マスコミ・エンタメ企業が【契約社員】として雇用をする理由

2021年6月9日

キャリアトレインで扱っている求人は、【正社員・正社員登用あり9割以上】がほとんどですが、マスコミ・エンタメ業界全体を見渡してみると、【契約社員】の募集は結構多くなっています。

契約社員と言ってもフルタイム勤務で、給与などの条件も正社員と同じとする企業は多いのですが、やはり期間の定めがあるところが大きく異なります。

雇用期間が満了した時に契約更新をされないこと(雇い止め)もありますし、労働者本人の意思で契約を更新しないこともあります。

現在はコロナの影響で雇い止め問題が脚光を浴びていますが、2021年1月時点で解雇や雇い止めになった人が8万6551人のうち、非正規雇用の人は4万1396人となっています。

コロナのような未曾有の危機に直面すると、正社員(正規雇用)でも解雇されることがわかりますが、契約社員(非正規雇用)で働くと平時でも契約終了となる可能性はあります。

もちろん、契約を終了する際には契約満了日の30日以上前の予告と、社会の常識に照らして納得できる理由がある必要はあります。

しかし、それらをクリアしていれば有期雇用契約の期間満了による終了は違法ではないのであり得ることです。

問題なく契約を更新していったとしても、【契約社員の5年ルール】と言う法律があります。

Q.契約社員の5年ルールとは?
有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託など職場での呼称にかかわらず、有期労働契約で働く人であれば、新しいルールの対象となります。

情報元:有期労働契約(厚生労働省)

ただし、必ずしも5年経ったら無期労働契約となるかというと、様々な理由でそうはなっていません。

参考:2019年1月7日ブログ「5年経ったら正社員?契約社員からの適用条件

2019年10月時点の調査では、、、、

無期転換申込権を行使した契約社員を雇用している事業所の割合は16.5%
無期転換ルールへの対応予定については、「通算5年を超える契約社員から申し込みがあれば無期労働契約に転換する」が63.5%

情報元:東京都 産業労働局

働く側の意向ももちろんありますが、みんながみんな無期労働契約になっているわけではないのです。

そもそも、なぜ企業は契約社員として雇用しようとするのでしょうか?

企業が契約社員雇用をする理由

まず、マスコミ・エンタメ業界で契約社員雇用が多い第一の理由としてこんなことが言えます。

「向き不向きのある仕事内容で、採用した後に適正があるか、活躍してくれるかは不透明なため」

労働環境が不規則で、仕事内容も誰にでもできるとは言えません。

実際に早期離職も非常に多く、最初から正社員として雇用するのはリスクと考える企業もあります。

社会全体で言えることではないかもしれませんが、キャリアトレインが知る限りのマスコミ・エンタメ業界の企業では、「契約社員として満期まで雇用して終了」という考えの企業はありません。

あくまでも「正社員登用を前提」として、契約社員期間を設ける企業がほとんどです。

「正社員登用を約束」しているわけではありませんが、長く働いてもらうための最初の雇用形態にすぎません。

その他、企業が契約社員登用をする理由は以下が考えられます。

正社員よりも人件費を安く抑えることができると考える企業もありますが、人材を確保するのが難しい現在においてそればかりではありません。

下記のように何かを限定しているため、契約社員雇用とする理由があります。

・業務内容
・勤務時間などの働き方
・転勤がない
・プロジェクト単位
・繁忙期のみ

これらは働く側として希望することもあります。

雇用形態よりも働き方などの条件を優先するケースはこれからの時代もっと増えてくるのではないでしょうか。

キャリアップや副業、パラレルワーカーとして雇用形態にとらわれず活躍の場を求める方も増えています。

必ずしも正社員であることがメリットであるとは限りません。

企業側ばかりではなく、働く側も自分に合った働き方やどのようになっていきたいのかを考える必要があります。

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<石川かおり>

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