番組制作会社だけど“制作”してる?していない!?知っておきたい制作スタイル
ほとんどの番組制作会社が求人情報に制作している番組名を載せています。
「『○○○○○』(日本テレビ)、『○○○○○』(フジテレビ)等を制作しています!」
数ある番組制作会社の中で、好きな番組を制作している会社を選択する求職者が多いからです。
中には、たくさん記載されている制作番組一覧の中から、「『○○○○○』を制作しているから」と1番組ピンポイントで志望する番組制作会社を決める方もいます。
自分が観たこともない番組を制作している番組制作会社は志望しづらいかと思いますが、「『○○○○○』を制作しているから」と入社して、その番組が終わったら???
果たして、「好きな番組を制作しているから」という理由だけで番組制作会社を選ぶのは正しいのでしょうか?
そもそも“制作”しているのか?
求人情報や企業HPの制作実績一覧に、ズラズラと人気番組が並んでいても、その会社が制作しているのかどうかはわかりません。
番組の制作スタイルには、「局制作番組」「完パケ番組」「共同制作番組」など、色々あります。
■完パケ番組(自社制作)
自社で企画した番組を制作することです。
企画、取材、撮影、編集、テープ納品まで、一貫して行う完パケ(完全パッケージ)スタイル。
若手スタッフも企画会議に参加し、意見を出すことも出来ます。
番組の一部分ではなく、すべての過程に携わることが出来るので、ステップアップにつながりやすいのではないでしょうか。
■局制作番組(制作協力)
テレビ局の下請け(孫請け)として、制作を依頼されて作るスタイル。
テレビ局主導で大枠の企画が決まっており、番組制作会社が形にしていきます。
多くの番組制作会社がこのスタイルで制作しており、ゴールデン番組などの規模の大きな番組や、数多くの番組を制作する機会を得られます。
報道番組はテレビ局にスタッフルームがあり、番組制作会社の社員が常駐する形で生放送の進行やVTR制作をしています。
■スタッフ派遣
番組制作会社と言っても、会社として制作をしていないところもあります。
社員がテレビ局や同じ番組制作会社に派遣され、そこで番組を制作するスタイル。
バラエティ、報道、スポーツなど、様々なジャンルの番組に派遣が可能なので、制作スタッフは自分の可能性を模索することが出来ます。
どの番組制作スタイルが良い悪いではなく、自分のイメージする制作スタイルとのギャップはないか確認が必要です。
制作スタイルは後から決める
番組制作未経験者の方は、特に拘りがなければ、会社選びにあたり制作スタイルを意識し過ぎる必要はないかと思います。
番組制作の基本はどの制作スタイルでも同じですし、「番組制作に携わってみたい」という感覚からスタートすることも最近では良しとされています。
何年か経験を重ねるうちに、自分自身の方向性が見えてくるようです。
「自分で企画した番組を制作してみたい!」と思うようになったなら、、、
- 企画力のある会社
自社制作番組の実績が多い会社
全国のテレビ局へ企画提案出来る力がある会社
地上波テレビ番組以外の映像コンテンツ制作をしている会社
など。
おのずと進む道(会社)を選択するようになります。
その時は、「好きな番組を制作しているから」というよりも、「自分が作りたい番組を作れる会社」を選ぶということを理解出来るようになっているはずです。
2016年8月8日ブログ【テレビ業界就職・転職】好きな番組で選ぶ番組制作会社
≪石川かおり≫