1年目のアシスタントディレクターが陥る〇〇〇〇〇
最近、テレビ業界1年目のアシスタントディレクター(AD)と連続して登録面談でお会いしたのですが、なぜか負のスパイラルに陥り、一人で苦しんでいるのです。
2人とも今年の春に番組制作会社に新卒入社した女性です。
1人は入社6ヶ月で退職してしまい、現在転職活動中。
1人は某番組に配属され、まだ続けてはいるものの、すでに辞める騒ぎを数回起こしているそうです。
退職理由は2人とも共通して、“人間関係”が問題でした。
「先輩が自分にだけあたりが激しい」
「他のスタッフには言わないのに私にだけ・・・」
「上司が自分だけ無視する」
「ある先輩が自分だけに優しくするから同期から冷たくされた」
自らが受けた仕打ち?について、話し出したら止まらない状態です。
ベテラン女性プロデューサー曰く
そんな1年目のアシスタントディレクターを連れて、某番組制作会社の面接に臨みました。
面接官は数々の人気番組を手掛けるベテラン女性プロデューサーだったのですが、やはり「1年目でなぜ転職したいのか?」という話題になりました。
1年目のアシスタントディレクターは、とくとくと上記のような退職理由を語ったのですが、プロデューサーは何も言わず聞いているだけです。
決して笑える話ではないのですが、プロデューサーは笑顔でこう言いました。
「若いうちは自意識過剰なんだよね~」
「自分だけ自分だけって、実はそんなことなかったり」
「誰もADのことをたいして考えて発言しているわけじゃない」
「特定の誰かをどうこうしてやろうなんて、考えちゃいないよ」
文字にするとちょっと感じ悪く見えますが決してそんなことはなく、ご自身も通ってきた道を優しく語ってくれました。
人に言われたことをどう受け取るかはそれぞれですが、いちいち「私にだけ!」と過剰に受け取っていたら確かに身が持ちません。
みんながスーパーAD?
自意識過剰にはもう一つのパターンがあります。
「私だけ仕事が出来ない」
「全然出来ていない」
「先輩みたいに出来ない」
と、勝手に自分を追い込み、勝手に落ち込むパターンです。
このパターンに陥っているもう1人の1年目のアシスタントディレクターを某番組制作会社の面接にお連れしたのですが、面接官の男性プロデューサーにあっさり言われてしまいました。
「1年目で出来ると思ってないから!」
「出来なくて当たり前、気負い過ぎなんだよ」
「1年目だし~出来るわけないし~」と開き直られるとイラッとしますが、出来ない出来ないと思い過ぎたら仕事が楽しくなくなります。
1年目で出来ないのは自分だけじゃないのです。
何でも器用にこなす“スーパーAD”になるには1年なんて、まだまだ早い(*´Д`)
今回登場したアシスタントディレクター達は、真面目でやる気があるゆえに陥りやすいのかも知れませんが、結局早期で辞めることになっては意味がありません。
テレビ業界人生(社会人人生)は長いのですから、自分を長持ちさせることも大事ですね。
≪石川かおり≫