募集要件を満たしているのに書類選考NGも!?選考中に変化する合否の分かれ目
<必須要件>
社会人経験1年以上
求人募集にこう書いてある場合、単純に考えれば「社会人経験1年以上」という要件を満たしていれば応募可能です。
ただ、書類選考や面接を通過するとは限りません。
企業の選考には、必須要件として書かれていること以外に、隠れ要件があるからです。
例えば、「社会人経験1年以上」を必須要件とする芸能プロダクションの求人でこんなことがありました。
「社会人経験1年以上」を満たす4名の応募者がいました。
Aさん(24歳)四年制大学卒業後、一般企業の営業職を2年
Bさん(21歳)専門学校卒業後、携帯電話の販売員を1年半
Cさん(26歳)テレビ番組制作会社でアシスタントディレクターを4年
Dさん(31歳)派遣で一般企業の事務職などを7年
この中で、書類選考を通過したのは、AさんとCさんだけでした。
募集要件に当てはまるのに、書類選考を通過しなかった理由は以下となります。
Bさん(21歳)専門学校卒業後、携帯電話の販売員を1年半
理由①他の応募者に比べると社会人経験が浅い
理由②四大卒の方を優先
Dさん(30歳)派遣で一般企業の事務職などを7年
理由①他の候補者に比べると年齢が高い
理由②正社員での勤務経験がない
学歴や年齢、どんな雇用形態で働いていたかは募集要件には書かれていません。
しかも、企業は募集段階でこれらの要件を“明確”に決めていたわけでもありません。
応募者を見ていく中で、このような方針が生まれたわけですが、こんな理由があります。
①他者比較
応募者を比べてみて、より良いと思った方を選んだ。
応募者単体で見れば決して不採用だったわけではないかもしれません。
しかし、1名しか応募しないという求人もそうはありませんので、比較検討されるのは仕方がありません。
②企業の採用基準に合わなかった
採用基準を公開している企業はほとんどありません。
例えば学歴ならば、同じ四年制大学卒業でも学校名を重視しているとか。
年齢給がある企業ならば、高い年齢の未経験者が入った場合、年齢給に合わせると経験を積んでいる既存社員に不公平感が生まれることもあります。
これらも“明確”な規定があるわけではなく、主観やなんとなくみたいなこともあります。
そもそも、募集段階であまり絞り込み過ぎると、雇用対策法に触れたり、応募者が集まらなかったり可能性もあります。
曖昧な隠れ要件によって合否を左右される応募者としては残念な気持ちになりますが、企業は応募書類を“総合的”に判断するので気にしても仕方のないことでもあります。
だったらどうしたら良いのでしょうか?
とにかく応募することが重要
募集要件を満たしているのに選考が通らないこともあるならば、募集要件を満たしていなくても内定の可能性はあります。
求人職種に必要な経験や資格がなくてはならないという求人もありますが、未経験者も対象にした求人の場合は、「だいたいこんな人材を求めている」と曖昧な場合もあるからです。
企業の中途採用担当者へのアンケート調査(女の転職type)では、「書類選考の段階で応募資格を満たしていなくても通過させたことがある」という回答が57.1%。
「最終的に採用につながったことがある」は46.0%という結果も出ています。
また、応募者を比較して検討されるのであれば、応募状況によって条件が緩和されることもあるわけです。
つまり、応募してみなければ何も結果を得られず、何も始まりません。
しかし、ただ応募するだけでは採用担当者に響きません。
【必須要件を満たしていない場合のアピール方法】
・前職の実績をアピール
・前職で得たスキルや経験を応用できることをアピール
・他職種でも募集業務と似ている部分をアピール
・募集年数が足りなくても業務経験の豊富さをアピール
・学歴や資格でアピール
・必要な資格を取得見込みであることをアピール
・仕事への理解度をアピール
・仕事への意欲の高さをアピール
・自分の強みをアピール(企画力、実行力、コミュニケーション能力など)
・今後のビジョンをアピール
募集要件に当てはまらない部分を、これまでの経験やスキルでどうカバーできるかをアピールする必要があります。
募集要件に当てはまっていたとしても、これらをアピールすることは欠かせません。
あまりにも企業の想定する人物像(年齢など)とかけ離れていると難しいかもしれませんが、とにかく応募あるのみです。
その際はむやみやたらではなく、効果的な応募を意識してみましょう!
<石川かおり>