テレビ業界を目指すなら読んで欲しい本がある!ビートルズ独占インタビューなのに「ボケ茄子」!?やみくも印のエンジンを背負ってテレビ界を駆け抜けた男

2013年2月5日

『AD残酷物語―テレビ業界で見た悪夢』葉山宏孝 (著)
なんていう本が出回っているのをご存じだろうか?
もう発売して2年くらい立つのでご存じの方も多いだろう。

【内容紹介の引用】
夢を抱いて入ったテレビ業界。
だが、その世界は想像をはるかに超えた悲惨で過酷な世界だった。
ADは奴隷と同じ?ひどすぎるテレビの裏側。
著者自身がテレビ局内でバラエティ番組のADとして働いた体験を再現したルポルタージュ。
私もとっくの昔に読んでいて、
確かに書いてあることは本当のことが多い。

でも私が知っているテレビ業界とはずいぶん隔たりがあるのも事実。
ごく一部で起こった出来事を大げさに表現している箇所もあるかと。

何も知らないでテレビ業界に入りたいと言う方は
是非観た方が良いのかも知れない。

が!

本当にテレビ業界に入りたいなら私はこんな本は読む必要はないと思う(きっぱり)

本気の人にお勧めの本がある。

『僕がテレビ屋サトーです  名物ディレクター奮戦記『ビートルズ』から『はじめてのおつかい』まで』佐藤孝吉(著)

これは日本テレビの名物ディレクターだった佐藤孝吉さんの著なのだが、
テレビ業界に生きる男の生きざまがこれでもか!というくらいにキラキラ伝わってくる本なのだ。
実は私がテレビ業界(マスコミ業界)にかかわるきっかけになった本でもある。
アパレル会社で営業として勤務していた頃、
その会社は社員の為に著名人を招いて講演してもらうということを定期的に行っていた。
そこへ講師としていらしたのが佐藤孝吉さんだった。

当時60代後半だったろうか、20代の私達が驚くくらいパワフルで、しかも話が面白い。
テレビ業界での体験談にすっかり引き込まれたのだ。
それから佐藤さんの著作である『僕がテレビ屋サトーです・・・』を読んで、
決定的に「テレビ業界へ行きたい!」と思ったのだ。

ここから先は話がずれるが、
ちなみに私は、ADには向いていないとある人に言われ、即効方向転換するわけで・・・。
その人の言ったことは的確だったと妙に納得している今日この頃。

やりたいことに突っ走ることも時には必要だけど、
客観的に見てくれる人のアドバイスは的を得たりするのだ。

さて、この『僕がテレビ屋サトーです・・・』は
今から約40年以上も前のテレビ業界の話。

まだ戦争の傷跡が癒えない時代から始まって、
長島引退やビートルズ来日、日航機墜落事故、黒澤明全盛、ダイアナ妃ご成婚などなど、
日本のみならず世界中が元気だったころのテレビ業界。
当然「バブル」っていうのもやってくる。
テレビ番組の予算もハンパない時代。
エジプトに巨大ピラミッド建てちゃったり、
「ニューヨークへ行きたいかぁ!」の『アメリカ横断ウルトラクイズ』も立ち上がった。
今でも続く『はじめてのおつかい』も佐藤さんの作品だ。

新卒で日本テレビに入社し、冷や飯を食うところまでガーっと読み進める。
『はじめてのおつかい』で大復活を遂げる佐藤さん。
局員だろうが制作プロダクションのスタッフだろうが、
“熱”をなくした時に人は終わる。
どんなに偉くなっても“熱”を失わなかった佐藤さんのテレビマン人生を是非読んでもらいたい。

面白い例えが載っていた。
視聴率に対するディレクターの感覚らしいのだが、

20%を超えると、近所の子供達から、見ましたよ、と声が掛かる。
25%を超えると、小学校の友達から何十年ぶりに電話がかかってくる。
30%を超えると、電車のつり革につかまったとき、両側の人が自分の番組の話をしている。

今や30%を超える番組は紅白くらいだが、
知らない人が自分の番組について話している場面に遭遇したらどんなに嬉しいのだろう。
悪口は痛いけど。

≪石川かおり≫

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