テレビ業界の新人アシスタントディレクター研修
そろそろ大学や専門学校などで卒業式が行われ、2018年度卒の新卒者が社会人デビューする時期となりました。
4月の正式入社日を前に、すでに新卒者研修がスタートしている会社もあります。
また、テレビ業界では在学中から勤務開始している新卒者も多く、とっくに研修や実務経験を積んでいる方もいます。
今週は某テレビ局で、アシスタントディレクター向けの研修が行われています。
研修に参加しているアシスタントディレクターは、各番組制作会社からテレビ局に派遣・出向となる方達です。
どちらかというと新卒者が多いですが、社会人経験のある中途入社組も多く参加していました。
番組制作スタッフなのだから、研修ではカメラの使い方や企画の作り方など、番組制作に関わる何かを教わるのでしょうか?
いえいえ、残念ながらそんなことはまだ先のお話しなのです。
番組制作スタッフのみならず、はじめの一歩で覚えるべきことがあるのです。
番組制作会社に入社したら
すでにテレビ業界での勤務経験がある方や、そこそこの社会人経験がある中途社員は別ですが、番組制作会社に入社したらまずはここからスタートします。
【社会人としてのマナー研修】
番組制作の基礎よりも、社会人としての基礎をまずは徹底的に習得することになります。
マナー研修
・挨拶
お辞儀の仕方(会釈、中礼、最敬礼)、名刺交換など
・電話対応
第一声・終了挨拶、保留時の挨拶、電話の掛け方など
・言葉遣い
尊敬語、謙譲語、丁寧語の使い分け、クッション言葉など
・来客応対
案内、席次、お茶出し、お見送りなど
・ホウレンソウ
「報告」「連絡」「相談」+「確認」の重要性など
・5W1H
メモの基本【5W1H】
When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)
会社のルール
新人研修では、社内のルールも覚える必要があります。
・就業規則
・組織概要
・電話・FAXなど事務機器の使い方
・経費精算の仕方
・交通費申請の仕方など
マナーやルール研修が終わったら、やっと番組制作の基礎(実務)研修がスタートです。
番組制作の基礎研修
・パソコン(Word・Excelなど)の使い方
・業界用語の勉強
・企画~ロケ・編集~オンエアまでの番組制作の流れについて理解
・テレビ局(入退館の仕方など)や収録スタジオ、編集所などの確認
・撮影手法や映像編集技術など
さらに、昨今意識して順守する必要があるのは、、、
コンプライアンス研修
個人情報保護法
危機管理
肖像侵害
放送倫理
SNS使用上の注意など
研修の必要性
このような新入社員に向けた研修を、2~3日、5日~1週間、長いところでは2週間も行う会社もあります。
入社後または番組に配属される前に行う会社や、入社前の内定者講習で行う会社など、タイミングは色々です。
きちんとした形で研修!と銘打っていなくても、現場実習の中で同じようなことを覚えていく方針の会社もあります。
テレビ業界は自由でおおらかな雰囲気はありますが、社会人としての礼儀やマナーには実は厳しい業界なのです。
ラフな感じに見える番組制作スタッフでもやる時はやる。
意外にも?番組制作スタッフは一般人との接触することが多くあります。
街頭インタビューや取材、飲食店や公官庁などへの許可取り、視聴者や外部からの問い合わせ対応など、マナーを守り丁寧な対応を心掛けなければならない場面は多いのです。
社会人としてのマナー(ビジネスマナー)はすべてに通じる基本なのですね。
≪石川かおり≫