険しい!?後輩から慕われるディレクターへの道
先日、大変悩ましい出来事がありました。
あるテレビ番組制作会社A社には、過去数名の人材紹介実績があります。
アシスタントディレクター(AD)を中心に、アシスタントプロデューサーや制作デスクなどです。
特にADは、未経験者を育ててくれるので非常にありがたい会社ではあります。
数年の間に、AD⇒ディレクターに昇格したスタッフもいます。
今から2年ほど前でした。
A社入社当初はまったくの未経験者だったN君が、某バラエティ番組のディレクターとしてデビューすることになったのです。
3年かかりました。
入社当初からやる気溢れるN君は社内外での評判も良く、プチディレクター程度のことは数ヶ月で任されるようになっていました。
N君のハングリーさは周りが心配するくらいでした。
それには理由があり、N君は27歳というテレビ業界では少し遅い年齢からのスタートでした。
なんとしても30歳までにはディレクターになりたい。
そんな想いをバネにろくに休みも取らないで、会社に住んでいるかのような状態でした。
見事、N君は願いを叶えたわけですが、思いもよらない弊害が生じてしまったのです。
当然ディレクターとなれば、下にADがつくことになります。
N君は自分自身のハングリーさを、AD達にも強要するようになってしまったのです。
ディレクターになったからなのか、いささか態度も大きくなり、入ったばかりで右も左もわからないADから見るととても怖い先輩のようです。
もちろん、ADのことを思っているからこその言動・行動であって・・・決して意地悪をしているわけではないのですが・・・。
誰も彼もが身も心もハード過ぎる毎日に耐えられるわけではありません。
結果、N君の下につくADは半年持ちません。
キャリアトレインから紹介したADも例外ではありません。
次から次へと辞めていき、さすがに問題が明るみになりました。
私は辞めていくADから、N君の問題点について聞かされることとなりました。
全員が全員、N君のことを大っ嫌いになって辞めていきます。
私はどちらの味方も出来ません。
N君の気持ちもAD達の気持ちもわかります。
私が解決出来る問題ではないので、A社の社長に打ち明けることにしました。
今のところ、辞めていくADが根性論的には劣勢です。
ただ、いつまでも同じことを繰り返していてはいけないのです。
N君もADの教育担当として、学ぶべきことがあると思います。
理解が早いN君のことです。今年からはきっと後輩から慕われるディレクターとなると信じています!
《石川かおり》