転職すればキャリアアップではない!中身がなければ説得力ゼロ
転職理由は「キャリアアップのため」
履歴書の志望動機に書いたり、企業面接の際に話したりする方は結構多いのではないでしょうか。
転職理由として間違えているわけではありませんが、言葉の意味や使い方が少し違う方もいます。
「キャリアアップ」とは?
「キャリア」=「経験」や「経歴」
「アップ」=「上げる」
仕事で専門的な知識を身に付け、経験を積み、能力を向上させて、自分の経歴や職歴や経歴を高めるということです。
何をもってキャリアアップとするのかは人それぞれです。
例えば。
・役職や地位の向上
・仕事の幅を広げる
・規模の大きい仕事をする
・専門性の高い仕事をする
・年収を上げる
・独立する(起業)
・雇用形態を変える(正社員になるなど)
「キャリアアップ」と混同しやすい「スキルアップ」という言葉もあります。
「スキル」=「能力」を向上させることを言います。
・技術力を高める
・資格を取得する
・心理的なマインドを高める
また、転職の場面でごちゃ混ぜになりがちな、「キャリアチェンジ」という言葉もあります。
未経験の職種・業界に挑戦することを言います。
「キャリアチェンジ」すれば「キャリアアップ」できるわけではないのですが、少し勘違いしている方が時たまいます。
市場での評価を得られてはじめて「キャリアアップ」となるので、転職すればよいというものではありません。
では下記の3名は「キャリアアップ」と言ってよいのでしょうか?
キャリアアップになる転職・ならない転職
■「新卒入社3ヵ月で退職」
番組制作会社のADとして新卒入社したAさん(22歳)
「キャリアップしたい」と入社3ヵ月で退職し、転職活動を始めました。
研修を終えて、やっと担当番組に配属されたばかりでした。
Aさんが転職先として希望したのは、軒並み大手と言われる企業ばかりでした。
面接まで進んだ企業もあったものの、「キャリア」以前に、「耐久性」や「ビジョンのなさ」を問われてしまい苦戦することになりました。
■「芸能マネージャー6年目」
芸能プロダクションでマネージャーとして勤務しているBさん(28歳)
元々アーティストのマネージャーを志望していたBさんですが、所属するプロダクションでは機会が得られません。
これまでの人脈や培ったスキルを活かし、アーティストマネジメント事務所へ転職を決意しました。
■「経理からゼネラリストへ」
映像コンテンツなど扱う大手エンターテインメント企業で経理として7年目になるCさん(29歳)
バックオフィスの管理職としての目指しているCさんは、経理や人事などの幅広い知識と経験を得ることができるゼネラリストを募集している中小企業へ転職することになりました。
最初のAさんのように、一般的に「キャリアが浅い」と見なされる方の転職は、「キャリアアップしたい」という転職理由は説得力に欠けてしまいます。
ただ、職務経験は年数だけがすべてではないので、キャリアアップするための説得材料をまとめる必要があります。
参考:2017年11月13日ブログ「転職ありきのキャリアプランに潜む4つのリスク」
キャリアアップをするために
自分は何を望んで転職したいのかを明確にしなければ、「キャリアアップ」という言葉は聞こえが良いから使っているに過ぎなくなります。
キャリアアップするために、下記について考えてみましょう。
①キャリアプラン(キャリアビジョン)を立てる
将来(最終的)にどうなりたいのか、自分が希望するキャリアプランを実現するためには、どうキャリアップしていけばよいのか最適な道を考える。
②何をもってキャリアアップ成功なのか
何を実現すれば、自分にとってのキャリアップになるのか、そのために本当に転職する必要があるのか考える。
③キャリアの現在地をはっきりさせる
自分ができること(できないこと)や獲得しているキャリアを明確にし、必要な知識や経験は何なのかを考える。
20代はできることを地道に増やしていくことがキャリアアップに繋がります。
30代・40代~と、なりたい自分になるために、常にキャリアと向き合うことが大切です。
<石川かおり>