ジェンダーギャップってなに?メディアは「男女の区別はない世界」

2021年5月24日

職場でのジェンダーギャップ(男女格差)について調査結果が発表されました。

Q.「今の職場にジェンダーギャップがあるか?」

「非常にあると思う」18.8%
「ややあると思う」 33.6%
「あまりないと思う」30.1%
「ほぼないと思う」 17.5%

「ある派」は52.4%で「ない派」は47.6%となり、「ある派」がやや多い結果となりました。

Q.「女性であること」が理由で、職場で経験したこと(感じたこと)は?

「お茶出し、掃除などを任される」38.2%
「給料が低い」         36.5%
「給料が上がりにくい」     35.9%
「補助的な仕事を任せられる」  34.3%
「昇進・昇格スピードが遅い」  32.7%

情報元:「女の転職type」会員868名(アンケート実施期間2021年4月1日~4月14日)

このアンケート結果を見て思ったのですが、キャリアトレインのクライアントでこのような例はほとんど聞いたことがないのです。

よその会社の内部で起こっていることを、私がどこまで知ることができるのかとも言えますが、女性社員からの話や会社の様子を見ていて感じたことをお伝えしようと思います。

男性がお茶出しするマスコミ業界

まず、「お茶出し、掃除などを任される」という問題について。

私は番組制作会社にお邪魔することが比較的多いのですが、お茶を出してくれるのは「女性」という印象はまったくありません。

来客対応を専任で行う社員がいない会社は多々ありますが、そういう会社の場合、社歴の浅い若手社員がお茶出しなどを任されます。

某番組制作会社の場合、タイミング的に一番若手が男性ADさんのようで、毎回男性がお茶を丁寧に出してくれます。

先日伺った際は、この4月に入社した新入社員の男性ADさんでした。

女性の新入社員も入っていますが、たまたまなのか男性。

挨拶の仕方やコミュニケーションの取り方なども、お茶出しで仕込んでいる様子でした。

某エンタメ企業にお邪魔した際は、取締役の年配男性がお茶を出してくれたので恐縮しました。

掃除も男女で決まられているわけではなく、若手社員を中心に分担制になっている会社がほとんどです。

「給料が低い」「給料が上がりにくい」という問題についても、男女差はありません。

職種やポジションによる違いは当然ありますが、「女性だから」という理由は聞いたことがありません。

日本で男女間の給与格差が大きい理由

日本は主要先進国の中でフルタイム労働者の男女賃金格差がかなり大きいというデータがあります。

参照:厚生労働省 平成30年賃金構造基本統計調査

賃金がピークに達する50~54歳では非常に大きな格差が生じていることがわかります。

それは下記のような理由があります。

日本で男女間の給与格差が大きい理由

■男女が「同一労働」をしていない実態
■女性管理職の少なさが平均を押し下げる
■妊娠・出産・育児によるキャリアの中断
■古い価値観やアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)
■職種・職能の男女差
■働き方が残業前提になっている
■「管理職にふさわしい女性がいない」という思い込み
■「女性が出世を望まない」という思い込み

私はこの中でも古い価値観を問題視しています。

日本有数の某大手広告代理店でこんな話を聞きました。

会社の「伝統」として男性を引っ張り上げる傾向があるそうなのです。

例えば、3人(男性2女性1)の契約社員のうち2人しか正社員登用がありません。

正社員に登用された2人は男性でした。

誰が見ても優秀なのは正社員になれなかった女性だったそうです。

実際に営業成績も2人の男性よりもあげていたのですが、周りの反応は「うちの会社ではしょうがない」というものでした。

必然的に会社の上層部は男性で固められていて、社内での男女給与格差は歴然としています。

テレビ局などマスメディア全体の女性比率は2割(管理職5%程)とまだまだ少ないですが、メディアは「男女の区別はない世界」と言われています。

理想と現実を照らし合わせると課題は多いですが、ジェンダーギャップがなんのそのというたくましい女性(男性も)がどんどん出てくることを願っています。

就職転職サポートボタン

<石川かおり>

PAGE TOP