あの事件も他人事じゃない!?マスコミ・エンターテインメント業界も厳しい守秘義務

2022年10月11日

「はま寿司」の営業秘密を不正に取得したとして、「かっぱ寿司」の社長が逮捕されましたが、競合他社に転職した従業員が前職の情報を持ち出す事件は少し前にも話題になりました。

ソフトバンクの社員が楽天モバイルに転職した際に営業情報を持ち出した(2021年1月12日逮捕)

企業には、従業員の競合他社への転職を止める権利はないので、このような問題も多かれ少なかれ起こり得るかもしれません。

「かっぱ寿司」や「ソフトバンク」のような有名企業の場合、でかでかと取り上げられますが、私たちの知らないところで問題になっている企業は多々あるのではないでしょうか。

キャリアトレインのような人材業界にも同じような話はあります。

IT企業や製造業のように、不正をしなければ知り得ない超企業秘密みたいなものはあまりないかと思いますが、一般的な営業会社として「守秘義務」や「競業避止義務」はあります。

どこまで従業員に義務を負わせるのかは、企業によって対応は様々ですが、例えば私は下記のような契約を過去に在籍していた会社と結んだことがあります。

キャリアトレインを立ち上げるため、前職を退職する際のことです。

・現在、派遣社員を派遣しているクライアントには営業をかけないこと
・登録者には一切声をかけないこと
・従業員の引き抜きを行わないこと

「守秘義務」や「競業避止義務」にあたるのかと言うと、少し異なる部分もありますが、とにかく「何でもかんでも持っていくな」ということです。

特に罰則みたいな内容はありませんでしたが、意識的な意味でハンコを押させられました。(強要されたわけではありませんが)

私のような独立開業や、競合他社への転職する際、何かしらあるのは珍しくはありません。

マスコミ・エンターテインメント業界では?

制作会社や芸能プロダクションでは、「守秘義務契約(秘密保持契約)」を結ぶという話はよく聞きます。

■世の中に公開前の情報を出さない
→番組やドラマなどの情報
→出演者の情報
→制作内容の情報

■制作物に関するものは持ち出さない
→原稿や資料など
→価格決定等の関する情報
→制作に関わる情報のすべて

映像業界や芸能業界では、公開してはいけない情報が細々あります。

上の立場でも、アシスタントクラスの立場でも、情報を入手する機会はたくさんあります。

気軽な気持ちでSNSなんかで発信しようものなら、大変な問題になることも!

漏洩や情報の不正利用を防ぐために、企業と従業員の間で「守秘義務契約(秘密保持契約)」を結ぶのです。

守秘義務契約とは

「守秘義務契約(秘密保持契約)」を結ぶタイミングは、企業によって様々です。

(例)
・入社時
・昇進時
・退職時

在籍中も退職後も、営業秘密や技術上の秘密・ノウハウ、顧客情報などを持ち出さないように契約を結びます。

こうしておくことで退職後のトラブルを避けられるので、お互いに安心かと思います

「守秘義務契約(秘密保持契約)」は期限の定めが無い限りずっと有効となります。

「守秘義務契約(秘密保持契約)」を結んでも、情報を保護することはできませんが、従業員は損害賠償義務(賠償金発生や退職金の返還など)を負うことになります。

尚、「守秘義務契約(秘密保持契約)」を結ぶことは強制できるものではありません。

内容に納得がいかないのであれば、拒否しても問題ありません。

ただ、それはよほどの内容かと思います。

とにかく大事なのは、どんな内容なのかよく確認することです。

・どんなことが対象になっているのか
・違反した場合はどうなるのか
・機密情報の取扱いについて
・自社と自分の双方向的な契約なのか
・契約期間はいつからいつまでか

退職時にいきなり契約の話が出てきて戸惑う方もいるかもしれません。

そのときはご相談ください。

チェック機能のひとつとしてお役に立てればと思っています。

就職転職サポートボタン※非対面でも実施中!

<石川かおり>

PAGE TOP