【TV業界】女性スタッフ急増中!番組制作会社選びのポイント
先週、人材募集のヒアリングの為、番組制作会社を3社訪問しました。
3社ともアシスタントディレクター(AD)を求めているのですが、求める条件がほとんど同じでした。
その中で、昨今特に聞くようになった、ある募集条件があります。
それは、「出来れば男性を採用したい」というもの。
けっして、「女性ではダメ」ということではなく、昨今の番組制作会社では女性アシスタントディレクターが多くなっていることが理由なのです。
聞けば、先週訪問した番組制作会社では、アシスタントディレクター10人中、女性8人:男性2人という割合なのだそうです。
その他の番組制作会社も同じく、女性アシスタントディレクターの割合が増えていて、バランス的に男性も増やしたいと言うのです。
この現象はあちこちの番組制作会社で聞くようになり、女性アシスタントディレクターが目覚ましい活躍ぶりなのです。
一般的に女性の場合、細かい気遣いが出来る方が多く、芯が強くしっかりしている方もたくさんいます。
そのような女性スタッフには大いに将来を期待したいところですが、女性がテレビ業界で長く働き続けることは容易ではないのです。
長く働き続ける為に、番組制作会社選びで重視したいポイントがあります。
女性に選ばれる番組制作会社
①就業管理がしっかりしている
番組制作の仕事は勤務時間が長く、休日が少ないイメージですが、時代の流れとともにテレビ業界も改革が行われています。
「週1日以上は必ず休む」「月6~8日は休む」「定時で仕事を終わらせる」・・・etc
就業管理への意識を高く持った番組制作会社の取り組みを聞くようになってきました。
ただし、まだまだ意識の低い番組制作会社が存在するのが現実です。
改革を推進している番組制作会社では、女性ディレクターが増え、全体的な離職率も下がったと言います。
女性スタッフが行きつく先は、就業管理意識の高い番組制作会社でなければなりません。
②産休・育休の実績がある
例えば、大卒の女性アシスタントディレクターが4~5年頑張って、やっとディレクターなどにステップアップする頃。
20代後半~30歳前後の女性は、結婚や出産など、ライフスタイルに変化が出始める時期でもあります。
そんな時、産休・育休を取得し、キャリアを継続出来る環境(時短勤務、業務分担など)であるかどうかが重要です。
過去に社員が産休・育休を取得した実績のない番組制作会社でも、女性スタッフをバックアップする環境が整っていることは確認したいところです。
③キャリアプランが明確になっている
某番組制作会社では、「未経験からスタートして3年でディレクターに」というキャリアプランを掲げ、そうなるように教育システムが組まれています。
スタッフ一人一人の、「こうなりたい」「こんなことがやりたい」という希望や想いを叶える為、会社全体でサポートしている番組制作会社はあります。
頑張った先に何が待っているのか、その方向性を示せない会社はスタッフのモチベーションを上げることは難しいと思います。
どんなに小さなことでも達成感や成功体験を積み重ねることが出来る。
そのことを正当に評価されることで長期的な視点で働くことが出来るのではないでしょうか。
女性アシスタントディレクターが進む道
アシスタントディレクターとしてスタートして、誰もがディレクターになるとは限りません。
特に女性の場合は、テレビ業界での幅広い選択肢があると言えます。
アシスタントディレクターから
⇒ディレクター
⇒アシスタントプロデューサー
⇒アシスタントプロデューサー⇒プロデューサー
⇒制作デスク
⇒会社のバックオフィス(総務、経理、人事など)
もちろん、男性アシスタントディレクターもプロデューサー方向に進むことはありますが、アシスタントプロデューサーや制作デスク、バックオフィスなどの事務職は女性スタッフが目立ちます。
アシスタントディレクターからステップアップし、スケジュールをセルフ管理出来るようなポジションに進む女性スタッフは多いのです。
女性スタッフが長く働き続ける為に
5年前にある番組制作会社にご紹介した女性アシスタントディレクターと、先日ばったり道でお会いしました。
少しお話しすることが出来たのですが、なんと彼女の企画が通り、秋の特番として放送されるそうなのです。
まだまだディレクターしては駆け出しですが、着実に目標に近づいている様子。
テレビ業界に入り、3年、5年と経つうちに、最初の目標を見失う方がいるのも現実です。
ただ、「女性だから働きづらい」「女性は続けられない」ということはテレビ業界ではなくなりつつあります。
最初から恵まれた環境を見付けることは出来ないかも知れませんが、徐々に長く安心して働ける場所にシフトしていくことは可能です。
テレビ業界で築いたせっかくのキャリアを一緒に考えてみませんか?
≪石川かおり≫