
「昔からテレビやエンタメが好きで、いつかこの業界で働いてみたい」
マスコミ・エンタメ業界への転職相談では、こうした声をよく聞きます。
実際に、以前キャリアトレインの転職サポート面談に来られた20代の方から、こんな話をされたことがありました。
「テレビを見るのが好きだし、芸能人やエンタメにも興味があります。でも、好きなものを仕事にしたら、嫌いになってしまうんじゃないかと少し怖いんです。」
とても正直な言葉でした。
「好きなことを仕事にしたい」という気持ちがある一方で、「仕事になったら、今までのように楽しめなくなるのでは?」という不安もある。
実は、これはマスコミ・エンタメ業界を目指す方にとって、決して珍しい悩みではありません。
では、「好き」を仕事にすると、本当に後悔するのでしょうか?
今回は、マスコミ・エンタメ業界への転職を考えている20代の方に向けて、「好き」と「仕事」の違いについて考えてみます。
「好きだから働きたい」は、転職理由として悪くない
まずお伝えしたいのは、
「好きだから、この業界で働きたい」
という気持ちは、決して悪いものではありません。
むしろ、転職活動を始めるきっかけとしては、とても大切です。
テレビ、映画、音楽、芸能、動画、イベントなど、エンタメ業界にはさまざまな仕事があります。
「昔からテレビが好きだった」
「映画を見るのが好き」
「音楽が好き」
「芸能人を見るのが好き」
「SNSや動画コンテンツが好き」
こうした興味から業界を調べ始め、実際に転職を決める方もいます。
特に20代であれば、「今まで経験した仕事とは違う業界に挑戦してみたい」という思いから、未経験でマスコミ・エンタメ業界を目指すことも可能です。
ただし、ここで一つ考えておきたいことがあります。
それは、
「好き」と「仕事として続けられる」は、必ずしも同じではない
ということです。
「好きなものを見る側」と「仕事として作る側」は違う
例えば、テレビが好きな人がいるとします。
仕事が休みの日に好きな番組を見て、
「この番組、面白いな」
「この企画すごいな」
「この出演者が好き」
と思うのは、とても楽しい時間です。
しかし、その番組を作る側になると話は変わります。
企画を考える。
出演者やスタッフと打ち合わせをする。
スケジュールを調整する。
ロケの準備をする。
資料を作る。
撮影に立ち会う。
編集作業をする。
急な変更に対応する。
完成した番組だけを見るのではなく、その裏側にある多くの仕事を担当することになります。
華やかに見える業界でも、実際には地道な作業や調整業務がたくさんあります。
つまり、
「テレビが好き」=「テレビ制作の仕事が好き」
とは限りません。
ここを理解しておくことが、転職後のミスマッチを防ぐポイントです。
「好きなこと」より「好きなことに関わること」を考えてみる
マスコミ・エンタメ業界への転職を考えるときは、
「何が好きなのか?」
だけではなく、
「好きなものに、どのような形で関わりたいのか?」
まで考えてみることをおすすめします。
例えば「芸能が好き」という場合でも、
・芸能マネージャーとしてタレントを支えたい
・番組制作に携わりたい
・イベントを企画したい
・宣伝やプロモーションに関わりたい
・SNSや動画コンテンツを運用したい
・ファンクラブやECなどの運営に携わりたい
・海外展開やライセンスビジネスに関わりたい
など、仕事の選択肢はさまざまです。
「エンタメが好き」という一言の中にも、実はたくさんの仕事があります。
だからこそ、
「何が好き?」→「なぜ好き?」→「どんな仕事なら関われそう?」
と掘り下げていくことが大切です。
「好き」だけで入社すると、ギャップを感じることも
マスコミ・エンタメ業界は、一般的な企業とは少し違った働き方やスピード感が求められる仕事もあります。
例えば、
・急な予定変更がある
・繁忙期は忙しくなる
・関係者との調整が多い
・自分の思い通りに進まないことがある
・表に出る仕事より裏方の仕事が多い
・地道な作業を積み重ねる必要がある
といったことです。
「好きな業界だから、きっと楽しいはず」
と思って入社すると、こうした部分とのギャップに悩むことがあります。
逆に言えば、
大変な部分も含めて「この仕事をやってみたい」と思えるか
が重要なのです。
「好き」を仕事にするなら、嫌なことも想像してみる
転職活動では、つい「やりたいこと」ばかりを考えてしまいます。
もちろん、それは大切です。
しかし、もう一歩踏み込んで、
「この仕事で、自分が大変だと感じそうなことは何だろう?」
と考えてみてください。
例えば、
「人と関わるのは好きだけど、急な変更が多い仕事は苦手かもしれない」
「テレビは好きだけど、長時間の撮影や編集作業は大丈夫かな?」
「芸能人が好きだけど、タレントを支える仕事は思っていた以上に地道かもしれない」
このように考えておくことで、求人を見るときの視点も変わってきます。
単純に「好きな業界だから応募する」のではなく、
「仕事内容を理解したうえで、自分にもできそうか?」
と考えられるようになります。
それでも「好き」は大きな強みになる
ここまで読むと、
「じゃあ、好きなだけではマスコミ・エンタメ業界に行かない方がいいの?」
と思うかもしれません。
決してそうではありません。
「好き」という気持ちは、転職活動において大きな原動力になります。
業界について調べる。
求人を探す。
仕事内容を知る。
必要なスキルを身につける。
面接で自分の思いを伝える。
こうした行動を続けるためには、「この業界で働きたい」という気持ちが大きな支えになります。
また、「好きだからこそ詳しい」ということも強みになります。
普段からコンテンツを見ている人であれば、ユーザーや視聴者の目線を持っていることもあります。
大切なのは、
「好き」をスタート地点にして、「仕事として何ができるか」まで考えること。
なのです。
転職活動では「好き」だけでなく「自分に合う仕事」を探そう
マスコミ・エンタメ業界には、たくさんの仕事があります。
「テレビが好きだから制作」
「芸能人が好きだからマネージャー」
と決めつける必要はありません。
これまでの経験や得意なこと、性格、働き方の希望などを整理すると、自分では考えていなかった仕事が候補になることもあります。
例えば、
「営業経験をエンタメ業界で活かす」
「接客経験をイベント運営で活かす」
「事務経験を制作会社のバックオフィスで活かす」
「SNSが得意なのでコンテンツ運用に挑戦する」
などです。
「好きな業界」×「自分の経験・強み」
で考えると、転職先の選択肢は広がります。
まとめ|「好き」を仕事にすることは、怖いことではない
「好きなことを仕事にしたら、嫌いになってしまうかもしれない」
そう考えるのは、決しておかしいことではありません。
仕事になれば、楽しいことだけではありません。
地道な作業もあります。
思い通りにならないこともあります。
忙しい時期もあります。
だからこそ、
「好きだから働きたい」から一歩進んで、「この仕事なら大変なことも含めて続けられそう」と考えることが大切です。
そして、マスコミ・エンタメ業界には、表から見える仕事だけではなく、さまざまな職種があります。
「エンタメが好き。でも、自分に向いている仕事がわからない」
そんな場合は、一人で答えを出す必要はありません。
キャリアトレインでは、マスコミ・エンタメ業界への転職を考えている方のキャリア相談・転職サポートを行っています。
「未経験でも挑戦できる?」
「自分の経験を活かせる仕事はある?」
「興味はあるけれど、具体的に何をしたいのかわからない」
そんな段階からのご相談も歓迎しています。
「好き」をきっかけに、自分に合った仕事を一緒に探してみませんか?

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国家資格キャリアコンサルタント
石川かおり
