エンターテイメント企業の【事務職】に求められること

2018年7月30日

事務

エンターテイメント企業(テレビ・芸能・音楽等)の事務職への転職を希望する求職者が最近目立ちます。

応募者の1/3くらいは、事務職希望者です。

だいたい下記2つのパターンの転職希望者となっています。

①一般企業からエンターテイメント企業への転職希望者
②エンターテイメント企業で事務職以外の仕事をしている転職希望者

キャリアトレインの転職サポートでは、一般企業からの転職希望者の方が多いのですが、3つの理由でなかなか採用が決定しないことがあります。

【1】志望動機が曖昧

「②エンターテイメント企業で事務職以外の仕事をしている転職希望者」の場合、例えばテレビ番組制作スタッフとして勤務していて体力や能力的な限界を感じて、事務職にキャリアチェンジしようという方がいます。

番組制作など、エンターテイメント業界で働きたい気持ちはあるので事務職として関わっていたいという志望動機はよく聞きます。

実際にエンターテイメント業界で働いていたので、そこでの事務職がどういったものであるのかは大体想像がついている方が多いのです。

一方、「①一般企業からエンターテイメント企業への転職希望者」の場合、華やかなイメージを抱いてエンターテイメント業界での転職を目指す方もいます。

実は採用企業が一番恐れているのはこの点なのです。

一般企業の事務職も、エンターテイメント業界の事務職も、業務内容はそう変わりません。

先日、某エンターテイメント企業のデスク職の面接を受けた一般企業事務職からの転職希望者がいたのですが、下記の一言で不採用になってしまいました。

転職希望者「単調な仕事ではないことがやってみたい」

採用企業の人事担当者曰く、「うちのデスクの仕事も単調なので、代わり映えしないと思います」

業界が変われば同じ事務職が劇的に変わるかと言うと、ほとんどありません。

パソコンを前に事務処理をこなしていくのは同じで、そうそう事務スタッフを巻き込むようなイレギュラーなことも起こりません。

コツコツと仕事に向かう事務職としてのモチベーションは必須ですが、やはりエンターテイメント業界への強い興味や関わってみたいことなど、自分なりに“エンターテイメント業界でなくてはならない”ような志望動機が採用企業は聞きたいのです。

【2】条件が合わない

エンターテイメント企業の事務職は、スタート月給で20万円~25万円くらいです。

昇給率や賞与への反映も大きな期待出来ず、制作の現場に出ているスタッフやクリエイターとスタートは同じ水準でも、徐々に差がついてくる現実があります。

給与に見合った年齢層を求める傾向もあり、必然的に20代の採用率が高くなります。

また、残業代も月給に含まれている企業がほとんどで、毎日残業があっても給与は変わりません。

一般企業の事務職の場合、よほどの繁忙期でない限り毎日残業になるということもなく、あっても残業代支給となります。

条件面でのギャップを感じ、転職希望者の方が二の足を踏むこともあります。

条件だけで選ぶならば、エンターテイメント企業よりも一般企業の方が良いのではないでしょうか?

「好きな仕事の為に条件面は我慢すべき」とは言いません。

しかし、上記の志望動機にもあったように、事務職でも「エンターテイメントが好き!」という気持ちを優先させる場面があることを理解して選んだ方が良いかと思います。

【3】専門性が求められる

“事務職”と言っても、業務範囲は色々です。

業界・業種により、「○○事務」と呼び名が変わります。

一般事務、医療事務、営業事務、貿易事務・・・etc

バックオフィスの職種で言うと、経理、総務、庶務、法務なども事務職括りで募集があります。

エンターテイメント企業では、バックオフィスに潤沢に社員が揃っていない企業も多く、担当業務が分担されていないところも多々あります。

経理もやって、総務もやって、事務的なことはすべてバックオフィス担当者が1人が担当することもあります。

そうなると、専任ではなかったとしても経理や総務の業務経験者を優先して選考する企業もあります。

パソコンソフト(Word、Excel、PowerPointなど)を使用して資料作成が出来るのは当たり前。

経理ソフト使用経験や簿記の資格、決算の仕組みや流れの理解などの経理的なこと。

社員の入退社(社会保険の手続き等)や勤怠管理などの総務的なこと。

事務的なことを幅広く、さらに多少でも専門性を求められるのがエンターテイメント企業の事務職です。

就職・転職無料サポート

≪石川かおり≫

PAGE TOP