就職・転職先は“親”が決める!?
皆さんは、就職や転職の相談を“親御さん”とするでしょうか?
「俺(私)会社辞めたから」
「○○の仕事をしたいから、会社辞めることにしたから」
「○○に転職することになったから」
こんな風に、ほとんど事後報告のように自分の進路は自分で決める方の方が多いかと思います。
子供の勤め先や仕事内容をまったく知らないのでは親御さんも不安でしょうから、是非報告はして欲しいのですが、就活・転活の過程で親御さんの存在が大き過ぎるパターンもあります。
転職先:価値観の違い
新卒で入った会社を1年で辞めたI君(24歳)
新しいことにチャレンジしたいと、テレビ番組制作会社への転職を希望していました。
キャリアトレインの転職サポート面談にお越しいただき、テレビ業界について良くも悪くもリアルなお話をさせてもらいました。
I君は理解した様子だったので、求人の紹介となったわけですが・・・。
私「株式会社○○○○という会社なのですが、、、(求人票を渡す)」
I君「親に求人を見せてからお返事します」
翌日、I君よりTEL
I君「父がこの会社は辞めた方が良いって言うので・・・」
私「どうして???」
I君「社員数が30名以下の会社は危ないって・・・」
私「!?」
番組制作会社では、社員数30名以下の会社なんてざらにあります。
番組に限りませんが、映像制作プロダクションで一番多い社員数を誇る会社でも800名を超えるくらいです。
新卒・中途採用をしている番組制作会社(映像制作プロダクション)の社員数はわかっているだけでも下記のようになっています。
社員数100名以下 500社超
社員数100名以上 約50社
I君の父親は、社員数2万人を超える上場企業のご出身だそうで・・・。
I君の父親が持つ、【社員数が多い=安定している】という価値観は否定するものではありませんが、業界や職種による違いもありますよね・・・。
親御さん世代の多くは、【大企業=安定】【正社員=安定】という価値観をお持ちかも知れません。
そうであったら良いのですが、たくさんの悲劇を私たちは見てきたはずです。
様々な選択肢がある現代では、親御さん世代の価値観だけでは渡っていけないこともあるのではないでしょうか?
番組制作会社はブラック企業!?
専門学校を卒業した後、約2年間のフリーター生活を経験したKさん(23歳)
そろそろ就職したいと考えたKさんは、テレビ業界に興味を持ちキャリアトレインの就職サポート面談に訪れました。
上記のI君と同じように、テレビ業界について説明した後、求人の紹介となりましたが・・・。
Kさん「親に聞いてから受けるかどうか決めます」
私「(心の声)またか!?」
翌日、Kさんからメールが届きました。
Kさん「この会社はブラック企業だって母が心配していて・・・」
確かに、番組制作の仕事は週休2日で必ず休めるわけではなく、定時で終えられる仕事ではありません。
それがいわゆる“ブラック企業”の定義に当てはまるのであれば、そうでしょう。否定しません。
私もそれを良しと考えているわけでは決してありませんが、番組制作の仕事の現状なのです。
それでも挑戦してみたい、番組制作に携わりたい、こんな番組を作ってみたい、という方達が集まるのです。
テレビ業界の現状について覚悟を決めたはずのKさんでしたが、母親の大反対に遭い企業にエントリーすることもありませんでした。
親御さんの反対に遭おうとも、本当にやりたい仕事ならば説得するくらいの気持ちでいて欲しかったです。
I君やKさんに限らず、「親御さんの意見がすべて」という方は20人に1人くらいの割合で出会います。
「親が言うので・・・」と、下記のような考えを変えられない方もいました。
「退職してから3ヶ月以内に次を決めないと就職出来なくなる」
「社会人経験が1年あるのだから、未経験職でも最低給与になるのはおかしい」
「試用期間が3ヶ月以上ある会社は正社員にする気がない」
いくら私が「そんなことはないですよ」と言っても、「親が親が」です。
「○○さんはどう思うの?」と聞いても大体沈黙。
親御さんに就職・転職に関して意見を求めるにしても、最終判断は“自分”だと認識しましょう!
《石川かおり》