元祖テレワーク!?テレビ業界の新型コロナ対策
新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ為、電車内では連日「時差出社やテレワークをお願いします」のアナウンス。
「会社に言ってくれ!」と複雑な気持ちで聞いている人もいるかも知れません。
新型コロナウイルス騒ぎが起こる前、日本では制度としてテレワークを導入している企業は全体の13.9%※でした。
米国では9割に近い企業等でテレワークが導入されている。
EU諸国では、イギリスが約38%、フランスが約14%の企業等が導入している。※総務省「平成29年通信利用動向調査」より
大企業での導入率が高く、中小企業での導入率が低い傾向にありましたが、今回の非常時では大小問わず、テレワーク(リモートワーク)出来る会社は実施している印象です。
<感染防止に向けた企業の対策>
・テレワーク(在宅勤務、モバイルワーク、サードプレイスオフィス勤務)
・時差通勤(オフピーク通勤)
・自由出社
・自宅待機
・会議を基本的にオンライン化
・国内外の出張原則禁止
メルカリやLINEなどのテレワーク(リモートワーク)“非推奨”企業として知られている会社でも、非常時の活用は万全のようです。
非常時とは言え、テレワークを推奨する企業が続出し、思いがけず“テレワーク元年”となりそうな2020年ですが、「テレワーク格差」などと言う言葉もあるそうです。
ざっと考えただけでも、テレワークは無理だろうと思う業界・職種はたくさん存在し、正規雇用なのか非正規雇用なのかでも扱いが分かれる企業も出てきています。
テレワークのメリットデメリット
オフィスに通勤せず、自宅などのインターネット環境を使って仕事をするテレワーク(リモートワーク)ですが、導入にはメリットデメリットがあります。
テレワーク導入のメリット
・満員電車地獄からの解放
特に都心ではラッシュ通勤のストレスはMAXです。通勤時間がかかる人も多く、通勤に使う時間を仕事の時間に充てることが出来るのは最大?のメリットです。
・離職率の低下
育児や介護などと両立することが出来るので、様々な事情を抱えた人も継続して働くことが出来ます。
・コスト削減
通勤定期代などの交通費、オフィススペース、資料や書類を電子ファイル化し印刷コスト削減など、企業にとっては事業運営のコストを削減出来る要素満載です。
・生産性の向上や業務効率化を見込める
時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方で、仕事の効率も上がり業績もアップ!
82.1%の企業がテレワーク導入により「労働生産性の向上」したと回答
出典:総務省「平成30年版 情報通信白書」
新型コロナウイルス感染防止策にいち早く乗り出した(1月27日より4000人規模で一斉在宅勤務体制へ移行)GMOインターネットグループでも、「業績に影響がほぼ無い」とコメントしています。
テレワーク導入のデメリット(不安要素)
・コミュニケーション不足になる
・セキュリティ面の不安
・勤務実態が把握しづらい
・テレワーク環境を整えなければならない(自宅のパソコンなど)
・オンとオフの気持ちの切り替えが難しい
某大手コンサルティングサービス会社でもテレワーク(リモートワーク)“非推奨”しています。
この会社では、「働く場所を統合しないと上手くいかない」という考えのようです。
番組制作会社ではテレワーク不可能?
新型コロナウイルス騒ぎで制作スケジュールが狂ってしまった番組制作会社もありますが、放送は待ったなしです。
出社しないと出来ないことも多く、番組制作会社では在宅勤務やテレワークを指示しているという話はあまり聞きません。
たまたま休日が取れていなかった社員に、まとめて「1週間休み!」とした会社はありました。
しかし、企業に所属せずフリーランスとして活躍しているスタッフも多いテレビ業界では、元祖テレワークと言えるかもしれません。
会議、打ち合わせ、収録などの際のみ、番組制作会社やテレビ局などに出向くフリーランスのスタッフがいます。
パソコンとスマホがあれば普段の仕事はどうにかなり、自分自身でタイムマネジメントを行っています。
番組制作会社の社員でも、社内にいるばかりが仕事ではないので、普段から効率の良い働き方が工夫出来る職種ではあります。
そもそも出勤時間も一般的な時間帯よりも少し遅く、時差出勤もとっくに実践済!?
仕事内容にフィットするかどうかで、多様な働き方を選択出来るように、世の中もテレビ業界ももっと進めばと願うばかりです。
<石川かおり>