来年で終了!?『売り手市場』減速感の理由

2019年12月23日

売り手市場は2020卒まで
就職売り手市場はあと3年で終了(2017年時点)
売り手市場終了のお知らせ  ・・・etc

このような、学生の楽観ムードを脅かすような文言が昨今登場するようになりました。

12月18日にリクルートが発表した『2021年春に卒業予定の大学生・大学院生の採用見通し』も恐怖ではないでしょうか?

21年春採用、「売り手市場」続くが減速感も

前年より採用数が「増える」という企業(11.5%)は、「減る」という企業(7.6%)を3.9ポイント上回り、学生優位の「売り手市場」が続くと予測。ただ、前年のプラス7.9ポイントより差が縮まり、やや減速しているという。

企業の採用控えはマスコミ・エンタメ業界の企業でも聞くようになりました。

テレビ業界には、自社の社員をテレビ局などに派遣をしている派遣会社が何社かあります。

派遣中心に事業を行っている会社は、たくさんの社員を派遣することが使命ですが、採用方針を変える動きを見せている会社もあります。

某派遣会社では、ここ数年は何十人も番組制作スタッフ志望の学生を採用してきました。

ところが、20卒の採用状況を聞いてみると、十数名だと言うのです。

また、別の派遣会社でも、20卒は前年の1/3の採用に留めたそうなのです。

応募者が集まらなかったわけではなく、かなり選んだ結果ということで、不採用の学生も相当数いたようです。

これこそがまさに売り手市場の減速感の理由とも繋がるのですが、「大量に採用したは良いが、早期で辞めていく」という悪循環を断ち切りたいのです。

売り手市場の減速感の理由

人は足りていない状況は変わらないのに、企業が採用を控える理由として考えられるのは大きく分けて3つあります。

①景気の先行きが不透明(米景気やオリンピックなど)
②新卒一括採用の見直し(通年採用に切り替える企業が続発)
③若手社員の育成に十分な時間を取ることが出来ない

上記の派遣会社の採用控えの理由は、『③若手社員の育成に十分な時間を取ることが出来ない』が大きく影響しています。

何十人も採用して、半年経ったら半分に減り、1年経ったら十数名残っている状態。

そんなことを何年も繰り返していればさすがに気付きます。

誰でも彼でもと言ったら大げさですが、採用のハードルを下げすぎて、意欲の低い社員に振り回せれてばかりいると、手間ばかりかかり生産性が低くなります。

それでも1人ひとりに向き合い、根気よく育てていくことが出来れば退職も減るのかもしれませんが、そんな余裕はありません。

最初から意欲の高い方を採用した方がよほど効率が良いはずです。

有効求人倍率も減少

転職(中途採用)も同じことが言えます。

厚生労働省が発表した2019年9月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月より0.02ポイント減となる「1.57倍」。前年同月比では0.07ポイントの減少となります。
この結果は、長らく上昇傾向にあった求人市場において、22ヵ月前に当たる2018年1月実績である「1.56倍」に近づく減少となりました。

業界によって事情は異なりますが、マスコミ・エンタメ業界ではやはり『③若手社員の育成に十分な時間を取ることが出来ない』は課題になっています。

中途の場合はもっとシビアです。

これは出来て当たり前が出来ていない場合、そこから教育するなんて、企業は想定していません。

専門的な知識や経験値ではなく、ヒューマンスキルであったり、目的意識の高さが若手の中途採用では特に求められます。

「ADは足りていないからとりあえず採用するんでしょ?」

という方がたまにいますが、確かにそういう時代もありました。

「育てれば何とかなる」でやってきましたが、少ない人数で番組制作を行っている先輩達はもうギリギリの状態です。

若手を育てたい気持ちはありますし、育てなければずっと自分達が大変なだけで未来はありません。

でもしかし・・・。

言い方は物凄く悪いですが、「やる気のないやつを育てている時間はない」ということです。

少ない人数でも、やる気のある若手を大切に育てる方針に各社変わりつつあるのです。

売り手市場の減速感には様々な理由がありますが、正常な状況になりつつあるとも言えます。

とは言え、就職・転職を目指す方々はチャンスの多いうちに動いた方が良いに決まっています。

ご自身の判断でハードルを上げずに、まずはお気軽にご相談ください。

参考:2019年7月23日ブログ「オリンピック後は求人が減る!?転職するならいつ?」

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<石川かおり>

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