テレビ業界に転職するために「スクールに通う」必要性は?

2021年4月19日

番組制作職(アシスタントディレクター)への転職を希望しているMさん(23歳)からこんな相談がありました。

「映像編集のスクールに通ってから転職活動をしようと思うのですが・・・。」

Mさんは映像とはまったく関係のない学校を卒業して、福祉業界で働いていました。

YouTubeが好きで、映像編集に興味を持ったことから番組制作職への転職を考えるようになったそうです。

映像に関する知識や経験がないことが気がかりで、少しでも転職を有利にするためにスクールへの通学を検討しているというのです。

聞けば、そこで学べることは映像編集に関することだけのようです。

Mさんは編集マンになりたいわけではないので、最初から専門的な知識を入れておく必要性をあまり感じません。

番組制作の仕事に編集は絶対に必要なスキルですが、最初から編集の経験やスキルを持っていなければならないわけではありません。

むしろ、キャリアトレインの就職・転職サポートで番組制作職(AD)として入社した方のほとんどがまったくの未経験者でした。

興味のある方は独学で簡単な動画編集スキルを身につけたりしていますが、「動画制作に興味があるんだな」という程度に企業から見られるとは思います。

スクールに通うことは多少にプラスになることはあるかもしれませんが、就職や転職に有利になるかはこれまでのサポート経験上、あまり感じられないのが現実です。

Mさんのように、社会人になってスクールや専門学校に入り直してから番組制作職への転職を目指そうと考える方はいます。

必要性はあまり感じないと言いましたが、目的によってはなしではないかとは思います。

ただし、それにはよく考えなければならないことがあります。

専門学校で学んでいないと就職できない?

テレビカメラマン、映像編集、ビデオエンジニア、音声、MA、照明、美術など、テレビ番組制作の技術面を担う仕事は、まったく何の知識もない方は就活で苦戦しているイメージはあります。

こういったことを学べる専門学校や大学がありますが、就職に成功した方をみると出身者は多くいます。

専門学校等に通えば、日本ポストプロダクション協会が認定する資格(映像音響処理技術者資格認定試験)やCGクリエイター検定を取ることができて、映像・音響の基礎知識を持っている証明程度にはなります。

テレビ番組制作の技術職に就くのに必要な資格はないので、専門の学校はあくまでも学生としての知識を身につけ、見識を広げる場所です。

制作職でも同じく専門の勉強ができる場所はありますが、技術職以上に資格は必要ない職種でもあります。

応募資格として「4年制大学卒業以上」とする番組制作会社も増えているので、知識を身につけて就活するよりも、まずは普通に大学を卒業していれば良いのかもしれません。

ただ、大学と専門学校を比較して、どちらがテレビ業界での仕事に就きやすいかということもありません。

テレビ業界について専門に学べる学校ならば、就職のサポートやルートがあることは大きなメリットではあります。

転職するにはスクールに通うべき?

社会人経験を積んでからテレビ業界に転職する方はたくさんいます。

冒頭のMさんのように、知識や経験がないことを不安に思い、映像制作に関する『スクール』に通うことを検討する方もいます。

スクールに通うことを全否定はしませんが、テレビ業界で何がしたいのかを明確にしてからにするべきです。

そのうえで下記のようなことを考えてみてほしいと思います。

・高額の受講料を払う
・時間を費やしてしまう
・転職できるとは限らない
・即戦力とは言えない(実務経験ではない)
・転職先はスキルを求めていない

短期間のセミナーやテレビ業界に関する説明会などに出席するのは、転職のイメージをつけるのに有効だと思います。

ただ、高額の費用と時間をかけてまでスクールに通うのはもったいないと、キャリアトレインの転職サポート経験からは考えます。

では、結論。

映像技術職は難航する可能性はありますが、制作職は知識や経験を問わない会社は多数!

ただし、必要なのは【若さ】と【意欲】です。

年齢にもよりますが、スクールなどに通っているうちに就職・転職の機会を逸する可能性も!

とにかく1日でも早く就職・転職して、そこから知識や経験を積むことが大切です。

個別に事情があるかと思いますので、どんなことでもご相談ください。

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<石川かおり>

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