約30%の会社は支給なし!?あてにしちゃいけないけど気になる賞与
キャリアトレインの就職サポート経由で、番組制作会社からの内定をゲットした23卒の大学生のKさん。
新卒なので初めての就職となりますが、会社の仕組みについてピンとこないことがたくさんあります。
社会保険とは?
みなし残業ってナニ?
変形労働時間制???
番組制作会社ならではの働き方などもあり、説明されてもリアリティが持てないかもしれません。
そのなかで、「賞与」について質問がありました。
Kさんは、番組制作会社2社から内定をもらったのですが、労働条件の部分で「賞与」について違いがありました。
A社
■賞与年2回
B社
■賞与あり(業績により)
パッと見て、どちらも賞与はあるのだと受け取ることができますが、「必ず貰える」とは限りません。
B社については、「業績によっては支給がない」と解釈することもできます。
さらに年に何回貰えるのかもわかりません。
両親と相談した結果、「賞与がある会社の方がいい」と即答されたそうです。
賞与の有無だけで決めたわけではありませんが、Kさんは賞与が貰えることを期待してA社からの内定を受諾することになりました。
それでも理解してほしいのは、「賞与年2回」と記載があっても、「必ず貰える」とは限らないのです。
「賞与」の支給は、法律で決まっているわけではありません。
会社側の判断で、支払わなくても構わないのです。
厚生労働省の調査によると、令和2年度の夏季賞与の支給率は65.3%でした。
賞与が支給されていない会社は約30%あるということがわかります。
ただし、賞与の有無は法律で決まっているわけではありませんが、労働契約や就業規則に「支給する」と明らかにされている場合、支払義務は生じます。
賞与の支給がない理由
令和2年度に、約30%の会社が賞与を支給していないことがわかりましたが、以下のような理由が考えられます。
①新型コロナウイルスの影響(経営状態が悪い)
②年俸制を取り入れている会社(年間の賃金が決まっている)
③非正規雇用の場合、支給がないことが多い
④そもそも基本給が高め(賞与分を加味している)
⑤労働組合がない(会社側と交渉する仕組みがない)
賞与は支給するけれど、社員個別のパフォーマンスによって変動する場合もあります。
例えば、「業務の成績が悪い」「勤務態度が著しく悪い」「会社に損害を与えた」などの理由で、賞与が支給されないことや金額のカットなどはあり得ます。
こんなことになるには、就業規則にどう記載されているのかが問題ですが。
ともかく、賞与の有無は会社の利益や景気によって影響されるものです。
ボーナスは変動しやすいので、あまりあてにするのも危険です。
賞与がある会社に転職する?
業績不振や不景気など、個人の力でどうにもならないことはあるかもしれませんが、業績やパフォーマンスを上げることで評価に繋がり、賞与の支給(またはアップ)も期待することはできます。
努力しても、会社の事情でどうしても賞与の支給(またはアップ)がないのならば、「転職」も一つの手段です。
業績が伸びている会社や、賞与支給率が高い会社に転職することを考えればよいのだと思います。
年収を上げるために転職して、キャリアアップすることは通常の行動です。
ただし、転職の成功は、賞与の有無だけで判断するものではありません。
労働環境や将来性など、総合的な判断が必要です。
とにもかくにも、賞与とはあくまでも臨時的なものにすぎません。
「安定している会社に入れば賞与が貰える!」と思わず、個人のスキルを磨くことで長い目で見て条件が上がるように心がけるべきですね。
<石川かおり>