また1人、アシスタントディレクター(AD)が辞めてしまった番組制作会社がある。
しかも入社1ヶ月で。
先月も入社1ヶ月のADが1人辞め・・・。
先々月も入社1ヶ月のADが1人辞め・・・。
“アシスタントディレクターが1ヶ月しか持たない番組制作会社”
そんなレッテルをすっかり自虐ネタにしてしまっている。
ではこの番組制作会社がすぐに人が辞めるような会社かと言うと、
他社と大差はない。
当然、番組制作会社だから勤務時間は長く、休みも乏しい。
こんなのは大体どこも同じで、そうじゃない所の方が珍しい。
では、物凄く厳しい先輩がいるのか?
意地悪な同僚がいたり?
セクハラ?パワハラ?
どれも当てはまらない・・・。
なぜかと言うと、
辞めてしまった3人のADはみんな某派遣会社から派遣されてきている人達なので、
何か問題があれば派遣会社に訴えるだろう。
そもそも問題のある会社に連続してスタッフを送り込むチャレンジャーな派遣会社があるのか!?
それぞれ退社理由は様々で、
「思っていた仕事と違った」
「自分の時間がない」
「この業界に向いてない」
当の本人達にとっては深刻な問題だからこそ辞めてしまったのだろうけど、
それにしても1ヶ月で判断出来る事の方が凄い。
みんな番組制作の仕事に就きたいと希望してきた方達なのだろうに。
「1ヶ月で辞めるようなADなら、3ヶ月目に辞められる方が痛い」
こんな風に思う方もいる。
そう、教える側の先輩達だ。
何もわからない新人に仕事を教える程面倒なことはない。
しかも自らが超多忙な中で。
番組制作の世界は、派遣スタッフがとても多い。
テレビ局内で番組制作しているスタッフは、
ほとんどがどこかからの派遣スタッフなのだ。
◆一般的な派遣会社から、番組制作会社やテレビ局への派遣
◆番組制作会社が自社の社員をテレビ局や番組制作会社へ派遣
※番組制作会社から番組制作会社への派遣は、
協力関係を結んでいる会社間ではよくあるケース。
派遣会社、テレビ局の人達、番組制作会社の人達・・・
たくさんの大人が“キミ”のADデビューを支えているのだ!!
もちろんお金だってかかっている。
採用はタダじゃ出来ない。
責任を感じて何が何でも辞めてはいけないとは言わない。
ただ、この業界に飛び込む前に考えて欲しいと思う。
番組制作の世界といっても、今は昔ほど“職人気質”なスタッフばかりではない。
仕事として割り切って番組を作っている人も多い。
結婚して、子供がいて、ごくごく普通に暮らしている。
良いか悪いかわからないが、何も特別な世界ではない。
番組制作の世界は、簡単に人が辞めていく理由はもはやないのである。
それでも辛い、大変そうだ、と思う要素があるなら、
確かに向いていないかも知れない。
≪石川かおり≫
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