新人ADが感じた番組制作会社入社後のギャップ
某番組制作会社に、4月1日(勤務開始日4月2日)に入社したアシスタントディレクターのNさんから不穏な!?相談が・・・(汗)
Nさん「テレビ業界の人達って挨拶しないものですか?」
まさか、Nさんが社内でシカトされているのかと一瞬憤ったのですが、どうやらそうではないらしく。
Nさん「私から挨拶すれば皆さん返してくれるのですが、帰社した人とかに誰も何も言わないし・・・。」
社内で、「戻りました!」「おかえり!」「お疲れ様!」みたいな声の掛け合いがないということらしいのです。
Nさんは一般企業でのデスクワークや営業経験があり、社内で挨拶が飛び交うのは当たり前の環境にいました。
当然、番組制作会社でもそういうものだと思っていたらしく、社員同士の挨拶や労いの言葉をかけ合うことのない環境に違和感を感じたようです。
さて、、、この違和感。
結局のところ、Nさんには入った会社への悪い印象がついてしまったということです。
挨拶一つのことが様々なことに波及し、Nさんのモチベーションが下がってしまわないか心配でなりません。
挨拶は基本のキ
Nさんに言われて意識してみたのですが、確かに番組制作会社の人達は社内で挨拶していないかも!?
遅くまで残っている他の社員を気遣って、帰る時も静かにそ~っと退出するなんて話も聞いたことがあります。
普通は、「お先に失礼します!」「お疲れ様です!」となるはずです。
朝出社する時も、連日の激務で疲れ切っているからか、ぼそぼそっと入ってきて不機嫌そうに席に着くなんて。
番組制作会社と一般企業を比べてみても、私のような外部の人間が入室すると、一般企業の社員さん達は「こんにちは!」「いらっしゃいませ!」なんて声をかけてくれます。
そんなことは番組制作会社ではまずないです。
番組制作会社の研修では、基本のキの部分で【挨拶】を叩き込まれるはずです。
一体、番組制作会社の社員さん達は、いつ挨拶しているのでしょうか?
番組制作会社の社員さん達が挨拶をしまくるのは現場なのです。
テレビ局なのでの収録、ロケ現場、街頭インタビューや取材、タレントさんや外部スタッフに対して・・・等。
何ともハキハキと元気よく挨拶をしているではありませんか!
「おはようございます!」「よろしくお願いします!」
こうなると挨拶は仕事の一部と感じてしまいますが、皆さんなりにオンとオフみたいなものがあるのでしょうね。
長く一緒にいれば“慣れ”るのでしょうが、入社したばかりの新入社員にはプチショックなわけで・・・。
想像と現実のギャップ
このように、入社した会社や仕事が、自分が思っていた感じと違うということは多々あります。
特に中途入社組は、前の会社と比べてしまうことがあるようです。
これまでにもこんな想像と現実のギャップに驚いた、番組制作会社デビューの方達がいました。
・会社が汚い!
⇒ロケ終わりで機材や小道具が足の踏み場もないくらい散乱していた。
・昼休みに行けない!
⇒入社初日、誰も声をかけてくれないので昼休憩のタイミングがわからず昼食抜きに。
・帰社時間がわからない!
⇒終業時間を過ぎても誰も帰らず、声もかけてくれないので帰れなかった。
・給与明細がない!
⇒給与振込はあるけれど、給与明細が貰えない。
・パソコンの支給がない!
⇒みんな自分のパソコンで仕事をしている。
・立替金が多い!
⇒買い出しなどの経費を自分のお金で立て替えることがあり、金額が多くなると辛い。
会社が改善すべきことや、社員達のちょっとした心遣いでなんとかなることは多々あるのですが、新入社員にとっては不安に感じるものです。
現実を受け止める!?
もちろん、想像と現実のギャップは悪いことばかりではありません。
みんなが忙しそうにしているから、放っとかれるかと思いきや丁寧に教えてくれたり。
全然休みがないと覚悟して入ったけど、週1日以上のお休みは取れたり。
怖くて厳しい先輩ばかりかと思いきや、冗談ばっかり言っている楽しい人達の集まりだったり。
冒頭のNさんが想像していた通りの、挨拶が飛び交っている番組制作会社だってあります。
しかし、どうしても嫌なことの方がインパクトはありますし、気分が滅入ってしまうものです。
番組制作会社に限らずですが、入社前に想像出来ることなんてホンノ一部ですし、期待が裏切られる(!?)ことの方が多いと思っていた方が無難です。
入社前に想像していたことが、よほど理不尽な形で違っていたら問題ですが、少しのギャップであれば乗り越えられるように!
≪石川かおり≫