健康診断書?住民税の引継ぎ?転職時に必要な書類
転職先が決まると、入社に向けて提出書類の準備が始まります。
キャリアトレインの転職サポートで転職に成功したKさんは、長らくフリーランスのディレクターとして番組制作に携わってきた方です。
12月から大手映像制作会社の正社員として入社することなり、会社に提出する書類を準備しているのですが、Kさんにとっては戸惑いが大きい様子です。
若くしてフリーランスで活動していると、保険関係や納税について、あまり意識せずに過ごしてしまう方もいます。
会社に雇用されていれば、各種保険に加入し、住民税は月の給料から徴収されるので、自分で何かをすることもあまりありません。
Kさんは今、下記の入社書類を揃えるのに四苦八苦しています。
・健康診断書
・年金手帳
・雇用保険被保険者証
・マイナンバーカードまたはマイナンバー決定通知書
・源泉徴収票
・給与振込先の届書
・住民票記載事項証明書
・住民税異動届
・住民税納付書
これらはごく一般的に入社時に会社から提出を求められる書類です。
新卒の入社時と被る書類はあるかと思います。
会社によっては、入社誓約書や身元保証書などの提出を求められることもあります。
この中で、転職サポートをさせて頂いた登録者の皆様からよく受ける質問を説明します。
健康診断書
選考の終盤、または内定後に【健康診断書】の提出を求められることがあります。
健康診断書の提出は法令で義務付けられている!?
労働安全衛生規則(第43条)
「事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、医師による健康診断を行わなければならない」
会社によっては指定する病院での受診を求めることもありますが、多くの場合は候補者の皆さんが自由にかかりつけ医や近所の病院を選び受診しています。
■11の検査項目
健康診断の必要項目は、病院の窓口(予約時)に「雇い入れ時健康診断」と言えばすぐにわかってもらえます。
労働安全衛生規則(第43条)で定める11項目があります。
①既往歴、業務歴の調査
②自覚症状、他覚症状の有無
③身長、体重、腹囲の測定、視力と聴力の検査
④胸部X線検査
⑤血圧の測定
⑥貧血検査(血色素量及び赤血球数)
⑦肝機能検査(GOT、GPT、γ-GPT)
⑧血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
⑨血糖検査
⑩尿検査(尿中の糖や蛋白の有無)
⑪心電図検査
■健康診断にかかる費用
保険の適用外で大体1万円前後かかります。
窓口で一旦は候補者の皆さんが費用を負担しますが、領収書を貰い、後で会社で精算出来る場合がほとんどです。
■所要時間・日数
検査時間はスムーズにいけば1時間程度で終わります。注意:2月~3月は新卒者で込み合います!
検査結果は受け取るまで1~2週間程度は必要です。
会社から指定された期限に間に合わない場合は、必ず会社に相談してください。
健康診断書の有効期限は基本的に3カ月です。もし直近3カ月以内の健康診断書がある場合は改めて受診する必要はありません。
源泉徴収票
退職時に前職場から受け取り、転職先に提出します。
年内に転職した場合は、転職先で年末調整をしてもらう為に提出します。
源泉徴収票はすぐに発行出来るものではなく、『最後の給料の額が確定した後』の発行になります。
年明け入社や源泉徴収票の提出が年末調整の時期が過ぎてしまった場合は、転職者自身で確定申告する必要があります。
住民税
■住民税とは下記2つの総称
①都道府県が徴収する都道府県民税
②市町村が徴収する市町村民税(東京23区は区民税)
■徴収方法は2種類
①特別徴収
⇒会社が毎月の給与から住民税を差し引いて従業員の代わりに納付する
②普通徴収
⇒納税者が自ら市区町村に住民税を納税する
引き続き転職先でも特別徴収となる場合、【住民税異動届】の最上段をを前職場で記入の上、転職先に提出します。
前職場で特別徴収されていなかった場合、6月に自宅へ届く【住民税納付書】を転職先に提出します。
そうすると、普通徴収から特別徴収に切替になり、毎月の給与から住民税を差し引かれるようになります。
引き継ぎ(切替)には2ヶ月程かかるので、その間は普通徴収として転職者ご自身で支払うことがあります。
仕事は始まっている!?
普段意識していない保険やら税金やら、何だか面倒に感じるかも知れません。
たくさん揃える書類があって、期限に間に合うように手配・準備しなければなりません。
転職先より指示されたことを確実に遂行出来るか、すでに仕事が始まっているようなものです。
社会人として普通にクリアすべきことが出来ないようでは、入社早々会社としては不安になります。
この際、保険や税金のことなどを理解しながら進めると良いかと思います。
キャリアトレインでは入社書類の準備もサポートしています!
≪石川かおり≫