テレビ業界の常識は世間の非常識!?PART2
前回のブログ『テレビ業界の常識は世間の非常識!?PART1』で、テレビ番組制作スタッフが転職活動をする際に、人事担当者に驚かれてしまう話を書きましたが、テレビ番組スタッフの“常識”は入社後も問われます。
時間感覚の違い
番組制作会社に勤めていると、時間の感覚がおかしくなりかねません。
昼過ぎに出社して、徹夜して朝帰って、また翌日昼過ぎに出社。
担当番組の放送に合わせて出社退社すると昼夜逆転の方もいます。
ロケや取材、編集所にこもってろくに会社に来ない方もいます。
土日祝に休む感覚がないので、メリハリが持てない。
このような番組制作スタッフばかりではありませんが、やたらと長い拘束時間の中で、キチキチっとした時間に縛られていない方が多いようです。
一般的な感覚の会社に転職した場合、時間の感覚を通常に戻すことが大変だとよく聞きます。
ロケ時の発言も要注意
外部の方への話し方は、まともな番組制作スタッフならば鍛えられているはずです。
業界用語なるものが存在し、チャラチャラした話し方をする印象を持っている方もいるかも知れませんが、番組制作スタッフは大人の会話をしなければならない場面が多々あります。
■警察
一般道路上での撮影には管轄警察署に道路使用許可を申請する時。
■役所
公共施設や公園などを撮影で使用する際は、区(市)役所、公園管理事務所に申請する時。
■専門家
医療番組や政治経済番組などで、医者や教授、政治家などの専門家のコメントが必要な時。
■一般の方
◇飲食店などの取材で、一般の方の撮影許可を取る時。
→許可を取る時の時間帯も要注意!
飲食店ならば、昼時やディナータイムは避けるべき。
一般家庭ならば、出社前の忙しい時間や夜遅い電話は迷惑。
◇街頭インタビューや撮影時の通行止めなど、“お願い”“お詫び”をする時。
→過去にはこんなトラブルも!
・あるイベント会場での取材で、一般人に対して「邪魔だどけ!」
・ある観光地での撮影で、観光客に対して「止まれーっ!」
・ドラマの撮影で通行止めに、時間がないから通らせて欲しいという通行人に対して「許可取ってるんで~」
邪魔しているのは撮影クルーの方なのに、こんな言い方はありえませんね。
なにか事情があったのかも知れませんが、テレビ番組スタッフの“常識力”が問われる場面です。
そして、ネットで一気に拡散する世の中です。その場限りで終わると思ったら大間違いなのです。
番組スタッフこそが品行方正!?
「スタッフが横断歩道以外の道路を渡ろうものなら大変なことになりますよ」
ある有名なロケ番組を制作しているプロデューサーが話していました。
どんなに田舎道で滅多に車が来ないような道路でも、「ロケの最中は必ず横断歩道を渡る」と徹底しているそうです。
SNSに晒されることだけを意識しているわけではありませんが、先ほどのロケ時の一般人への対応が拡散したように、「○○○の番組スタッフが横断歩道のない所を横断!」とTwitterや何かで投稿されてしまう可能性は大いにあるのです。
番組名や、下手すると番組に出演しているタレントの名前までが晒される危険性もあります。
「こんなこと」というようなことでも、世の中のルールを徹底しなければならないのがテレビ番組スタッフなのです。
一にも二にもコンプライアンス
街頭インタビューを観ていると、インタビュー対象者の周りに映り込む一般の方にはモザイクをかけるようになりましたね。
インタビュー対象者には署名捺印をしてもらい、放送の許可を得るわけですが、映り込んでいる人からはいちいち承諾を得ていないわけで。
個人情報保護?肖像権?プライバシー権?
これもテレビ番組スタッフが心がけるべきコンプライアンスです。
やらせ、捏造、無断で○○、なんて論外ですが、普段の姿勢がいざという時に現れるものです。
「テレビ業界の人間は“常識”がない」なんてことは本来あり得ないはずなのです。
今時クリエイター気取りで好き勝手に出来る時代ではありません。
若いスタッフ達は、今よりもテレビが自由だった頃の先輩達を見て育ちます。
「それでいいんだ」と思わせてはいけませんね。
なにかと目立つテレビ番組スタッフだからこそ、ラフな時とやる時の区別をつける。
そんな業界人がカッコイイではありませんか!
《石川かおり》