国内外で狙えるテレビ業界の“賞”
映像系の“賞”と言えば・・・、世界三大映画祭と言われるカンヌ国際映画祭(フランス)、ベルリン国際映画祭(ドイツ)、ヴェネツィア国際映画祭(イタリア)が話題になり、もちろんアカデミー賞も世界中で注目されます。
『映画』に与えられる賞が多いかと思いますが、『テレビ番組』にも“賞”はあります。
番組に対して与えられる作品賞はもちろん、スタッフ個人での授賞もあります。
ディレクターやプロデューサーなどの制作スタッフのみならず、撮影(カメラ)や編集エディターなどの映像技術スタッフも授賞の機会はあります。
テレビ業界関係者で“賞”を意識している人はあまりいないかと思いますが、もし授賞の機会を得ることが出来たなら、これからの番組制作人生での大きなモチベーションになるのではないでしょうか。
日本国内のテレビ番組“賞”
映画祭や広告祭のようなフェスティバル・イベント感満載というのではなく、「テレビ番組の質的向上を図る」「豊かで活力のある放送文化の未来を目指す」などの目的で設立された団体が授与するテレビ番組“賞”が多くあります。
◎ギャラクシー賞
放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰するために、1963年に創設しました。
特定非営利活動法人 NPO放送批評懇談会
◎エランドール賞
日本の映画テレビ番組の制作に関する調査と研究を行うとともに、日本の映画テレビ番組関係者の育成と海外との交流をはかり、日本文化の向上を目指します。
一般社団法人 日本映画テレビプロデューサー協会
◎ATP賞
制作会社の社会的機能を高め、制作スタッフ一人ひとりの情熱や気概に応えるために、創り手である制作会社のプロデューサーやディレクターが自ら審査委員となって優れた作品を選ぶ、日本で唯一の賞
一般社団法人 全日本テレビ番組製作社連盟
◎ヤングクリエーターを励ます賞
30歳以下のクリエーターの中から採用豊かで将来性のある新人を選び、年1回表彰しています。
協同組合 日本映像事業協会
◎日本民間放送連盟賞
質の高い番組がより多く、制作・放送されることを促すことを目的。
一般社団法人 日本民間放送連盟
◎放送ウーマン賞
放送界で活躍し優れた功績をあげられた女性たちへの激励の意味を込めてお贈りしています。
非営利団体 日本女性放送者懇談会
◎芸術選奨文部科学大臣賞
優れた業績を上げた芸術家等の功績をたたえるため。
文化庁
《映像技術系の団体“賞”》
◎映像技術賞
一般社団法人 日本映画テレビ技術協会
◎JPPA AWARDS
一般社団法人 日本ポストプロダクション協会
テレビ番組“賞”を授賞したあの番組
各賞、テレビドラマがグランプリ・大賞に輝くことが多い中、バラエティ番組も高い評価を受けています。
『和風総本家』☆第31回ATP賞 情報・バラエティ部門 最優秀賞
『出没! アド街ック天国』☆第22回ATP賞 長寿番組賞
『世界ふしぎ発見!』☆第6回ATP賞 優秀賞
『史上最大!アメリカ横断ウルトラクイズ』☆ギャラクシー賞25周年記念 特別賞・ユーモア賞
『世界の果てまでイッテQ!~マッターホルン登頂スペシャル~』☆[情報・バラエティ部門]ATP賞テレビグランプリ
『キッチンが走る!恵みあふれる湖畔暮らし~茨城県霞ケ浦~』☆ヤングクリエーターを励ます賞
おまけ
テレビ番組“賞”を授賞したあの人
多くの授賞歴を誇るレジェンド的存在
◎重延 浩 さん
株式会社テレビマンユニオン
会長・ゼネラルディレクター・取締役・演出家
第43回ギャラクシー賞 テレビ部門・奨励賞
第55回芸術選奨文部科学大臣賞受賞(個人授賞)
第42回ギャラクシー賞 テレビ部門・選奨
第1回ATP賞 個人賞
まだまだまだまだ・・・書ききれないほどの授賞歴(汗)
◎東城 祐司さん
株式会社メディアミックス・ジャパン
代表取締役社長・プロデューサー
ATP賞’98グランプリ
平成12年度日本民間放送連盟賞テレビドラマ部門優秀賞
20th ATP賞2003・ドラマ部門・優秀賞:「アルジャーノンに花束を」
22nd ATP賞2005・ドラマ部門・優秀賞
・・・こちらもまだまだ大量授賞(驚)
次世代のテレビウーマン
◎磯山 晶さん
株式会社TBSテレビ
プロデューサー
代表作『空飛ぶ広報室』『ごめんね青春!『大奥木更津キャッツアイ』『タイガー&ドラゴン』
日本女性放送者懇談会の「放送ウーマン賞2005」
春のドラマスペシャル「プロデューサーになりたい!」第35回奨励賞受賞作品ギャラクシー賞
◎山脇由紀子さん
株式会社ティーヴィボックス
ディレクター
『世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?』で有名
第10回(平成20年度) ヤング映像クリエイターを励ます賞【ホープ賞】
平成23年度ヤング映像クリエイターを励ます賞【優秀賞】
世界のテレビ“賞”
世界四大映像祭と言われる映像祭が以下です。
特にエミー賞はアカデミー賞以上の盛り上がりを見せています。
◎エミー賞(アメリカ)
テレビマンとしての最高の栄誉と言われています。
日本の作品も数多くノミネート・授賞しています。
第42回(2014年)ではテレビドラマ部門に『八重の桜』(NHK)やデジタルプログラム部門に『リアル脱出ゲームTV』(TBS)などがノミネート。
◎モンテカルロ・テレビ祭(モナコ)
2014年『東京が戦場になった日』(NHK)モナコ赤十字賞受賞
◎バンフ・ワールド・メディア・フェスティバル(カナダ)
2015年WOWOW・TBS共同制作ドラマ『MOZU』がノミネート。
◎イタリア賞(イタリア)
2007年『ハゲタカ』シリーズテレビドラマ部門イタリア賞授賞
まとめ
2012年度のテレビ番組海外輸出額は100億円を超えたそうです。
(例)スポーツバラエティ『SASUKE』(TBS)は、アメリカをはじめ世界157の国と地域で放送されています。
日本のテレビ番組は世界中で求められているようです。
地方テレビ局(ローカル局)の制作番組も海外輸出が拡大しています。
総務省は2018年度までに、ローカル局の番組の海外売上高を200億円に伸ばす目標を発表しています。
視聴率低迷の中でもキラリと光る評価されるべきテレビ番組(放送コンテンツ)はたくさんあるのです。
キラリと光るテレビ番組が国内外でもっと評価されることに期待したいものです。
《石川かおり》