若手社員が注目する「リスキリング」!自己成長で「ゆるい職場」を脱出
先月の読売新聞に、大手通信会社に勤務する若手社員(24歳)のある悩みについて取り上げられていました。
この若手社員は、入社直後からコロナ禍でリモートワークになったそうなのですが、「上司に叱られないことが不満」だと言うのです。
優しい上司のようで、厳しい指導を受けたことがないとのこと。
「このままでは自分はダメになる」と転職を考えるようになったそうです。
リモート勤務のせいもあるようですが、「叱られない」「労働環境も悪くない」「給料もよい」など、好条件が並ぶように思われますが、これを「ゆるい職場」と捉え、危機感を抱いた若手社員たちが職場を去っていくそうなのです。
マスコミ・エンターテインメント業界で働いている若手社員とは真逆の労働環境(!?)なので、ご当人たちが聞いたらプルプルしてしまいそうです。
どちらにしても昨今の若手社員には、「成長したい」という気持ちがとても強い傾向が見られます。
Q.仕事をするうえで重視することは?
第1位:「貢献」(31.9%)
第2位:「成長」(28.4%)
第3位:「やりがい」(19.9%)
出所:新入社員意識調査2022(リクルートマネジメントソリューションズ)
「自己成長」というキーワードもありますが、20代前半の自己啓発や学習の実施率は他の世代よりも高くなっています。
そんな若手社員たちが、「自身を成長させてくれる会社を選びたい」と思うのは必然です。
「ゆるい職場」と一旦感じてしまうと、「成長できないのではないか」という不安感に襲われてしまうのです。
20代の関心高い「リスキリング」
10月3日に岸田首相が「リスキリング支援」に今後5年間で1兆円の予算を投じる計画を示しましたが、あるアンケート調査では、8割以上の20代が「リスキリングを支援している企業に対して志望度が上がる」と回答しています。
◎リスキリング(reskilling)とは?
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」(経済通産省)
まさに「自己成長」の重視度が高い若手社員にとって、「新たにスキルを身につける」ために学習する「リスキリング」は大注目なわけです。
リスキリングを支援する制度を導入する企業こそが、成長意欲が高い若手社員に選ばれる企業になってくるのではないでしょうか。
<導入例>
■ヤフー株式会社
全従業員8,000人がAI(人工知能)を業務で活用できるように再教育。
■日立製作所
「日立アカデミー」を設立、DXの基礎教育を実施。
■ダイキン工業株式会社
企業内大学を設立し、1,500人の従業員をDX人材化。
「ゆるい職場」と感じたら?
リスキリング支援は大企業だけが導入しているわけではありませんが、中小企業では色々な意味で余裕がないため、目立った取り組みはまだ聞くことは少ない状態です。
ただ、「自己成長」は企業に頼るものでもありません。
そりゃ、サポートや制度が整っていることに越したことはありませんが、全員が成長できるわけではありません。
「会社が成長させてくれる」という意識では、どんな環境に行ってもいつも何かに不満を感じてしまうかもしれません。
結局は、どんな労働環境でも「自己成長」できるかどうかは自分次第です。
自力で努力するなかで、成長できる環境を探すことも努力の一つです。
「自己成長」を追い求めるポジティブな転職は常に選択肢となるかと思います。
何をもって「成長」を実感できるのか、会社選びの際に自分なりの視点で見極める必要があります。
「とにかく早く成長したい」と、ひとっ飛びで行くことばかりを考えるのはキャリアが浅い方に多い傾向ですが、若手のうちにしっかりとビジネスの基礎を身につけることが実は一番大事だったりします。
そして、「ゆるい職場」と感じたら、社内・社外問わず動いてみることも大事です。
自分の未来は自分で作る!
まずは、成長できる会社(環境)というのを一緒に考えてみませんか?
<石川かおり>