マスコミ業界の《事務職》に求められること
今年も残すところ2ヶ月を切りましたが、有効求人倍率※は依然として高い水準で推移しています。
※有効求人倍率とは、求職者1人に対して、何人分の求人があるかを示す指標
2016年9月は25年ぶり高水準となりました。
ところが職種によっては、席取り合戦となっているものもあります。
《2016年9月の有効求人倍率》
全職種 1.38倍
事務職 0.36倍
事務職は、求職者1人に対して1人分の求人もないということです。
さらに、事務職の中でも経理などの専門知識を要する事務的職種ではなく、“一般事務”と言われる職種となるとさらに低い有効求人倍率となります。
■事務的職業 有効求人倍率推移
( )は一般事務
2016年4月 0.31(0.24)
2016年5月 0.31(0.24)
2016年6月 0.32(0.25)
2016年7月 0.33(0.25)
2016年8月 0.34(0.26)
2016年9月 0.36(0.28)
厚生労働省:職業別一般職業紹介状況(常用(除パート)
これほど狭き門となっている事務職求人ですが、希望する求職者は減る様子を見せていません。
事務職に求められること
「高いスキルが必要ない」
「責任がない」
「残業がない」
このようなイメージで事務職を希望している方もいるようです。
派遣契約で事務職に携わる方には、契約内でベストを尽くして貰えばよいので実現可能なことかも知れません。
ただ、正社員としての採用となると「ない」「ない」尽くしがどこまで通用するでしょうか。
一定レベルのPCスキルがあれば事務職をゲット出来るか、もしくは事務職として通用するかというととんでもないのです。
・ExcelやWordは当たり前!Excelのマクロ、PowerPoint、Accessなどを求められることも
・受付や来客対応など、会社と顔となっても問題ないビジネスマナー
・社内外の厚い信頼を得る頼られスキル
・時には人を動かし、円滑に業務を進めるコミュニケーション能力
・正確でスピード感のある業務処理能力
・仕事を目標内に終わらせる段取り力
・外資系企業では英語能力を求められることも
まだまだ挙げればキリがないほど、事務職に求められることはあります。
さて、これだけのスキルを持ち合わせているのであれば、事務職以外にも幅を広げて考えることも出来るのではないでしょうか?
事務職以外の選択肢
お子さんがいたり、年齢など、様々な事情で比較的働きやすい事務職を選択する方がいます。
もし何も縛りのない20代であるならば、事務職に固執せず、可能性の幅を広げて考えてみると世界が変わるかもしれません。
冒頭で説明したように、事務職を希望しても職を得ることは困難な状況です。
事務職の中でも、会計や経理の知識を得られる方向に進んでみたり、営業アシスタントとして営業的な経験を踏んでみたり、総務や人事など、会社の運営に関わるポジションを得ることも手ではないでしょうか。
専門知識やステップアップが狙える職種へのチャレンジやシフトでより活躍に場が広がることもあります。
これは、マスコミ業界で事務職を希望する若手にもおススメ出来ることです。
マスコミ業界の事務職希望者
キャリアトレインの就職・転職サポートでも、事務職を希望される求職者(登録者)はとても多いです。
例えば、、、
・番組制作会社の制作デスク
・音楽やイベント企業などのクリエイティブ企業の事務職
・芸能プロダクションの事務職
景気の回復がなかなか見込めないこれらの業界では、事務系の求人は減る一方なのですが、このような求人が登場するとやはり応募が殺到することがあります。
その中で選ばれるのは、同業界での勤務経験者や、一般企業での勤務経験者でも総務・人事・経理・営業など、専門知識や経験を持っている方が多いのです。
例えば番組制作会社の制作デスク職の場合、アシスタントディレクターとして番組制作の現場を知っている方はチャンスを得やすくなっています。
このような事実から、まずはアシスタントディレクターとして番組制作の現場を経験することを、おススメすることもあります。
ただでさえ少ない制作デスク職を待っているだけでは何も始まりません。
事務職に固執すると、チャンスがあった時に評価されづらいスキルしか身に着けていないなんてことにもなりかねません。
まとめ
何も、ブラック企業のハードな職種に就いて、むやみに苦労しろとは言いません。
だからと言って、事務職希望者が楽をしたいとも、上記の「事務職に求められること」を見ればとても言えません。
何の職種であろうとも、「代えがきかない人材」になる為に、可能な範囲で自身の可能性を模索してみてはいかがでしょうか!
《石川かおり》