気を付けたい!同業他社への転職

2017年7月24日

引っ張る

同業他社への転職は、どこにでもある普通の話ですが、業界によっては守らなくてはならないルールや道理があります。

今年、番組制作会社A社に新卒で入社したK君(22歳)

入社してからまだ3ヶ月ほどですが、番組制作会社B社に転職することになりました。

同じ番組制作会社でも、B社にはK君が作ってみたい番組がたくさんあり、以前から入りたいと思っていた会社でした。

たった3ヶ月で新卒で入った会社を辞めてしまうことは手放しで賛成出来ることではありませんが、K君の意思は固く、B社にもK君の気持ちが伝わり、無事採用が決まりました。

K君もB社も、内定から退職するまで1ヶ月はかかると思っていました。

ところが、A社に退職の意思を伝えたところ、こんな風に言われたのです。

「ふざけるな、辞めるならもっと早く言え」
「もう明日で終わりで良いよ」

さっさと次を決めてきたK君に対して、A社は良い気分はしなかったのでしょう。

このように、後味の悪い退職になってしまったK君ですが、早速B社での就業が始まりました。

しかし、K君がB社に入社した翌日、A社からB社にクレームの電話が来たのです。

「引き抜きですよね?」

たまたまA社とB社は仕事で関わりがあるので、A社としては社員を引き抜かれたと思ったようなのです。

確かに、仕事で関わったことで、K君はB社の良さを目の当たりにし、転職を希望するようになったことは事実です。

ただ、B社からK君を冗談でも誘ったことはないですし、「早く辞めてうちに来い」なんてことは一切ありませんでした。

それでも、B社はA社にお詫びに行く必要があると言います。

業界によって“道理”は異なるので、こんなことも起こるのです。

ちなみにですが、このようなことを避ける為、しがらみのないルートで同業他社への転職を希望する業界経験者の方は多いのです。

そのような方は、キャリアトレインのような人材紹介会社経由を求める傾向があります。

同業他社への転職で注意したいこと

■転職先の企業名は言わない方が無難

⇒「引き抜き」と誤解され、企業間で揉めることも。結果的に内定取り消しになる危険もある為、企業名は無事に転職先に入社した後に言った方が良いでしょう。

■情報漏えいは常識的な範囲で守る

⇒前職の企業情報は持ち出さない。内部情報も転職先に話さないように。顧客データや名刺等を持ち出さないことはもちろん、前職の悪口も控えるようにしましょう。

■面接等で嘘をつかない

⇒以前、ある番組制作会社であった話ですが、会社から預かったお金を持ったままバックレたADがいました。このADが同業他社へ面接を受けにきて、当然バックレた事実を話さず入社。しかし、同業他社の情報網はあなどれず、すぐに前職の退職理由が発覚し、入社は取り消しに・・・。

■引継ぎをきちんとしてから退職

⇒次の会社が決まっているからと、「早く辞めさせてください」と言うのは身勝手。きちんと引継ぎをするかしないかで、後々の業界内での評価に繋がることも。

※就業規則や入社時に提出した誓約書に、同業他社への転職や守秘義務について記載されていることもあります。転職を決める前に確認しましょう。

同業他社が即戦力として自分を評価してくれるのは、前職での経験や育成があったからこそです。

転職には否定的な理由もあるかも知れませんが、「次があるのは前職があるから」ということを忘れないでください。

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≪石川かおり≫

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