使わな損!?社会人の学び直しから転職までを支援に1人24万円の助成とな!
2024年新卒の皆さんは、4月に入社して3ヶ月経ちました。
研修期間を終えて、今月から本格的に仕事が始まる方もいるかもしれません。
番組制作会社では、担当番組が決まり配属される方もいると聞きます。
入社した会社で一歩ずつ進んでいる新卒もいれば、入社3ヵ月で退職する新卒もいます。
マスコミ・エンタメ業界の話ではなく、すべての業界や会社で見られます。
退職まで至らなくても、早々に転職を見据える新卒はかなりの数いることがわかっています。
【入社直後に転職サービスに登録した新社会人が過去最多を更新】
2022年4月に「doda」へ登録した新社会人は、これまでで一番多かった2019年を上回り、本調査を開始した2011年以降、過去最多となりました。また、2011年比で約28倍にまで増加しています。
情報元:「新卒入社直後のdoda登録動向」(パーソルキャリア株式会社)
主な理由として下記のようなこと挙げられています。
「入社をゴールとせず、中長期的な視点でキャリアを見据える人が増加」
「“1社でキャリアを積み、昇格や昇進を目指す”形から、“転職や副業などを通じ複数社で経験を積み、キャリアアップを目指す”形へと変化」
「2022年度に入社した人の多くは、新型コロナの感染拡大により先行き不透明な状況の中で、卒業後、そして将来について考える必要があり、不安を抱く人も少なくなかった」
価値観は世代によって変化していくのは当たり前ですが、いわゆるZ世代の新卒にとって、転職で「自分らしさ」を追い求めていくことに抵抗が少なくなっているのは事実です。
政府が転職を後押し
入社して早々に転職することは想定していませんが、政府からは転職を支援する制度が発表されています。
2023年度中に開始予定で、「キャリア相談から学び直し、転職までを一体的に支援」とあります。
キャリア相談や転職関連の講座を受講する費用など、1人あたり平均24万円の助成があるそうです。
詳細はこれから発表されますが、今後3年間で約33万人の転職を後押しすることを目指しているとのこと。
7/3現時点でわかっている概要は以下。
■助成要件
・民間が運営する講座が最大1年間受講できる
・キャリアコンサルタントの国家資格を持つ専門家に相談が可能
■対象者
・転職を希望する正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイト
※経営者・個人事業主は対象外
■対象講座
プログラミング、ビジネススキル、医療、介護、ウェブデザイン、動画編集
※教養を学ぶような講座は対象外
リスキリング(学び直し)までは、「新しい知識やスキルを学びキャリアアップしましょう」という理解でしたが、「転職を支援する」まで言っちゃってますからね。
「転職は当たり前」どころか、「転職しましょう」の世界になるわけです。
そこまで言わずとも、「転職できるスキルを身につけましょう」ですかね。
【終身雇用や年功序列といった日本型雇用システムの転換】を目的とする政府の施策に、労働者側もうまく乗っかっていかないと、何かあっても会社は面倒見てくれないということです。
新卒でも中途でも、会社に入社してすぐに転職することは誰も進めていませんが、自分のキャリア形成を常に意識することはとても重要です。
会社に入ったから自動的にスキルアップするわけでも、誰かが何とかしてくれるわけではないからです。
これから始まる政府の新制度(社会人の学び直しから転職までを支援)は、これまで自身のキャリアを意識してこなかった人にはきっかけになるのかもしれません。
新制度への受け止め方は様々で、雇用する側から考えればスキルを身につけたら転職されちゃうのかと戦々恐々とも言えます。
ただでさえ人手不足で採用難ですからね、身につけたスキルを自社で活かしてくれたら万々歳ですが、新制度はそういうことでもないようで、、、。
色々と言いましたが、私の解釈が正しいわけでもありませんし、個人的には賛否否否あります。
ただ、労働者側だけを考えるならば、国に費用を出してもらえて学べるものがあるならば使わな損だと思います。
新制度の概要が正式発表されたら、皆さん意識してみてはいかがでしょうか。
<石川かおり>