それってコロナのせいじゃない!キー局に落ちたショックを引きずる就活

2020年5月18日

毎週火曜日の読売新聞朝刊に掲載される『就活ON!』の中で就活生が寄せた就活生日記です。

◇マッスル(首都圏・私立大4年男子)

人を笑顔にできる仕事がしたくてテレビ業界を志望するが、大本命のキー局は2月に落ちてしまった。

4月上旬:
キー局に落ちたショックを引きずったまま、キー局の関連会社、番組制作会社などを探す。ただ、大半の会社が選考をストップし、再開は6月になりそう。できることをしようと、英語や筆記試験の勉強に打ち込む。

4月下旬:
大学のゼミで初のオンライン授業があった。友人からどの業界も選考が止まっていると聞き、不安が大きくなる。単身赴任中の父に電話で相談すると、「今は就職自体が難しくなっている。会社を選び過ぎない方がいいのでは」と言われた。テレビ業界に近い広告会社などに対象を広げ、数年後に中途採用でテレビ局に挑戦することも考え始めた。

4月下旬:
唯一、選考中だった番組制作会社に落ち、手持ちの企業がなくなった。今は6月から受けられる企業を探しながら、気持ちを切り替える時期だと思うしかない。

出典:読売新聞(2020/5/12)

新型コロナウイルスの影響で企業の選考日程延期や採用数削減など、2021年卒の就活生には苦境が続いています。

これだけ読んだ限りではマッスルさんについてはよくわかりませんが、ただこれだけで想像させてもらうと、マッスルさんの就活は平時でもうまくいかないのでは?と心配になってしまいました。

就活の【軸】がない就活

このテレビ業界志望のマッスルさんにはどうしても違和感を感じます。

キャリアトレインの就職サポートには現在30名ほどの2021年卒の就活生が登録しています。

具体的な求人の紹介というよりも、完全にコンサルティング(カウンセリング)でのサポートが中心です。

マスコミ・エンタメ業界でのやりたいことは大体決まっている方ばかりなので、一人ひとりの悩みや希望をヒアリングして、就活の【軸】を掘り下げていきます。

ESや企業から出される課題などの添削も行いますが、就活の【軸】がハッキリとしているのですべてにおいてブレがありません。

マッスルさんに感じた違和感はここです。

具体的に何がしたくてテレビ業界なのかよくわからないですし、テレビ業界への就職だけが目的になっているような気がします。(テレビ業界に入れば会社が何とかしてくれる的な受け身姿勢を感じる)

違和感①何をして人を笑顔にできるのか?

キー局のESや面接で「人を笑顔にできる仕事がしたい」なんて書いたり言ったりしたら通りません。
まさかこれだけじゃないとは思いますが、キー局からすれば「他の仕事でも笑顔にできるんじゃない?」で終わりです。
テレビ局で何をして、どうやったら人を笑顔にできるのか?
表面的になぞったような志望動機や自己PRではキー局の壁は厚いままです。

違和感②キー局の倍率

キー局の就職倍率はポジションによりますが、少ないところで200倍以上、多いところで1000倍以上とも言われています。
地方局でも少しかける程度です。200人に1人採用、1000人に1人採用というレベルです。
選考ステップも長く、5回以上の面接や多くの提出課題を求めるテレビ局も多々あります。
だから仕方ない最初から諦めろとは決して言いませんが、落ちたからと言って落ち込んでいるだけでは見込みがありません。

違和感③番組制作会社は腐るほどある

「選考中だった番組制作会社に落ち、手持ちの企業がなくなった」とありますが、東京だけでも番組制作会社は何百社とあります。
いきなり広告会社まで広げなくても、まだまだチャンスを得ることは出来るはず。

本当に番組制作がしたいなら。

違和感④気持ちを切り替えるとは?

落ち込んだ自分を奮い立たせるのは大切ですが、根本的に番組制作会社受ける準備ができていないように感じます。
気持ちだけではなく、「番組制作で何がしたいのか」「番組制作やテレビに関してアピールできることはあるのか」などなど、番組制作会社がマッスルさんを採用したいと思えるような何かを見付けて欲しいのです。

他にも色々違和感(ツッコミどころ)はあるのですが、マッスルさんの就活がうまくいくように、大事なことに早く気付いて頂ければと願うばかりです。

マッスルさんの例がテレビ業界志望の皆さんの参考になればと思います。

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<石川かおり>

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