【石川かおりの業界人取材レポート】第4回:バンドマンの第2の人生!大化けしたアシスタントディレクター

2012年12月19日

不安・・・。
どっちに転ぶか見当がつかない・・・。

アシスタントディレクター(AD)希望のY君の第一印象だ。

未経験者からのスタートとしては3重苦

①年齢27歳(当時)
②兵庫県から上京
③社会人経験がアルバイトしかない

もっと言えば、万人受けするルックスではない・・・。
いわゆるヤンキー顔で黙っていると感じの悪い顔つきになってしまうタイプ。

専門学校を卒業してすぐにADとしてスタートするなら20歳。
大卒でも22歳。
中途だったらせいぜい25、26歳のスタートが多い中。
27歳からのスタートはすでにハンデ。
20歳から勤務していたら27歳で7年目。
若手ディレクターになっていても良い年数だ。

しかも27歳で初めて地元から出て、東京での一人暮らし。
生活面でも不安がいっぱい。

就職した経験がないせいかビジネスマナーはいまいち。
座ったまま名刺を受取られてビックリ。
メールは自分の名前も書かないで送ってくるので、「どなた?」状態。

とにかく不安要素だらけのY君だったが、話せば話すほど、人柄は悪くなさそうだと感じるまでに。
さらに話すうちにY君のやる気を買わずにはいられなくなったのだ。

3重苦にも理由があり、
バンド活動をしていたのでアルバイトしか出来なかったそうなのだ。
27歳になるまでデビューに向けて頑張ってきたのだが、メンバー脱退によりバンドは解散。
よくある話(?)だ。

Y君にとっては第2の人生。

自分の好きな事はなんだろうと考えたところ、テレビの世界が見えたのだ。

Y君が提出してくれた自己PR文の一部をご紹介しよう。

「私がテレビ制作会社に就職を希望する動機は、どうしても自分の興味があるものに情熱を費やしたいからです。
お金ではなく、楽しさを求めるのでもなく、やりがいを一番にして仕事をしたいからです。
これまで就職をした経験はありませんが、やる気とコミュニケーション能力はあると思います。
いろいろな人とたくさん知り合い、自分のレベルをどんどん上げていきたいです。
中学・高校と部活動にも打ち込んでいました。
これまではアルバイトではありますが仕事を長く続ける事も出来、体力には自信を持っています。」

本当にこの通りの人物で、純粋に「テレビの世界に入りたい」という熱意は伝わってきたのだ。

前述のビジネスマナーのダメっぷりも注意すればすぐに直すし、どんな事でも学ぼうという姿勢が見える。

ついに私はこのY君に賭ける事にしたのだ。

このままを包み隠さず伝え、私の感想も決して良い事ばかりは言わず、それでも面接をしたいと言ってくれた番組制作会社があった。

この会社は未経験者でも一生懸命育ててくれる事が証明済みの、とても信頼のおける会社である。

面接当日。

面接に同席する為、六本木駅地上出口で待ち合わせ。
先に着いているY君を見付け、近づいたところ・・・、

あんなに人通りの多い公道でタバコ吸ってる!?

灰皿はどこ?

まさかポイ捨て!?

吸ってはいけない場所でタバコを吸って、
問題になる嫌われるテレビスタッフが実は問題になっている。

Y君には常識のないマスコミ人になって欲しくない。

すかさず注意。

素直なY君はすぐにタバコを消し、やはりポイ捨てするつもりだったのか灰皿がない状態に焦り、掌に隠したのだ。

あっちあちあっちぃ

私も焦って慌てて灰皿探し。

そんなこんなで面接場所へ・・・。

面接では社長が登場。
Y君に厳しい事も言いつつ、最後は温かく迎えてくれたのだ。
この面接から1年半。

Y君はこの番組制作会社の正社員として目覚ましい成長を遂げている。
なんと、入社半年で一つのコーナーを任せられたのだとか。

後輩の面倒見も良く、先輩達の仕事まで負担しようと気遣いを見せるのだと言う。
Y君28歳の誕生日にはサプライズで会社のみんながケーキを用意してくれたそう。
会社としてもY君には期待している事がわかる。

出来ない事は出来るようになれば良い。

知らない事は知れば良い。

絶対なくてはいけない事は、仕事への熱意だけなのだ。

自分が背負っているマイナス要因を払しょくするくらい、
「本当にこの仕事がやりたいんだっ!」という気持ちを伝えて欲しい。

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≪石川かおり≫

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