【ショック!こんな会社は嫌だシリーズ】第2回:五次面接で不合格!?「なんか違う」と言われるまでの3ヶ月
いわゆる“大企業病”というのでしょうか?
社長と従業員(人事や現場)の意思疎通が不十分な為に起こった悲劇をご紹介します。
TV-CM制作会社として名が知られているA社では、
膨大な数の仕事量を抱え、常に人手不足の状況が続いていた。
キャリアトレインとは数年のお付き合いがあり、
人材紹介の実績はそれなりにあると言えよう。
ある時から何だか様子がおかしいと思うようになった。
それは、ある大手TV-CM制作会社がA社を子会社化し、
経営陣から人事から一掃された日からだった。
吸収される形になったにせよ、A社は大手企業の仲間入りとなった。
新たに就任した社長は親会社からの出向。
A社の従業員と意思疎通を図るのはすぐには難しいだろう。
だが、応募者にはそんな事情は関係ない。
自分の人生をかけて応募・面接に挑むのであって、
企業側もきちんと向き合わってもらわなきゃ失礼である。
そんな中、「CMディレクター」を候補しているWさん(31歳)の面接が行われる事となった。
大企業となったA社は面接回数も3回から5回に増えていた。
現職中のWさんは平日に面接の為に時間を作るのに一苦労した。
有給や半休を無理やり使い、もちろん会社に悟られないように動いた。
一次面接は、人事担当者が面接官だ。
経歴をなぞって、確認に近い面接が行われた。
ちなみに書類選考から一次面接まで3週間を要した。
二次面接は、一緒に働く現場のチーフが面接官だ。
具体的な業務内容に触れ、今までやってきた事とマッチするかを確認した。
ここまでで、応募から1ヶ月半が経った。
多忙な身であるチーフとの面接セッティングはスムーズに進まないそう。
三次面接は、所属部署の部長面接。
部署の今後のビジョンや社員に期待している事などを部長が語る場になった。
ここで2ヶ月経過。
四次面接は、役員面接。
現場の事はよくわかっていない様子の役員から、
一次面接で聞かれた内容とほぼ同じ事を聞かれて終わり。
そして、ちょうど応募から2ヶ月半が経つ頃。
最終の五次面接は社長面接が行われた。
正直ここまで問題なく進めた事に、「内定」という文字が頭によぎっていた。
だって、5回も呼ばれたわけであって。
社長面接は形式上のものなのでは?
暗い雰囲気で始まった社長面接。
押し黙ったまま履歴書をじっと見ている社長。
やっと出た質問は・・・
「なんで大学行かなかったの?」
Wさんは映像系の専門学校を出ている。
それにしても、31歳で業界経験をそれなりに積んでいるWさんに今さら学歴の質問とは。
あとはぽつぽつと経歴をなぞって終了。
特に新しい話は出て来なかった。
何はともあれ、あとは結果を待つのみ。
二週間後、やっと連絡が来た。
「不採用」
ありきたりの文面の不合格メールを見て慌てて人事に問い合わせ。
人材紹介会社としては是が非でも不採用理由を知らねばならない。
人事から返ってきた答えは、
「何か違う」と社長が言ったとのこと。
さらに、大卒以上という要件が突然追加されたのだ。
確かに親会社では大卒以上の学歴が必須となっている。
子会社のA社までは降りていなかったのだろう。
学歴で決めるなら応募の時点でわかったよね!
しかも「何か違う」って何だよ!!
結局社長とのフィーリングが合わなかったとしか言いようがない。
社長の判断ですべてが決まるなら最初から出せ!
Wさんに何て説明すれば良いのやら・・・
3ヶ月も苦労してくれたWさんに取り繕うのも失礼なのでそのままを報告。
Wさんも最後の社長面接で疑問が沸いたらしく、納得してくれたのだ。
これはA社だけの例ではない。
某大手エンタメ企業でも数回の面接を重ね、
結果を待つ段になっても一向に連絡が来ない。
1週間経ち、こちらから問い合わせたところ、まだ選考中とのこと。
2週間経ってもまだ選考中。
3週間保留にされ、やっと答えがもらえたのだが、
「あれ?え~と、他の方に決まりました~」
先方はとっくに選考結果を出していたつもりの様子。
こちらからの毎週の問い合わせに対して、
誰の事を言っているのかきちんと把握していないのだ。
信じられない。
某大手動画配信企業では、書類選考に2ヶ月以上かける。
さらに不採用の連絡をスルーされる事もあるので、
こちらから何度も問い合わせをしないと結論を応募者に伝えられない。
何度も言うが、応募者は自分の人生をかけて勝負しているのだ。
ユーザーありきの企業では応募者は、
自社のファンにもなり、アンチにもなりえる。
応募者への不誠実な対応は、
企業の命取りにもなりかねない事を肝に銘じて欲しい。
≪石川かおり≫
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