【石川かおりの業界人取材レポート】第8回:テレビ番組制作には欠かせない女房役『アシスタントプロデューサー』の役割
アシスタントプロデューサー(AP)として活躍中のWさん(28歳)は、
バラエティ番組のAPとして3年目になる。
新卒でテレビ番組制作会社に入社し、
アシスタントディレクター(AD)としてテレビ業界でのキャリアをスタートさせた。
最初からプロデューサーを目指しており、
ADをやりながらもディレクターになるという目標ではなかった。
プロデューサーの手前はAPではあるが、
まったくの未経験者がいきなりAPとして始めるというのはあまり聞かない。
番組制作の基礎を叩きこむ為には、まずはADをやらなければならない。
APはADに指導する立場でもあるのだ。
つまり自分が出来ないのに何を教えられるのか、ということ。
ADからディレクターになってからAPになる人も多い。
会社によってAPの役割は様々だ。
・番組のスケジュール管理
・出演者の交渉(キャスティング等)
・制作の進行チェック
・予算の管理等の金銭管理
・各種許可取り
・ロケ、収録業務
・編集作業
・技術スタッフや撮影機材等の手配
・リサーチ
などなど。
この中のすべてが仕事ではないAPもいれば、
これ以上、もっと幅広く求められているAPもいる。
番組制作の一連の流れを把握しながら、
スタッフ達をまとめていくポジションなので、
スタッフ達の様子を見て相談に乗ったり、
色々なことに目を配らなくてはならないのである。
「制作デスク」というポジションもあるが、
業務内容がAPと近しい部分が多々ある。
ただ、プロデューサーを目指すのであれば、
企画力や交渉力(営業力)を磨かなければならないし、
自分が番組を仕切るのだという当事者意識を強く持たねばならない。
さらに言えば、視聴率という結果を出すことを目的にするのである。
とは言え、APの誰もがプロデューサーを目指すわけではない。
ADはディレクターにならなければどうしようもないが、
APはAPのままでいる人もたくさんいるのだ。
プロデューサーになれないというネガティブな理由ばかりではなく、
プロデューサーの補佐という業務が向いている人もいるし、
企画・立案というよりも調整力に長けている人もいる。
そもそも、APという職業は明らかにプロフェッショナルなポジションでもある。
上に行くという感覚ではないのかも知れない。
ネガティブな理由ではないけれど、事情があってAPのままの人もいる。
例えば、お子さんがいるなど。
APはある程度自分で時間をコントロール出来るので、
働きながら子育てをすることも可能だ。
プロデューサーのように先頭に立って引っ張るばかりが重要な仕事ではない。
APが補佐してくれるからこそのプロデューサーであり、番組がうまく回るのだ。
Wさんの場合は、ADとして3年修行し、
25歳でAPとしての一歩を踏み出した。
年齢的にも馴染みやすく、対象としている求人もある。
APやプロデューサー志向のAD経験者に、
チャレンジしてもらいたい求人をご紹介しよう。
☆株式会社ロジックエンターテインメント
「おじゃマップ」フジテレビ、「シルシルミシルさんデー」テレビ朝日などのバラエティ番組が中心。
☆株式会社シオン
「スター☆ドラフト会議」(日本テレビ)など、地上波からBS、CSまで多種多様な番組を制作。
☆有限会社アチェルボ
どこかに派遣はされず会社内での業務です。
≪石川かおり≫
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