番組制作会社は不安?「テレビ業界志望なのにテレビを観ていない人」の何が問題なのか?
調べてみたら、2014年頃から同じような話をしています。
それは、「テレビ業界志望なのにテレビを観ていない人」のこと。
テレビ業界への入り口として、20代で番組制作(アシスタントディレクター)からスタートする方は多いのですが、当然「テレビが好き」「テレビをよく観ている」と思いきや・・・。
「全然観ていない」という方の割合は結構多いのです。
詳しく聞けば、大体下記のような説明があります。
「昔はよく観ていた」
「最近は忙しくて観ていない」
「一人暮らしになってからテレビがない」
「ネットでは観ている」
「観るタイミングがない」
などなど。
「テレビを観る」ことが生活の一部いなっていないのです。
救い?なのは、「テレビはつまらない」とか「観たい番組がない」など、テレビを否定する方はいません。
観ていなくても、別に嫌いじゃないし、どちらかというと好きだし。
といったところです。
テレビ番組制作会社の方と話しても、面接で応募者から「テレビを観ていない」と聞かされることも多いようです。
「面接でテレビを観ていないとサラッと言われる」
「うちの番組を一つも観たことないって言われた」
「最近何の番組をやっているのか全然知らない」
番組を制作している会社からすると、ガッカリするのは間違いありません。
【若者のテレビ離れ】とやらは、テレビ業界志望者も例外ではないという事実があります。
ここで最新のデータをご紹介。
■20代のテレビ利用率
男性:70%
女性:82%
情報元:日経BP
「テレビ番組視聴意識調査2021」(博報堂DYメディアパートナーズ調べ)
ちなみに、20代のYouTube利用率は男女ともに80%を超えていて、YouTubeでテレビ番組を観ている方はいるかと思います。
テレビへの接触率は減っていることはわかりますが、テレビ番組を好きな人は10~20代が最も多いというデータもあります。
テレビを観ていないどころじゃなくて、「テレビを持っていない」という20代もとても多いようです。
「単身世帯の10代・20代ではパソコンの保有率がテレビを上回る」
テレビを観ていないとネガティブな印象に
番組を制作している会社からすると、応募者から「テレビを観ていない」と言われるとガッカリするとお話ししましたが、気持ちの問題だけではなく、様々な懸念事項が考えれるという理由もあります。
テレビ業界志望者がテレビを観ていないと、こんなことを考えてしまいます。
■志望度の高さを感じない
・本当にテレビ番組制作の仕事がしたいのか?
・興味があればテレビを観ているはず
・テレビを観ていないのにどんな番組が作りたいのか?
■プロ意識が低い
・一般人よりも番組の知識がないことに問題を感じないのか
・番組の話になった時に会話にならない
・進んで情報を入手しようとする姿勢がなさ過ぎる
■番組制作者としての期待が薄い
・様々な番組を観ていないので仕事に活きない
・仕事が始まれば忙しくなるので余計に観ないのでは?
・テレビが好きな他のスタッフと最初から差が出ている
厳しいお話しばかりしてしまいましたが、テレビ業界志望者がテレビを観ていないのは、平気なことではないと意識していただけたらと思います。
現役のADさんと話をすること、番組を観ながらTwitterなどのSNSも同時にチェックして視聴者の反応を確かめていると聞きます。
ただ観ているだけではなく、制作者(プロ)として意識的な行動をとっていることがわかる実例です。
これからテレビ業界に入りたいと思っている方で、何らかの事情があって今は観ていなくても、今から意識して観るようにすれば遅いことは決してありません。
参考:2021年5月12日ブログ「「テレビ」を見ていなくても大丈夫!?マスコミ・エンタメ業界が求める人材」
言ってしまえば、テレビ番組は観ていなくても、ネット動画やYouTube動画などに詳しく、映像制作に興味はあるという方でも問題ないと思います。
テレビとその他のメディアは共存・共栄、分けて考える必要はありません。
テレビ番組制作会社での面接でどう伝えるかは相談が必要ですが、否定されることはないはずです。
以上のことを少しでも意識してもらえれば、希望は叶うかと思います!
<石川かおり>