理想と現実のギャップが大きい？芸能マネージャーの仕事
キャリアトレイン就職・転職サポートでは、『芸能マネージャー職』志望者からの応募がとても多くなっています。
大手芸能プロダクションの求人広告を目にする機会は多いかと思いますが、所属タレント数が多ければマネージャーの数も必要です。
芸能マネージャー志望者も多くいるので、求人広告を出せばそれなりに集まります。
しかし、例えば100名応募者が集まっても、その中で1～2名採用に至れば良い方なのです。
高い採用倍率とも言えますが、応募者の多くが芸能マネージャーとしての適性に欠けているとも言えます。
適性とは経験やスキルばかりではなく、応募者がどれだけ仕事内容を理解しているか、理想と現実のギャップの大きさなども適性の一部となっています。
今年、キャリアトレイン就職・転職サポートをご利用頂いた芸能マネージャー志望者を振り返ってみました。
ジャンル希望有りの芸能マネージャー志望者
芸能プロダクションにはそれぞれ特性があり、様々なジャンルのタレントを抱える総合プロダクションもあれば、「役者のマネジメントに強い」「アーティストのマネジメントが中心」など、所属タレントの顔ぶれを見ると何となくわかると思います。
芸能マネージャー志望者の皆さんも、マネジメントとして関わってみたいタレント像というものがあります。
例えば、こんな方達がいました。
「ドラマや映画が好きなので役者のマネジメントがしたい」
「バラエティ番組が好きなので、芸人さんのマネージャーになりたい」
「音楽が好きなので、アーティストマネジメントを希望」
「アニメや2.5次元に興味があるので声優のマネジメントがしたい」 などなど。
タレントのジャンルはその他にも、文化人やアスリートなどが本業＋タレント活動をしていることや、MC・キャスター、雑誌やショーモデル、キッズタレントなどがあります。
「○○が好きなので」という気持ちを持つのは良いのですが、あまり拘り過ぎると芸能マネージャーとして1歩が踏み出せない可能性があります。
芸能マネージャーとしてキャリアをスタートさせた方達を見てみると、「マネジメントの仕事が勉強出来るなら」と、ジャンルに拘わっていませんでした。
また、就職・転職サポートが難しいと判断せざるを得ない芸能マネージャー志望者もいました。
「某人気アイドルの○○さんのマネージャーがしたいと逆指名」
「20代までのタレントしか無理、年配の方と話しをするのが苦手」
「自分の知っている大手事務所（5社程度）しか興味が沸かない」 などなど。
過酷な？芸能マネージャー
芸能マネージャーの仕事がカレンダー通りの休日が取れて、定時で帰れる仕事でないことは理解しているかと思います。
担当しているタレントのスケジュールにより、休日や勤務時間が変動するとても不規則な勤務形態です。
多忙なタレントを支える芸能マネージャーの仕事は、想像以上に過酷。
例えばこんなお話しを聞いたことがあります。
○公私の区別がない！
・小さな子供がいる女性タレントを担当しているAさん。タレントが仕事をしている間、子供の面倒を見ることがマネージャーの仕事になっている。
・大御所タレントを担当しているBさん。仕事終わりにタレントが飲みに行く際も同行。自宅まで車で送る為に一晩中待機。
○出張が多い！
旅番組、国内外ロケ、地方でのドラマ撮影など、出張ばかりのタレントを担当しているCさん。1年中、都内の自宅に帰れない。
○お風呂にも携帯！
仕事が終わっても携帯に連絡が来るので、24時間365日仕事体制でいなければならない。
○深夜早朝の送迎！
役者のマネージャーをしているDさん。早朝から夜中まで行われるドラマや映画の撮影の為、車での送迎を毎日担当。
○残業代はゼロ！
残業という概念がない。過労死レベルの労働時間でも残業代の支給はない会社がほとんど。
各芸能プロダクションのスタンス、受け持つタレントの人数、担当するタレントなどにより、マネージャーの労働環境は異なりますが、マネージャーのプライベートが優先される環境はあまり聞いたことがありません。
芸能マネージャーの適性
上記のような過酷な労働事例を聞けば、マネージャーに必要なことはある程度想像出来ます。
・1に体力、2に体力、3、4がなくて5に体力
・エンタテインメントが好き（テレビ・映画・舞台など幅広い興味）
・打たれ強さ、精神力
・コミュニケーション力
・流行をキャッチするアンテナの高さ、話題が豊富
・タレントと一緒に夢を見ることが出来る（タレントを支えたいという気持ち）などなど。
仕事を任されるようになれば、プロデュース力や対外的な交渉力などが求められるようになり、芸能マネージャーとして仕事の幅が広がります。
しかし、ベテランのマネージャーになっても、会社の体制によっては送迎だってしますし、現場同行もします。
仕事の内容が大きく変わるわけではないので、大変さも変わりません。
辞める人はあっという間に辞めます。
ただ、長く芸能界でマネージャーとして活躍している方はたくさんいます。
ベテランマネージャーさんにお話しを聞くと、なんだかんだで面白くて辞められないとおっしゃっていました。
それだけ、芸能マネージャーだからこそ体験出来ることや、やりがいが多いということなのですね。
≪石川かおり≫
