20代で転職を考えるとき、誰に相談するかで情報の量も質も大きく変わります。

身近な人の意見や専門家の知見をバランスよく取り入れるための判断基準と、相談しやすい状況をつくるコツをわかりやすくまとめました。

相談する人の割合データ

転職経験のある20代の調査では、家族や友人に相談する人が多く、全体の5〜7割に上ります。
社内の上司や先輩に相談する割合はおよそ2割前後、転職エージェントやキャリア相談サービスを利用する人は3〜4割程度で、複数に同時相談するケースが一般的です。
年代や業界で差が出やすく、地域差や情報源の偏りにも注意が必要です。

なぜ相談する人としない人がいるのか

相談するかどうかは、性格、職場の雰囲気、秘密性の確保、相談相手への信頼度などが影響します。
リスクを避けたい場合は社内に言いづらく、家族に頼る人が増えますし、逆に自分で解決したいタイプや情報収集に自信がある人は相談を控えがちです。
経済的事情や時間的余裕も相談の有無に直結します。

相談先による期待と現実のギャップ

「期待」としては求人紹介や情緒的サポートが挙げられますが、実際は友人は共感が主、家族は安定志向の助言、上司は評価との兼ね合いで慎重な助言になりがちです。
転職エージェントは市場情報が豊富でも希望通りの求人が必ず見つかるわけではないため、期待値の調整が重要になります。

相談で出る本音と建前の違い

相談の場では本音(給与や評価への不満、キャリア不安)と建前(円満退職や前向きな理由)が混在します。
相手の言葉から本音を読み取るには、具体的な事実や行動希望を掘り下げる質問が有効です。
また自分側も建前に頼らず、優先順位や譲れない条件を整理して伝えると、実効性あるアドバイスが得られやすくなります。

相談するタイミング別のおすすめ相手

情報収集段階はエージェントやネット、同業の友人が有効で、選択肢絞り込み時はキャリアカウンセラーや信頼できる先輩、具体的な応募準備や交渉では転職エージェントや労働相談窓口が頼りになります。
退職や社内調整が必要な段階では家族や直属の上司と相談するタイミングを慎重に選びましょう。

社内・家族・友人に相談するメリット・デメリット

社内や家族・友人に相談することは、職場の事情に詳しい情報を得られる一方で、関係性の悪化や評価への影響を心配する必要があります。

メリットとデメリットを整理して、どの状況ならどんな相談相手が有効か、また避けるべき局面について具体的に解説します。

上司に相談する場合の注意点

上司に相談するときは、業務への影響や評価を踏まえた言い回しが求められます。
転職意向を早期に伝えるとプロジェクトや昇進に影響が出る可能性があるため、退職の時期や引き継ぎ計画を提示できる準備が必要です。
信頼関係が薄い上司には相談を控え、まずはキャリアの方向性だけを相談するなど段階的な伝え方が安全です。

同僚や先輩に相談するメリット

同僚や先輩は職務内容や職場文化をよく理解しており、実務面での具体的なアドバイスや職場内での動き方のコツを教えてくれます。
年齢や立場が近いと本音が聞きやすく、転職後のリアルな職場イメージも得られます。
ただし社内の噂が広がるリスクや、個人的なバイアスが入る点には注意が必要です。

家族に相談するメリットと感情的配慮

家族は経済面や生活基盤の観点から安定した視点で助言してくれることが多く、精神的な支えにもなります。
しかし感情的になりやすく、親世代と価値観の差がある場合は反発を招くことも。
感情的配慮を持って、データや計画を示しながら話すと安心感を与えやすく、建設的な議論につながります。

友人への相談で得られる情報の質

友人は気軽に本音で話せるため、率直な感想や転職成功・失敗体験を聞けます。
業界や職種が近い友人なら具体的な企業情報や面接のコツも得られるでしょう。
ただし友人の経験は個別事例に過ぎないため、そのまま鵜呑みにせず、補強となる客観的データや複数の意見と照らし合わせることが大切です。

社内相談が向くケースと避けるべきケース

社内相談が向くのは、職務改善や配置転換、昇進の機会を検討したい場合や、円満退職を考えたい場合です。
一方で機密性が高い転職活動、現職との利益相反が大きい場合、評価が下がるリスクがある場合は外部相談を優先した方が安全です。
状況に応じて相談先を使い分けましょう。

オススメ!第三者の専門家に相談する選択肢

外部の専門家に相談することで、客観的な市場情報や交渉ノウハウ、心理的なサポートが得られます。

社内にはない視点やネットワークを使えるのが強みで、特に初めて転職する人やキャリアの方向性に迷う人には効果的な選択肢です。

転職エージェントに相談する利点

転職エージェントは求人の非公開情報や企業の内情、選考の傾向を教えてくれるほか、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策、年収交渉の代行もしてくれます。
無料で利用できる場合が多く、同時に複数企業を比較できるため効率的です。
ただし担当者によって質が変わるため、相性確認と複数利用がおすすめです。

キャリアカウンセラーやコーチの役割

キャリアカウンセラーやコーチは、価値観の明確化や長期的なキャリア設計、自己理解を深める支援を行います。
市場情報よりも「あなたに合った道」を一緒に探すのが得意で、転職だけでなくキャリアアップや職場適応の相談にも向きます。
費用が発生する場合があるので、目的に合わせて専門家を選ぶと良いでしょう。

相談時の本音を引き出す質問と伝え方

相談で本音を引き出すには、具体的で選択肢を限定する質問や、感情に寄り添う聞き方が有効です。

また自分の考えを正直かつ冷静に伝える準備をすることで、相手も本音で返しやすくなります。

ここでは実践的な質問例と伝え方のコツを紹介します。

自分の価値観を明確にする質問例

「仕事で何に一番満足感を感じるか」「将来5年で何を達成したいか」「許容できる残業や転勤の範囲はどれくらいか」「給与以外に重視する条件は何か」「失敗したときのリスクはどこまで許容できるか」など、具体的で優先順位をつけやすい質問を自分に問いかけると価値観がクリアになります。

相手に本音を伝えるための言い回しと準備

本音を伝えるときは「結論→理由→希望」の順で話すと分かりやすいです。
例:「転職を考えています(結論)。
現在の評価や仕事内容に不満があり、将来の成長機会を重視したいです(理由)。
具体的には◯◯の業務や年収面の改善を期待しています(希望)」。
事実と感情を分けて準備すると相手も受け取りやすくなります。

今後の転職相談の進め方と押さえるべき要点

相談は目的に応じて相手を使い分け、情報の信頼性と守秘性を常に確認することが大切です。

短期的な条件だけで判断せず、自分の価値観と市場価値を照らし合わせながら行動計画を立て、複数の情報源で裏取りをする習慣をつけましょう。

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国家資格キャリアコンサルタント
石川かおり