履歴書の【本人希望欄】は一般的にこう書かれていることが多いです。

「貴社規定に従います」

どうしても！絶対これだけはお願いしたい！という事情がない限り希望は書かないものです。
本当の希望を書くと、採用担当者にマイナスイメージを持たれると考えられているからです。

給料や勤務地、その他交渉したことがあれば面接で機会は訪れるので心配ないのですが、、、
それにしてもせっかくの【本人希望欄】スペースを活かすことが出来ないのが一般的？？？

本当に希望を書いちゃった！？

最近、立て続けにこんな履歴書を見る機会がありました。

テレビ番組制作のアシスタントディレクター希望者からです。

全員、未経験者！

「アシスタントディレクターの給料が低いのは相談させてください。」

「前職では月給20万円でしたので、これ以上を希望します。」

「将来はディレクターかプロデューサーを目指していますが、給料によって変わってくると思いますので～。」

他の業界・職種ならいざ知らず、テレビ番組のアシスタントディレクターの場合、この方たちの書類は通りづらいのが現状です。

未経験者は新卒並みの給料スタート

未経験者でも社会人経験や前職の経験を考慮してくれる会社はあります。
その場合、新卒並みの給料提示ではなく、募集要項の範囲内である程度希望が叶う可能性はおおいにあります。

ただ、テレビ番組制作会社、芸能プロダクション、イベント企画・制作会社などは、知識と経験の積み重ねが肝となる専門職です。
専門職へ未経験でチャレンジしようとすると、専門知識・経験がない為に新卒並みの給料からスタートすることがほとんどです。

テレビ番組制作会社、芸能プロダクション、イベント企画・制作会社などは、未経験月給18万円～、よくても月給20万円以上といったところ。

例えば社会人経験5年の27歳未経験者がテレビ番組制作会社に転職しようとした場合、まさか月給18万円スタートになるとは思いませんよね・・・？
月給18万円～20万円というと、初任給と同じ水準になってしまいます。

■産業別にみた初任給：情報通信業（テレビ番組制作など）

厚生労働省：平成26年賃金構造基本統計調査結果より

大卒　　　　　　初任給　209.0（千円）
専門・短大卒　初任給　182.9（千円）

年齢は同じまたは年下でも、専門職の場合はその経験年数＝給料となります。

（一例）テレビ番組制作会社で働く2人の25歳

月給23万円：大卒ですぐにテレビ番組制作会社に就職した25歳
月給18万円：大卒で一般企業に就職、25歳でテレビ番組制作会社に転職

社会人経験の年数は同じでも、テレビ番組制作の知識や経験がない25歳は、その会社が定める1年生の給料水準なのです。

長い目でみて何が大切かを考えよう

「給料が低いからやめておこう」

チラッとでもそう思ったらやめておくのが賢明です。少しも引け目に感じることはありません。

テレビ番組制作会社、芸能プロダクション、イベント企画・制作会社などの業界は“好き”じゃなければやっていけません。
好きな仕事で満足いく給与が得られればこんなに幸せなことはありません。
ただ、現実は上記の通り、満足どころか1年生に逆戻りすることもある状態です。

そこで、「挑戦したい仕事だから最初は仕方ない、力をつけてあげていくぞ！」と思えるかどうか。

やりたいと思える仕事に出会えたこともまずは幸せなことです。
条件も大切ですが、長い目で見て大切なことは何でしょうか？

《石川かおり》