「好き」から入る仕事選び!テレビ観ない⇒テレビ業界志望?
テレビ番組のアシスタントディレクター(AD)になってみたいと言う方を、グイグイ誘導してどこぞかの番組制作会社に入社させることは難しくありません。
仕事内容を理解していなくても、AD職に迷いがあろうとも、「やりたいのだったらどうぞ」とばかりに進めることは人材紹介業者としてはたやすいことです。
ただし、「求職者の人生を考えなければ」です。
私も人材業に就いたばかりの頃は、求職者の希望通りにすれば良いと考えていました。
もちろん希望しないものを進めるわけではありませんが、1歩2歩と下がって考えてもらうことも大切だと年々思い知らされてきました。
先日、番組ADを希望する新卒のAさんとお話しする機会がありました。
Aさんは大学を卒業した後、映像系の専門学校に通いました。
映像とはまったく異なる分野の勉強を大学でしていたのですが、何かのきっかけで興味を持ち、映像業界での就職を目指し専門学校に入学しました。
ところが、本人も自覚があるのですが、あまりテレビ番組に興味がないようなのです。
ひとり暮らしをしたアパートにテレビがなかったことがきっかけで、ほとんどテレビを観なくなったと言うのです。
それでも志望はテレビ業界。
好きな番組もなければ、好きな芸能人も特にいない。
残念なのは、「こんな番組を作りたい」がまったくないのです。
敢えて言うならば、バラエティ番組は好き。
ここで私が何も考えなければ、バラエティ番組を制作している会社を紹介して、エントリーして、面接してもらって、ハイ入社。
Aさんは番組制作への想いや目標を何も持たないままスタートするわけです。
私がグイグイを躊躇う理由はまだありました。
Aさんと話していると、番組制作以外にやりたい仕事の話がたくさん出てくるのです。
ゲームが好きなので、ゲーム業界
ブライダル照明のバイトをして楽しかったので、ブライダル業界
他にも、「○○が好きだから○○の仕事」が出るわ出るわ。
これが仕事を選択する時の正しい姿ではないでしょうか?
「好きだから」「興味があるから」が前提になければ進みづらいと思うのですが。。。
Aさんは専門学校の入学金を親御さんに出してもらったそうです。
「映像業界に就職したい」と言う気持ちでいたからこそ出してもらったのだと思います。
それが負い目になり、どうしても「映像業界」なのです。
Aさんの気持ちも、Aさんに期待した親御さんの気持ちもわかりますが、叶う叶わないは別として自分が本当に興味のあることにチャレンジして欲しいと願わずにいられません。
《石川かおり》