≪テレビ業界未経験≫登録者がクライアントになるまで

2016年5月25日

頑張る男性

私はマスコミ業界に特化した人材紹介のお仕事を始めて10年以上経つのですが、まったくの未経験でテレビ業界に飛び込んだ方がアシスタントディレクターからディレクターになっていたり、プロデューサーとして結構有名な番組を仕切っているなど、嬉しい出世話をちょくちょく聞くようになりました。

登録者(求職者)が番組制作会社へ入社が決まると、「今日からは登録者(求職者)ではなく、クライアント様ですね~♪」なんて、未来の採用権限者!?に冗談で媚びることがあるのですが、その方たちが出世して本当に求人の依頼をいただけるので感激です。

先日も懐かしい元登録者の方が来社してくれました。

30歳過ぎてテレビ業界デビュー

某大手番組制作会社でアシスタントプロデューサーとして活躍しているOさん。

芸能マネージャーとして芸能界で確かな実績を上げてきた経歴を持つOさんでしたが、番組制作を自らもしてみたいと考えるようになり、30歳を過ぎてチャレンジすることになったのです。

番組制作の実務経験こそないものの、制作の流れや仕組みなどは長く芸能界にいたOさんは知り尽くしていました。

各局の番組プロデューサーにも顔が広く、番組制作スタッフとしてスタートすることはひとまず叶いました。

本当の試練は入ってからです。

プロデューサーとして自分の番組を持つことを目標としているOさんですが、“アシスタントディレクター”としての修行期間からスタートです。

番組制作は未経験のOさんは、20代前半の先輩アシスタントディレクターから教わることになりました。

10歳以上も“年下の先輩”から指導を受けるOさんは、持ち前の順応力で気にもしない様子でしたが、“年下の先輩”からすれば何とも教えづらいものです。

しかもOさんの場合、プロデューサーをも出し抜く!?くらい業界で顔が広いときたもんだ。

しかもしかもアシスタントディレクターとしての頑張りも半端ではありませんでした。

「早くプロデューサーになりたい」という気持ちがOさんを動かしていたのです。

ある日、プロデューサーが言いました。

「もうお前、AP(アシスタントプロデューサー)やれ」

たった数か月のアシスタントディレクター期間で、アシスタントプロデューサーに昇格したのです。

今や、日本テレビのメイン番組のアシスタントプロデューサーとして活躍する傍ら、TBSの特番なども担当していて、番組制作スタッフとして充実した毎日を過ごしています。

そんなOさんから「アシスタントディレクターを募集したい」と依頼があったのです。

番組制作スタッフを揃えることもプロデューサーの仕事。

Oさんの役に立てるよう、やる気のあるアシスタントディレクターを是非ご紹介したいものです。

「未経験者でも出来るならテレビはどうかな」ですと?

キャリアトレインの就職・転職サポート面談で、「何でもいいからアシスタントディレクターを希望します」という方がいます。

特にテレビ業界で何がしたいというわけでもないのですが、「未経験者でも応募可能だし、テレビは嫌いじゃないし、アシスタントディレクターをやってみようかな?」というわけです。

誰だって最初から【適職】が見つかるわけでもないですし、仕事をしていくうちに自分に向いていると感じたり、目標が定まることはあります。

ただ、テレビ業界はそうではないのではないかと、数多くの番組制作スタッフを見てきて感じます。

Oさんのように、「プロデューサーになって自分の番組を制作したい!」という強い気持ちがなければ、過酷なアシストディレクター期間を経て、テレビ業界でやっていくのは至難のわざではないでしょうか。

先日会った時Oさんも言っていました。

「好きじゃなきゃやってらんないですよ!」

何もないのに続けていけるほど甘い世界ではないのですね。

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≪石川かおり≫

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