうです。

きっかけは「めちゃイケ」
小6の時、フジテレビ系列で放送されている「めちゃ×2イケてるッ!」を観て、
爆笑してスカッとした思い出があります。
その時に、漠然とこの番組を作りたいと思いました。
芸人になりたいではなく、制作側の方に注目したのです。
面白いテロップや演出で、作っている人が面白くしているんだということに気付いたのです。

今でもテレビが大好きなことは変わらず、
番組を作っているという仕事にとてもやりがいを感じています。
観てくれる人の人数がどの媒体よりも多いテレビで、
自分が作った番組が全国放送で流れる喜びは一度味わったら止められません。

「やっぱりテレビは良い!」と楽しそうに語るKさん。
これからも番組を観た人達の気持ちを動かせるようなディレクターとして活躍していくでしょう。

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