転職活動をしていると“渦”に巻き込まれることがある。

今回は、この“渦”から脱出して新天地を見付けた女性を紹介しよう。

四年生大学を卒業して、新卒で某番組制作会社に就職したNさん(25歳)
この番組制作会社は業界では中堅と大手の間くらいに位置し、
誰もが知っているような番組を数多く制作している。
そのほとんどがバラエティ番組。

ディレクターは自社の社員ではなく、
フリーディレクターと契約している方が多いようだ。

アシスタントディレクター(AD)としてキャリアをスタートさせたNさんは、
あるフリーディレクターの下につくことになった。

このディレクターが曲者だった。

テレビの世界でディレクターとして何年も活躍しているのだから、
当然一筋縄ではいかない。
ディレクターの中には個性的な人もいる。
それが良い個性か、悪い個性か。
そこが問題だ。

Nさんがあたったディレクターは、AD達にとっては悪の化身でしかなかった。

愛情がある怒り方や態度で示す教育ではなく、
AD達への接し方は「いじめ」にしか思えないことばかり。

言葉の暴力はあたり前。
今時珍しい暴力も受けた。
蹴られたり、物を投げつけられたり。
女性ADでもお構いなしだ。

ADしかいないところでやられるので、会社はこの事実を長い間知らなかった。
同期の男性ADが蹴られて転倒し、怪我をしたことから会社が知ることになった。

ここまでくる間に、数名いたADはどんどん辞めていった。
Nさんは約2年間耐えたのだ。

番組が変われば、このディレクターとも離れられる。
それだけを夢見ていた。

元々明るくて元気印のNさんはみるみる元気を失くし、
退職時にはすっかり生気がなくなっていた。

「ADの仕事は続けたい・・・。」
ディレクターになって、自分の番組を持つという夢は失くしてはいなかった。

でもかなりしんどくなっていた。
自分でも気付かないうちに、精神的も疲れ果てていたのだ。

この状態で転職活動をしてもまったくうまくいかなかった。

受ける会社もちぐはぐになってしまい、
一般企業の事務職まで受けていた。
当然、志望動機もうまく伝えられない。
口先だけで面接を受けても採用企業には見透かされていたのだ。

では、スタンダードに番組制作会社を受けてみよう。
いざ動きだしても、前職での恐怖が蘇る。
どこの会社にも気の合わない先輩がいたり、人間関係でつまづくことはある。
わかってはいるけど、一歩踏み出せない。

まさにこれこそが“転職の渦”なのだ。

そんな中で、キャリアトレインの就職・転職サポートに申し込んだのだった。

“渦”に巻き込まれている人こそ、客観的に見てもらうことをお勧めする。

自分だけで考えても“渦”からは抜け出せない。

転職サポート面談では、まず理想の転職先について整理した。
何を優先して、何を我慢出来るのか。
将来の希望を叶える為に、どのような働き方がベストなのか。
そもそも将来の希望は何だったのか、
原点に戻る作業を一緒に行った。

結果、優先順位が決まった。

第一に「やりがい」
第二に「休み」
第三に「給与」

ここまでハッキリ希望が出てくると人材紹介会社としてはやりやすい。
やりがいだけ主張して、結局休みとお金が最後に出てくるよりまし。

運よく、この優先順位に当てはまる会社が見付かった。

帯で放送している情報番組を中心に制作している会社で、
曜日班としてスケジュールがハッキリしているので確実に休める。
さらに、2年間のAD経験を高く評価してもらい、
給与も前職より数万円アップした。

このような転職成功例は人材会社冥利に尽きる。
転職で悩んでいる人達は、キャリアトレインみたいな会社を有効に活用して、
どんどん後に続いて欲しい。

≪石川かおり≫