外資系エンターテインメント企業への“転職”
最近、あまりにも立て続いた外資系企業からの人材紹介依頼。
そのすべての企業が“英語力必須”ときたもんだ。
都内テレビ局の海外中継をしている部署や、国際映像部のようなセクションでの人材募集でも英語力は問われますが、本社が米国の外資系企業では“英語力”当たり前とのこと・・・。
しかも、キャリアトレインへ人材依頼が来るということは、外資系エンターテインメント企業です。
例えば外資系の映像制作会社であれば、最低でも【映像制作の高いスキル】+【英語力】が必要です。
なかなかそんな人材は居そう?で居ないのです・・・。
外資系エンターテインメント企業とは?
海外に本拠地があるエンターテインメント企業が日本に進出している例はたくさんあります。
・FOXネットワークス株式会社(番組供給)
・ユニバーサルミュージック合同会社(レコード会社)
・ワーナー ブラザース ジャパン合同会社(映画上映、映画輸入販売)
・合同会社ライアットゲームズ(ゲーム会社)
・ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社(オンラインゲーム運営)
・株式会社QVCジャパン(世界最大のTVショッピング企業)
などなどなどなど。
社内を見渡すと、基本的には日本人の社員がほとんどなのですが、採用選考で最終面接に外国人の社長が登場するとビビります(笑)
日系企業との違い
人材を採用する際、日系企業と外資系企業の違いを感じることが多々あります。
■給料が高い!
年棒制※を採用している外資系企業は多いのですが、日系企業と比べるとはるかに高く設定されています。
求めるスキルの違いはあれど、同じようなポジションの仕事でも数百万円の差があります。外資系企業では年俸1000万円超の求人依頼も珍しくありません。
※年棒制とは?
給与額を1年単位で決定する給与形態です。提示された年俸額を12分割して月々支給されます。(14分割で夏冬の賞与として支給する企業も)残業手当などの手当をひっくるめて年俸提示をされる企業もあります。
■年齢・性別の制限がない!
日本でも採用選考の際、年齢や性別を制限してはいけないのですが、実際は制限しまくりです。どんなにスキルが高くても、求人企業が設定している年齢や性別の制限をクリアしなければ書類選考も通りません。ところが、私が見た多くの外資系エンターテインメント企業では、年齢・性別制限はありませんでした。
■ジャッジが早い!
書類選考~面接~内定までのジャッジがとにかく早い印象です。採用は責任者に一任されているので、誰にお伺いを立てることもなく話しが進みます。面接の場で本人に直接合否を出してしまう企業もありました。
後は、外資系企業は服装がラフだけど小汚い社員がいない!
男女ともに、シュッとした社員が多い。・・・かも???
外資系企業が求める人物像
語学力や専門スキル以外にも、外資系企業ならではの求める人物像があります。
◎高いプレゼン能力
聞かれたことに答えるだけの面接や、いつでも指示待ちの受け身体制では評価の対象になりません。いつでも自分を売り込むことが大切になり、周りを説得出来る能力が必要です。
◎高いコミュニケーション能力
挨拶が出来る、社内外の人とスムーズにお話が出来る、なんて言うレベルではありません。社員全員にリーダーシップを求められるので、業務を円滑に進める為にチームワークを築けるほどのコミュニケーション能力が必要となります。
◎高い人間力
一緒に働きたいと思わせるヒューマンスキルも重要です。いくら実績主義の外資系企業でも、個人主義とは限りません。時にはユーモアを発揮し、仕事も対人関係もしなやかにやってのける魅力のある人が求められます。
昭和な日本企業に残るなぞの価値観である、「残業」=「頑張っている」という評価にはなりません。
時間内に仕事に区切りをつけるタイムマネジメントこそ評価されるのが外資系企業です。
「時間内に終わらない人」=「仕事が出来ない人」というわけです。
外資系企業の厳しさ
日系企業では標準となっていることが外資系企業ではそうではない。ということも多々あります。
また、外資系企業に務めることへの恐怖も!?
- ・終身雇用という概念がない
- ・成果が出せなければ年俸ダウンや解雇もある
- ・福利厚生が十分ではない
- ・日本から撤退
以前、映像プロデューサーを募集していた某外資系企業がありました。
正社員を募集していたのですが、あまりに求めるスキルが高く、すべての要件を満たしている方がなかなか見付かりませんでした。
ある時、とても惜しい求職者が1名見付かりましたので企業に確認したところ、「妥協して採用するつもりはない」と言われてしまいました。
外資系企業に採用されることも、そもそも厳しいというわけです。
ただ、新卒や未経験で外資系エンターテインメント企業に入社するのは難しいことですが、同業界・同職種で経験を積んでから“転職”するという手もあります。
実際に、キャリアトレインの転職サポートでもそういった実績はあります。
もし外資系エンターテインメント企業に魅力を感じることがあれば、選択肢の一つとして考えてみても面白いかも知れませんね。
《石川かおり》