騙された!?入社後に発覚!残業代トラブル

2020年10月5日

嘘みたいな本当の話。

今年4月、番組制作会社に新卒入社したWさんから相談からこんな相談がありました。

「みなし残業を超えた分の残業代は払うって言ったのに出ない」

みなし残業とは、あらかじめ一定の時間外労働分が月給に含まれていることを言います。

例:月給22万円(みなし残業手当45時間分含む)

みなし残業を超えた時間分は、追加の残業代を支払う義務があります。

テレビ業界や芸能業界が法令遵守となったのは最近になってからです。

働き方改革により法外な残業が減っていることもあるのですが、以前はそうではなかったので、残業代を支給したら会社が潰れてします!?なんて話もありました。

現在は、少なくともキャリアトレインのクライアントはみなし残業超過分の手当を支給している会社がほとんどです。

Wさんが入社した番組制作会社では入社前の会社説明会や面接などで事あるごとに、「他社は出していないところもあるけどうちは出すから」と言っていました。

Wさんは大手就活サイト経由で応募したのですが、会社の求人情報にも残業代についてはちゃんと書いてありました。ちなみに2021卒の就活サイトにもばっちり。

月給230,000円(月45時間分の時間外手当(固定残業代)57,200円を含む)
※固定残業時間を超えた場合は、超過分の割増分が支払われます。

『就業規則』にも当然ですが記載されています。

きちんと労働時間を管理する為に、会社から指定された労務管理システムに毎日労働時間を打ち込んでいます。

一目瞭然でどのくらい残業をしたのかわかるのですが、実際の給与にまったく反映されていないことが発覚しました。

なぜ入社から半年以上経ったこのタイミングで気が付いたかというと・・・。

4月~6月は新型コロナウイルス感染防止策の為、自宅待機&テレワーク。

7月から配属された特番制作では残業が一切なし。

8月から週1放送のレギュラー番組を担当することになり、月の残業時間が60時間ほどに。

みなし残業分の月45時間を超えているので、当然残業代が追加されているかと思いきや給与明細見て愕然!というわけです。

慌てて近くにいた先輩に聞いたところ、「うちは出ないよ」とあっさり。

同期に確認したところ、全員驚いて憤るばかり。

こんな事実が発覚しなければ、忙しいながらも充実した毎日を過ごしていたWさん。

しかし、会社への不信感が芽生えた今では転職を考えるようになってしまいました。

同期は全員テレビ業界を去るくらいまでショックを受けていて、「訴えてやる」と言っているそうですが、Wさんは違います。

Wさんは、「テレビ業界にいたいから会社と揉めたくない・・・」と、泣き寝入りムードです。

Wさんとは今後について話し合っていますが、退職は避けようがありません。

入社後のトラブルを防ぐ為に

Wさんの相談と同じ頃、現在就活真っ只中の大学生Fさんからこんな相談がありました。

「求人情報に書いてあることを信じない方が良いですよね?」

そんな風に大学生に思わせる業界や会社って何なんだろうって思いますが、Wさんの例もあるので返答に困ってしまいました。

年々厳しくなっているので、就活サイトなどでは残業や休日などの労働条件は法令遵守で記載する必要があります。

少し前は、「書かなきゃいけないから一応書いてるけど」なんて言っていた番組制作会社もありましたが、そんな会社はみかけなくなりました。

とはいえ、入社前に労働条件の確認は必須。

会社は労働条件を募集時と契約締結時に明示する必要があるので、労働条件通知書にきちんと目を通して確認!

・雇用形態(有期か無期か、試用期間など)
・給与額(昇給、賞与など)
・勤務時間(時間外労働など)
・休日(休日出勤の有無など)
・各種手当
・福利厚生
・仕事内容
・勤務場所  など

Wさんのように、募集時にも労働条件通知書にも就業規則にも記載されているのに・・・となったら次の段階になりますが、とにかく証拠を残しておくことが重要です。

せっかく憧れの業界・仕事に就いて、こんな思いをするなんて、絶対にあってはいけないことです!!

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<石川かおり>

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